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第一章
4.ちょっ。開けて!ここを開けてって!!
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「嫌だ!嫌だ!!嫌だってっ。なんで、オレが??」
意味が分からない。
目覚めらたここにいただけなのに。
声の限り叫んでも、両腕を掴んだ男らが力任せにずるずると引きずっていく。
黒い扉の前に立たされた。
「励めよ」
という年配の男の声とともに、物みたいに兵士ら二人に空いた扉の隙間から中に押し込まれる。
部屋は仄かに明るい。
「ちょっ。開けて!ここを開けてって!!」
ドンドンと扉を叩くが向こう側から応答は無く、こちらから出ていこうとしても
「ドアノブが無い?!」
背後では、何かが蠢く気配があった。
いるのは、獣?
もしくは、気が狂った為政者?
それとも、心臓を取り出すと言ったぐらいだから悪魔?
勝手に身体が硬直し、首を撚るだけでも時間がかかった。
「ヒッ」
視界の端にチラリと見えたのは身長二メートル以上ありそうな何か。
まばゆいばかりに光っていて、絶対に人ではない。
目を凝らす。
人の形をしているようだ。
軽い足音を立てて、正体不明の相手が近づいてきた。
たぶん、男。
だいぶ、目が慣れてくる。
絹よりもさらに薄く光沢のある白い長衣を来ていて、宝石がふんだんについた皮のベルトを巻いている。
長い銀髪で目は緑色だった。
逃げ場が無いのでずるずると扉にもたれてしゃがみ込む。
男が中腰になって、手を伸ばしてきた。
覆いかぶさられると壁が迫ってきたかのような気分。
眼前にあったのは、恐怖も吹き飛ぶような美しい顔で、耳には繊細なロングチェーンのピアス。
いくつかの指には金の指輪。
この人、天使?もしくは綺麗過ぎる悪魔??
本当にこんな美しい顔で心臓を取り出して食べるんだろうか?
男が口を開きかける。
吸い込んだ息の音さえ恐ろしい。
気づけば、自分の下半身が生暖かく濡れていた。
「……あ、ああっ」
恐怖で失禁してしまったようだ。
恥ずかしい水たまりを男は黙って見ている。
怒っているのか呆れているのか、無表情すぎて分からない。
意味が分からない。
目覚めらたここにいただけなのに。
声の限り叫んでも、両腕を掴んだ男らが力任せにずるずると引きずっていく。
黒い扉の前に立たされた。
「励めよ」
という年配の男の声とともに、物みたいに兵士ら二人に空いた扉の隙間から中に押し込まれる。
部屋は仄かに明るい。
「ちょっ。開けて!ここを開けてって!!」
ドンドンと扉を叩くが向こう側から応答は無く、こちらから出ていこうとしても
「ドアノブが無い?!」
背後では、何かが蠢く気配があった。
いるのは、獣?
もしくは、気が狂った為政者?
それとも、心臓を取り出すと言ったぐらいだから悪魔?
勝手に身体が硬直し、首を撚るだけでも時間がかかった。
「ヒッ」
視界の端にチラリと見えたのは身長二メートル以上ありそうな何か。
まばゆいばかりに光っていて、絶対に人ではない。
目を凝らす。
人の形をしているようだ。
軽い足音を立てて、正体不明の相手が近づいてきた。
たぶん、男。
だいぶ、目が慣れてくる。
絹よりもさらに薄く光沢のある白い長衣を来ていて、宝石がふんだんについた皮のベルトを巻いている。
長い銀髪で目は緑色だった。
逃げ場が無いのでずるずると扉にもたれてしゃがみ込む。
男が中腰になって、手を伸ばしてきた。
覆いかぶさられると壁が迫ってきたかのような気分。
眼前にあったのは、恐怖も吹き飛ぶような美しい顔で、耳には繊細なロングチェーンのピアス。
いくつかの指には金の指輪。
この人、天使?もしくは綺麗過ぎる悪魔??
本当にこんな美しい顔で心臓を取り出して食べるんだろうか?
男が口を開きかける。
吸い込んだ息の音さえ恐ろしい。
気づけば、自分の下半身が生暖かく濡れていた。
「……あ、ああっ」
恐怖で失禁してしまったようだ。
恥ずかしい水たまりを男は黙って見ている。
怒っているのか呆れているのか、無表情すぎて分からない。
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