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第四章
97.そこまで出来た半神じゃないんです、僕
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「物凄く腑に落ちました!」
森羅は空高く上がっていくディンとルガルに向かって叫んだ。
「嫌なことをされ続けてきたけれど、土人形の命は守りたいんですって言われたらどうしようかと思った」
「アハハ。そこまで出来た半神じゃないんです、僕」
ディンひらりと手を振って、ルガルの手綱をしごく。
羽が上下し、あっという間に彼らの姿は小さくなっていった。
「さてと」
森羅は、森の入り口に投げ捨てられた土人形を下半身を見ながら思う。
「オレもなんとかしてキ国に行かなければ。でも、徒歩じゃ五日かかるって。慣れていないからオレの足なら一週間かかるかな」
水や食料を入れた荷物をまとめ背負った。
普段、家の中でゴロゴロしている家猫ニャーゴらは一匹もいない。
家猫といえど、怪鳥アンズーを追いかける習性は残っているらしい。
「なんとかしてキ国に行くか」
たっぷりショウの餌と水を用意してから玄関に向かうと、ショウが羽を羽ばたかせ待っていた。
「乗れって??」
森羅の声に反応したのか、ショウは耳をパタパタと動かす。
「大丈夫なのか?今日、長距離の飛行訓練を始めたばかりだろ?」
すると羽ばたきが早くなった。
もし、土人形から矢を剥けられたら逃げられるのか?
もし、途中で飛べなくなってしまったら?
色んな不安がよぎるが気がつけば、もうショウに跨っていた。
「初飛行が初陣って!」
すぐに視界が高くなる。
遠くに昼と夜を別ける半透明の赤い幕ドルアンキが下がっている。
「全然、景色が違って見えるな」
※いつも読んでくださっている方々へ
12月2週目にまたまとめて公開予定です。
森羅は空高く上がっていくディンとルガルに向かって叫んだ。
「嫌なことをされ続けてきたけれど、土人形の命は守りたいんですって言われたらどうしようかと思った」
「アハハ。そこまで出来た半神じゃないんです、僕」
ディンひらりと手を振って、ルガルの手綱をしごく。
羽が上下し、あっという間に彼らの姿は小さくなっていった。
「さてと」
森羅は、森の入り口に投げ捨てられた土人形を下半身を見ながら思う。
「オレもなんとかしてキ国に行かなければ。でも、徒歩じゃ五日かかるって。慣れていないからオレの足なら一週間かかるかな」
水や食料を入れた荷物をまとめ背負った。
普段、家の中でゴロゴロしている家猫ニャーゴらは一匹もいない。
家猫といえど、怪鳥アンズーを追いかける習性は残っているらしい。
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「乗れって??」
森羅の声に反応したのか、ショウは耳をパタパタと動かす。
「大丈夫なのか?今日、長距離の飛行訓練を始めたばかりだろ?」
すると羽ばたきが早くなった。
もし、土人形から矢を剥けられたら逃げられるのか?
もし、途中で飛べなくなってしまったら?
色んな不安がよぎるが気がつけば、もうショウに跨っていた。
「初飛行が初陣って!」
すぐに視界が高くなる。
遠くに昼と夜を別ける半透明の赤い幕ドルアンキが下がっている。
「全然、景色が違って見えるな」
※いつも読んでくださっている方々へ
12月2週目にまたまとめて公開予定です。
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