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第六走
86:うん、わかった。で、舐めたい
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子猿は海に戻って、紬季の前に立つ。
着ているボタンシャツを「似合うぜ」というようにさらっと撫でていく。指が乳首をこすっていって「うっ」と声が出そうになった。
首元のボタンに手がかかった。
一個一個丁寧にそれが外されていく。
やがて、ズボンも靴下も脱がされ半裸にされた。
紬季もボクサーパンツを履いているのだが、薄い緑のを選んだので、興奮が作る染みが既に目立っていた。
海が先にベットに腰掛けた。
宣言どおり本当に会話がない。
それが、寂しいわけじゃない。
なんだか、海が言った通り、会話なんてしなくても通じあえているような不思議な感覚が生じていた。
早く紬季が隣りに座らないかなあと足をぶらぶらさせている海の目の前に、紬季は座り込んだ。
そして、海の片足を取って、その甲に口づける。
最初はくすぐたがっていた海も、
「本当にお疲れ様でした」
と紬季が真面目に言うと、黙った。
紬季はそのまま海の膝にも口づける。
二十一・三キロをハイペースで走り抜けた膝だ。
そして、腿にも。
ベットの端に手を付いて身体を上げると、海が両手を広げていた。
紬季はそこにゆっくりと飛び込んでいく。
中学の頃から憧れ続けた人の身体。
それも、箱根駅伝を目指して進化し続けて、さらには今年は紬季のために走ってくれた。
胸や脇、背中など全ての部分に祝福したくなる。
チュ、チュッと、漫画のコマにしてみたら、きっとハートマークが付いているはず。
三人の男と寝て、介護という表現を借りた奉仕を受けたことはあるが逆はない。
いつも邪魔にならないよう、あまり我を出さないよう、大人しく横たわっていた。
でも、今は、そんな勿体ないことできない。
上半身にキスを繰りかえすと、海がベットの上に倒れ込む。
背中が弱いと言った通り、唇を押し付けるとピクピクしはじめた。
肩甲骨、背骨、そして、お尻の付け根にある仙骨。
たぶん海は知らないだろうが、エロのツボなのだ。たぶん、神経がたくさん集まっている部分だからだと思う。
猫が爪とぎするようにそこを爪でカリカリしたり、唇を押し付けてときには吸ったりするといよいよ反応が激しくなる。
「あっ」や「んん」など押さえた声がたまに口から飛び出す。
それが紬季には嬉しくて堪らない。
あれ、自分で完全な受けだと思っていたのに、違うのかな?
ゆっくりしか動けないから、テクニックがあるわけじゃなくて、一箇所一箇所丁寧にやっているだけなんだけれど、海くんにはそれがいいのかな?
やがて、海の頬が蒸気し、耳まで赤くなっていく。
興奮しきっている証拠だ。
うつ伏せのまま刺激を散らすみたいに、布団の上で窮屈そうにもぞもそしている。
「海くん、見たい。ここ」
海のボクサーパンツに手をかけると、海が上半身を起こし、壁にもたせかけながら薄いグレーの下着を脱いだ。紬季と同じぐらい染みができている。
太ももをさすって、顔ごと近づけていく。
海の性器はピンク色でつるりとしていて、周りの毛も短くカットしているので清潔感があった。そこからはシャワーの香りとともに、男臭い匂いもかすかに漂う。
脇腹にスリスリしながら、紬季は海に近づいていく。
海の身体がプルプルと震え、性器も透明な涙を流し始めた。紬季の鼻息がかかったのが相当な刺激となったのか、ビクンッと腰を大きく震わせ、急に白濁とした液が吹き上がる。
そのど真ん前にいた紬季は、まともに顔に浴びることになった。
「熱っ」
二人のセックス事始めが、まさか、顔射とは。
びっくりを通り越して笑っていると、久々の射精に放心していた海が、慌ててティッシュを取って顔を拭おうとしてくる。
「大丈夫。大丈夫。あはは。鼻息だけで感じてくれた?」
すると、海は『いつもはこんなんじゃない』という表情をする。
「うん、わかった。で、舐めたい」
何が、で、なのか分からないが、むせ返るような海の精子の匂いに包まれ、紬季は頭がポーッとなった状態だった。一度出しただけでは収まらない海の性器が美味しそうに見えた。
もう押さえが聞かない。
恥じらいもなく咥えこんだ熱い棒は、紬季の喉奥に吸い込まれていく。
