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第七章:安藤さん家の四兄弟チャンネル始動
囁きの爆弾
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伊吹は配信に使っていたパソコンへと向き直り、バイノーラルマイクを用意した。
「今から録音するから、音を出さないようにね」
配信部屋にいる藍子、燈子、美哉、橘香、そして智枝に注意してから、録音を開始する。
「みんなありがとう、大好きだよっ」
感情を過剰気味に乗せた声を収録し、伊吹が社内サーバへ保存した。
「あーちゃん、文章で『安藤家四兄弟がとても喜んでいます。代表して旭が皆さんへお礼を伝えたいそうです。ぜひ聞いて下さい』って書いて、さっき録音した声と一緒に投稿しといてくれる?」
「ちょっと待ってね。
えーっと、安藤家四兄弟がとても喜んで……」
藍子が伊吹の言葉を復唱しながらスマートフォンに文章を入力していく。
そんな二人の様子を見守っていた燈子が、伊吹へと質問を投げる。
「お兄さん、今の文章を丸々声で言って投稿するのはダメなの?」
「ふっふっふっ、甘いなとこちゃん」
伊吹はやや芝居掛かった笑みを浮かべてパソコンの前から立ち上がり、燈子が座っている隣へと腰掛ける。
そして燈子へと向き直り、先ほど藍子へ投稿するようお願いした内容に似た文章を声に出して伝える。
「兄弟みんなで喜んでいます。代表して僕、旭が皆さんへお礼を申し上げます。
みんなありがとう、大好きだよっ」
伊吹に見つめられ、大好きと言われて燈子が顔を赤く染める。
意図せず身体中に変な力が掛かってしまったが、そのお陰で燈子は叫ばずに済んだ。
「あーちゃんにYoungNatterへ投稿してほしいって言った文章を、声で伝えるとしたら今見たいな感じ。
で、次にバイノーラルマイクで撮った音声だけだとどういう印象になるかと言うと……」
伊吹は燈子へにじり寄り、肩を抱き寄せて膝に手を置いて寄りかかり、耳元へ口を近付けて囁く。
「とこちゃんありがとう、大好きだよっ」
「ひゃぁ~~~~~!!」
これにはさすがに耐え切れなかったようで、燈子が叫び声を上げながら立ち上がった。
「とこちゃん、何て声出してんの」
足をバタバタさせ、腰もクネクネさせて真っ赤になった顔を両手で隠して悶える燈子。
「ずるい! お兄さんはずるい!
あたしの名前言ったら話変わってくるじゃん!」
伊吹が人差し指でチッチッチッ、としながら、またも芝居掛かった雰囲気で説明する。
「それは違うね。
『みんな』のところをそれぞれ受け取った人達が脳内で自分の名前に置き換えて聞くんだよ。
長々と感謝を伝える理由を説明するより、ありがとうと大好きだけを耳にお届けする方が、より効果があると思わない?」
それとね、と伊吹が再び燈子の耳元へ口を近付ける。
「俺は意地悪なんだよ、好きな人には特にね」
「ぴゃーーーーーーーー!!」
燈子は奇声を発してながらソファーへ倒れ込んでしまった。
「おおげさだなぁ」
そんなやり取りを見て、藍子は羨ましいと思う一方、自分の魅力を最大限に発揮して女性を魅了していく伊吹の末恐ろしさも感じていた。
「今から録音するから、音を出さないようにね」
配信部屋にいる藍子、燈子、美哉、橘香、そして智枝に注意してから、録音を開始する。
「みんなありがとう、大好きだよっ」
感情を過剰気味に乗せた声を収録し、伊吹が社内サーバへ保存した。
「あーちゃん、文章で『安藤家四兄弟がとても喜んでいます。代表して旭が皆さんへお礼を伝えたいそうです。ぜひ聞いて下さい』って書いて、さっき録音した声と一緒に投稿しといてくれる?」
「ちょっと待ってね。
えーっと、安藤家四兄弟がとても喜んで……」
藍子が伊吹の言葉を復唱しながらスマートフォンに文章を入力していく。
そんな二人の様子を見守っていた燈子が、伊吹へと質問を投げる。
「お兄さん、今の文章を丸々声で言って投稿するのはダメなの?」
「ふっふっふっ、甘いなとこちゃん」
伊吹はやや芝居掛かった笑みを浮かべてパソコンの前から立ち上がり、燈子が座っている隣へと腰掛ける。
そして燈子へと向き直り、先ほど藍子へ投稿するようお願いした内容に似た文章を声に出して伝える。
「兄弟みんなで喜んでいます。代表して僕、旭が皆さんへお礼を申し上げます。
みんなありがとう、大好きだよっ」
伊吹に見つめられ、大好きと言われて燈子が顔を赤く染める。
意図せず身体中に変な力が掛かってしまったが、そのお陰で燈子は叫ばずに済んだ。
「あーちゃんにYoungNatterへ投稿してほしいって言った文章を、声で伝えるとしたら今見たいな感じ。
で、次にバイノーラルマイクで撮った音声だけだとどういう印象になるかと言うと……」
伊吹は燈子へにじり寄り、肩を抱き寄せて膝に手を置いて寄りかかり、耳元へ口を近付けて囁く。
「とこちゃんありがとう、大好きだよっ」
「ひゃぁ~~~~~!!」
これにはさすがに耐え切れなかったようで、燈子が叫び声を上げながら立ち上がった。
「とこちゃん、何て声出してんの」
足をバタバタさせ、腰もクネクネさせて真っ赤になった顔を両手で隠して悶える燈子。
「ずるい! お兄さんはずるい!
あたしの名前言ったら話変わってくるじゃん!」
伊吹が人差し指でチッチッチッ、としながら、またも芝居掛かった雰囲気で説明する。
「それは違うね。
『みんな』のところをそれぞれ受け取った人達が脳内で自分の名前に置き換えて聞くんだよ。
長々と感謝を伝える理由を説明するより、ありがとうと大好きだけを耳にお届けする方が、より効果があると思わない?」
それとね、と伊吹が再び燈子の耳元へ口を近付ける。
「俺は意地悪なんだよ、好きな人には特にね」
「ぴゃーーーーーーーー!!」
燈子は奇声を発してながらソファーへ倒れ込んでしまった。
「おおげさだなぁ」
そんなやり取りを見て、藍子は羨ましいと思う一方、自分の魅力を最大限に発揮して女性を魅了していく伊吹の末恐ろしさも感じていた。
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