上 下
19 / 53

寝台 ※

しおりを挟む

何度も口付けを交わして、頬を蒸気させて蕩けたような顔をするキリトを、レイルは見つめた。黒曜石の瞳が蝋燭の明かりを映して濡れたように煌めいている。
吸い寄せられるようにまた口付けると、ちゅ、と濡れた音が鳴った。

寝台の端に腰掛けると、立ったままのキリトの手をそっと引き寄せた。上着を捲り上げると陶磁器のような白く滑らかな肌に唇を寄せる。胸元にちゅ、ちゅ、と音を立てて口付けを降らせる。途端に白磁の肌が薄らと桃色に染まった。

「恥ずかしい...」

キリトが消え入るような声で言った。キリトの上着を取り去ると寝台の下の床に落とす。いつもは青白くさえ見える華奢な首筋もまた、今は羞恥の為か、ほのかに色を上らせていた。

「綺麗だ。」

掠れた声が出た。キリトの腕をそっと引いて寝台の上に座らせる。下衣の紐を引き下着と共に取り去ると、キリトの中心がふるりと顔を出した。興奮でわずかに立ち上がったそれに、そっと手を這わせる。ゆっくりと擦り上げるとキリトはイヤイヤをするように首を振った。

「ああっ、あっ、だめ」

キリトの手がレイルの手に重なる。わずかに擦る手を早くするとキリトは切羽詰まった声を上げた。

「だめ、でちゃう」

「出せばいい。」

「レイルも、一緒に...」

レイルは動きを止めて低く唸ると、寝台脇の小棚から小瓶を取り出した。キリトの背中に手を回し、小瓶の蓋を弾いて開ける。

「少し冷たいが、我慢してくれ。傷つけたくないんだ。」

「あ、な、何?」

キリトが潤んだ目で不安げに見上げてくる。目元が興奮のせいかほんのりと赤い。
そんな顔をされると、傷つけないように大事にしたいのに自信が消し飛びそうだった。とろっとした香油を少量手に塗り広げると、そっと双丘の間の秘められた箇所に指で触れた。

「ひ、あっ」

周りをなぞるとゆっくりと指を一本差し入れる。

「あ、あ、あ」

キリトが苦しげに眉を寄せて息を詰める。

「力を抜いて。」

「む、り」

内部でわずかに指を抜き差しすると、熱い粘膜が指に吸い付いてくるようだった。そっと指を抜き去ると、それにも感じてキリトが声を上げる。

「ああっ」

荒い息をつきながらキリトが言った。

「...レイルも、脱いで。僕ばっかり恥ずかしい。」

潤んだ瞳で見つめられるとレイルは逆らえなかった。
上衣を脱ぐと床に放り投げる。レイルの均整のとれた筋肉質な上半身が露わになり、自分が脱げと言ったのに、キリトは直視できずに目を逸らした。レイルは更に下衣と下着を脱ぎ去った。レイルの男の象徴が興奮して屹立している。

「あ、おっきい...」

レイルは少し困ったように微笑むと、キリトの肩をそっと押して寝台に横たわらせた。すらりと伸びた足を掴んで広げると、自身の中心をキリトの秘所に押し当てる。

「うそ、無理」

微かに震えながら首を横に振るキリトを見ても、今更止めてやれなかった。

「あ、ああああああっ」

狭い中にゆっくり押し入るとキリトの嬌声が耳を焼く。狭く締め付けてくる内部に持っていかれそうになりながらレイルは言った。

「...ゆっくり、息をして。」
「愛している。」
「キリト。」

キリトに声を掛けるが、挿入の衝撃からか目を固く閉じている。つ、と目の端から透明な涙が流れた。それを舌で舐め取り頬に口付ける。

「もう止めるか?」

と聞くと、キリトは薄ら目を開けて首を横に振った。

「して、もっと」

大丈夫だから、というキリトが健気で愛おしい。ゆっくりと腰を引くとまた押し入れた。止められなくなって何度も繰り返す。あまりの快楽に脳まで焼かれてしまいそうだった。

「ああああああっ」

キリトの声に煽られてさらに奥まで押し入った。首筋から流れ落ちた汗がぽたりと寝台に落ちる。

「や、や、おく、へん…」

「ここ、か?」

キリトの感じる一点を何度も突き上げる。

「あああああっ」

「く、う、あ」

レイルの背中に爪を立てて、キリトが白濁を吐き出す。内部が更に締まった刺激に耐えきれず、レイルもまたキリトの中で果てた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