かすれた声を上げて、海が紬季の肩を叩いてくる。
「---ま、」
「い、く」
着ているボタンシャツを「似合うぜ」というようにさらっと撫でていく。指が乳首をこすっていって「うっ」と声が出そうになった。
首元のボタンに手がかかった。
一個一個丁寧にそれが外されていく。
やがて、ズボンも靴下も脱がされ半裸にされた。
紬季もボクサーパンツを履いているのだが、薄い緑のを選んだので、興奮が作る染みが既に目立っていた。
海が先にベットに腰掛けた。
宣言どおり本当に会話がない。
それが、寂しいわけじゃない。
なんだか、海が言った通り、会話なんてしなくても通じあえているような不思議な感覚が生じていた。
早く紬季が隣りに座らないかなあと足をぶらぶらさせている海の目の前に、紬季は座り込んだ。
そして、海の片足を取って、その甲に口づける。
最初はくすぐたがっていた海も、
「本当にお疲れ様でした」
と紬季が真面目に言うと、黙った。
紬季はそのまま海の膝にも口づける。
二十一・三キロをハイペースで走り抜けた膝だ。
そして、腿にも。
ベットの端に手を付いて身体を上げると、海が両手を広げていた。
紬季はそこにゆっくりと飛び込んでいく。
中学の頃から憧れ続けた人の身体。
それも、箱根駅伝を目指して進化し続けて、さらには今年は紬季のために走ってくれた。
胸や脇、背中など全ての部分に祝福したくなる。
チュ、チュッと、漫画のコマにしてみたら、きっとハートマークが付いているはず。
三人の男と寝て、介護という表現を借りた奉仕を受けたことはあるが逆はない。
いつも邪魔にならないよう、あまり我を出さないよう、大人しく横たわっていた。
でも、今は、そんな勿体ないことできない。
上半身にキスを繰りかえすと、海がベットの上に倒れ込む。
背中が弱いと言った通り、唇を押し付けるとピクピクしはじめた。
肩甲骨、背骨、そして、お尻の付け根にある仙骨。
たぶん海は知らないだろうが、エロのツボなのだ。たぶん、神経がたくさん集まっている部分だからだと思う。
猫が爪とぎするようにそこを爪でカリカリしたり、唇を押し付けてときには吸ったりするといよいよ反応が激しくなる。
「あっ」や「んん」など押さえた声がたまに口から飛び出す。
それが紬季には嬉しくて堪らない。
あれ、自分で完全な受けだと思っていたのに、違うのかな?
ゆっくりしか動けないから、テクニックがあるわけじゃなくて、一箇所一箇所丁寧にやっているだけなんだけれど、海くんにはそれがいいのかな?
やがて、海の頬が蒸気し、耳まで赤くなっていく。
興奮しきっている証拠だ。
うつ伏せのまま刺激を散らすみたいに、布団の上で窮屈そうにもぞもそしている。
「海くん、見たい。ここ」
海のボクサーパンツに手をかけると、海が上半身を起こし、壁にもたせかけながら薄いグレーの下着を脱いだ。紬季と同じぐらい染みができている。
太ももをさすって、顔ごと近づけていく。
海の性器はピンク色でつるりとしていて、周りの毛も短くカットしているので清潔感があった。そこからはシャワーの香りとともに、男臭い匂いもかすかに漂う。
脇腹にスリスリしながら、紬季は海に近づいていく。
海の身体がプルプルと震え、性器も透明な涙を流し始めた。紬季の鼻息がかかったのが相当な刺激となったのか、ビクンッと腰を大きく震わせ、急に白濁とした液が吹き上がる。
そのど真ん前にいた紬季は、まともに顔に浴びることになった。
「熱っ」
二人のセックス事始めが、まさか、顔射とは。
びっくりを通り越して笑っていると、久々の射精に放心していた海が、慌ててティッシュを取って顔を拭おうとしてくる。
「大丈夫。大丈夫。あはは。鼻息だけで感じてくれた?」
すると、海は『いつもはこんなんじゃない』という表情をする。
「うん、わかった。で、舐めたい」
何が、で、なのか分からないが、むせ返るような海の精子の匂いに包まれ、紬季は頭がポーッとなった状態だった。一度出しただけでは収まらない海の性器が美味しそうに見えた。
もう押さえが聞かない。
恥じらいもなく咥えこんだ熱い棒は、紬季の喉奥に吸い込まれていく。
かすれた声を上げて、海が紬季の肩を叩いてくる。
「---ま、」
「い、く」
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