【完結】遠き星にて

紙志木

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計画2

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「その磁気嵐ってのはいつなんだ?」

ペンシルを打った太ももをさすりながらゾルドが聞いた。

「二日後の朝6時頃から三時間程の予想です」

セシルがラバースーツの左腕に表示されたボタンを操作しながら答える。

「保管庫の正確な場所は分かるのか?」

今度はシュイが質問し、ロイカが答える。

「分かるよ、2596階だ。俺、統制局のタスクで保管庫に入ったことがあるんだ。ただ、ペンシルの場所までは分からないから探す必要がある」

「ここに居る全員で行くんですか?」

「...ハルトは部屋で待っていてくれ」

「シュイ、元はと言えば僕のせいだよ。僕も行きたい」

「悪いが、足手まといだ」

「...そっか。分かった…」

シュイの言葉にハルトが目を伏せてしょんぼりと言った。

「…では二日後の朝に」

セシルがそう言って解散となった。




自分達の部屋に戻ってドアを閉めると、シュイはハルトの腕を掴んだ。ハルトを引き寄せて腕の中に閉じ込めると、深い溜息をつく。
先程見たセシルに腰を抱かれたハルトの姿が頭に浮かんだ。


「シュイ?」

「ロイカとセシルに、飲ませたのか」

「…う、ん」

ハルトが言い終わるのを待たずに口付けた。頭の後ろに手を回して舌をいきなり深く差し込む。驚いてハルトが体を引こうとするのを、もう一方の腕で腰を強く抱き寄せて引き止める。ハルトを誰にも渡したくない。誰にも触れさせたくない。俺のものだ。俺だけの。

「ん、んん」

ハルトが苦しげにくぐもった声を上げても止めてやれない。口内をかき混ぜて溢れた甘い唾液を吸って何度か嚥下するとやっと唇を離した。

「シュ、イ…」

エンゲージさえすれば、自分のものになってくれるのだと思っていたのに。苦しかったのか、ハルトの目に涙が滲んでいる。違う、こんな顔をさせたいわけじゃない。親指でハルトの目元を撫でるとハルトがシュイの手に自分の手を重ねた。

「...僕、不安なんだ。ペンシルを盗んだのが、もしバレたらどうなるの?」

「隔離室へ入れられるか、永久スリープ処分だろうな」

「永久スリープ?」

「棺桶のようなマシンに入れて、低温状態にして永久に眠らせるんだ」

「...そんなの怖いよ。シュイだけでも止めて欲しい。僕が飲ませるから...」

「ハルト、俺は統制局のやり口が気に入らない。この牢獄の檻に穴が開くのを見たいんだ」

「...そ、か」

「それより、もっと飲ませてくれるだろう?」

シュイは目を細めてハルトの首筋の赤い跡を指でなぞった。

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