【完結】前世は魔王の妻でしたが転生したら人間の王子になったので元旦那と戦います

ほしふり
BL
ーーーーー魔王の妻、常闇の魔女リアーネは死んだ。 それから五百年の時を経てリアーネの魂は転生したものの、生まれた場所は人間の王国であり、第三王子リグレットは忌み子として恐れられていた。 王族とは思えない隠遁生活を送る中、前世の夫である魔王ベルグラに関して不穏な噂を耳にする。 いったいこの五百年の間、元夫に何があったのだろうか…?

【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません

八神紫音
BL
 やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。  そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

【再掲】オメガバースの世界のΩが異世界召喚でオメガバースではない世界へ行って溺愛されてます

緒沢 利乃
BL
突然、異世界に召喚されたΩ(オメガ)の帯刀瑠偉。 運命の番は信じていないけれど、愛している人と結ばれたいとは思っていたのに、ある日、親に騙されてα(アルファ)とのお見合いをすることになってしまう。 独身の俺を心配しているのはわかるけど、騙されたことに腹を立てた俺は、無理矢理のお見合いに反発してホテルの二階からダーイブ! そして、神子召喚として異世界へこんにちは。 ここは女性が極端に少ない世界。妊娠できる女性が貴ばれる世界。 およそ百年に一人、鷹の痣を体に持つ選ばれた男を聖痕者とし、その者が世界の中心の聖地にて祈ると伴侶が現れるという神子召喚。そのチャンスは一年に一度、生涯で四回のみ。 今代の聖痕者は西国の王太子、最後のチャンス四回目の祈りで見事召喚に成功したのだが……俺? 「……今代の神子は……男性です」 神子召喚された神子は聖痕者の伴侶になり、聖痕者の住む国を繁栄に導くと言われているが……。 でも、俺、男……。 Ωなので妊娠できるんだけどなー、と思ったけど黙っておこう。 望んで来た世界じゃないのに、聖痕者の異母弟はムカつくし、聖痕者の元婚約者は意地悪だし、そんでもって聖痕者は溺愛してくるって、なんなんだーっ。 αとのお見合いが嫌で逃げた異世界で、なんだが不憫なイケメンに絆されて愛し合ってしまうかも? 以前、別名義で掲載した作品の再掲載となります。

[完結]堕とされた亡国の皇子は剣を抱く

小葉石
BL
 今は亡きガザインバーグの名を継ぐ最後の亡国の皇子スロウルは実の父に幼き頃より冷遇されて育つ。  10歳を過ぎた辺りからは荒くれた男達が集まる討伐部隊に強引に入れられてしまう。  妖精姫との名高い母親の美貌を受け継ぎ、幼い頃は美少女と言われても遜色ないスロウルに容赦ない手が伸びて行く…  アクサードと出会い、思いが通じるまでを書いていきます。  ※亡国の皇子は華と剣を愛でる、 のサイドストーリーになりますが、この話だけでも楽しめるようにしますので良かったらお読みください。  際どいシーンは*をつけてます。

蜜空間

ぬるあまい
BL
人気俳優に、おでぶ平凡人。 俺様性格に、ネガティブ。 容姿も性格も正反対な二人。 そんな二人は現実からの逃亡者。 出会いは、密室な空間だった。 ……これから二人の共同生活が始まる。 Keyword:甘/シリアス/鬼畜/無理矢理

処理中です...