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46:役員になった
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時間はあっと言う間に過ぎて行った。
社長と専務からあれやこれやと役員としての仕事について指導を受け、上條課長から引き続き経理関係の仕事を教えてもらい、鷲田営業部長から営業について学ぶ毎日。
人に得意不得意はあれど、役員なのだから会社全体の業務内容というか、どうやって会社が動いているのかを把握していなければならない。
例えば、会社の業績が悪い時。
このままでは赤字が増え続けて倒産してしまうとしよう。
手っ取り早くリストラすればいいんじゃね? という事で営業部の何人かにリストラを迫った場合。
営業の人間が少なくなれば売れるかもしれない機会そのものを失いかねない。
また、じゃあ工場の人間のクビを切ればいい、と考えたとしても、営業が頑張って仕事を取って来ても実際に作る人間が少なくては出荷する事が出来ない。
それじゃあ非採算部門の経理のクビを切ろう、となったとして、俺が抜けた後に五十人規模の会社のありとあらゆる業務を三人で回している経理課を削ると会社そのものが機能しなくなる。
手っ取り早くリストラ、という考え自体が有効とは思えないので、俺はそんな事を実行しようとは思わないだろうけれど、本来であれば会社に不必要な人材なんていないはずなのだ。
一番簡単な経費圧縮方法は役員報酬を減らす事だけど、経営者自らが最初にその身を削るケースってあるんだろうか。
俺ならば一番にその方法を取ると思うんだけどな。
という事で、決算が明けて、俺は現在この会社の役員という立場になっている。
株主総会の決議で決定した。
また、専務は少なくともあと二年は専務取締役として会社の経営に残って頂く事が決まっている。
それは社長にしても同じだ。
専務と社長が同時に退任してしまうと、新しく二人の役員を選任しなければならなくなるので、先に専務が抜ける事だけは決まっている。
ので、社長はどんなに早くても四年は社長で居続けるという事で、つまり俺がこの会社の社長になるのはそれ以降という事だ。
本当になるかどうかは別として……。
社長と専務からあれやこれやと役員としての仕事について指導を受け、上條課長から引き続き経理関係の仕事を教えてもらい、鷲田営業部長から営業について学ぶ毎日。
人に得意不得意はあれど、役員なのだから会社全体の業務内容というか、どうやって会社が動いているのかを把握していなければならない。
例えば、会社の業績が悪い時。
このままでは赤字が増え続けて倒産してしまうとしよう。
手っ取り早くリストラすればいいんじゃね? という事で営業部の何人かにリストラを迫った場合。
営業の人間が少なくなれば売れるかもしれない機会そのものを失いかねない。
また、じゃあ工場の人間のクビを切ればいい、と考えたとしても、営業が頑張って仕事を取って来ても実際に作る人間が少なくては出荷する事が出来ない。
それじゃあ非採算部門の経理のクビを切ろう、となったとして、俺が抜けた後に五十人規模の会社のありとあらゆる業務を三人で回している経理課を削ると会社そのものが機能しなくなる。
手っ取り早くリストラ、という考え自体が有効とは思えないので、俺はそんな事を実行しようとは思わないだろうけれど、本来であれば会社に不必要な人材なんていないはずなのだ。
一番簡単な経費圧縮方法は役員報酬を減らす事だけど、経営者自らが最初にその身を削るケースってあるんだろうか。
俺ならば一番にその方法を取ると思うんだけどな。
という事で、決算が明けて、俺は現在この会社の役員という立場になっている。
株主総会の決議で決定した。
また、専務は少なくともあと二年は専務取締役として会社の経営に残って頂く事が決まっている。
それは社長にしても同じだ。
専務と社長が同時に退任してしまうと、新しく二人の役員を選任しなければならなくなるので、先に専務が抜ける事だけは決まっている。
ので、社長はどんなに早くても四年は社長で居続けるという事で、つまり俺がこの会社の社長になるのはそれ以降という事だ。
本当になるかどうかは別として……。
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