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第六章
55:お前の声が聞きてえな
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レオナルドの指の侵入を拒んでいたそこは次第に柔らかくなり、一本、二本と従順に受け入れて行くようになった。
指を三本入れて出し入れができるようになると、感じ始めているのか、アンジェロの腰が浮き上がる。肉がみちっとついた太ももや臀部が汗でしっとり濡れていた。
「足を広げろ。大きくな」
アンジェロは顔を反らし枕に埋めた。
「ほら、早くしろ」
せっつくと、足がそろそろと開かれる。完全に開くのを待ちたかったが、レオナルドの我慢が限界だった。
足首を掴んで無理やり開かせる。
間に入って、秘部に自分の雄を押しあてる。
先ほどまであれほど解したのに、アンジェロのその部分はまたきゅっと閉まってしまう。
覆いかぶさって口づけを与える。
「体の力を抜け。できないならこじ開ける」
途端、アンジェロの呼吸が荒くなる。もう一度指でほぐして引き抜くと、締まる暇を与えず雄を押しあてた。
先端がめり込んでいって、アンジェロが息を止め、眉根を寄せる。
寝台の上で拳に握られている手を取って、傷口に舌を這わせた。アンジェロの注意がそれて力が緩み、腰を推し進めると、これまでは押し返してくるだけだったそこが、ゆっくりとレオナルドを受け入れ始める。
「お前の内側……すごい」
圧迫感に慣れないのか、右に左に首を振るアンジェロを手首を掴んで抑え込んだ。
レオナルドも汗をかいていて、顎を伝って雫がアンジェロの上半身に落ちて行く。
ゆっくりと腰を揺すって、隙間のない秘部を徐々に慣らしていく。
『レオさん』
アンジェロは、涙でぐちゃぐちゃの顔を歪めている。
「ん?痛てえのか?」
『オレ、どう? レオさん、満足できそう?』
レオナルドを受け入れるのに精いっぱいなはずなのに、アンジェロはけなげな事を言う。
『足りないならもっと頑張るから。どんな恥ずかしいことだってする』
「馬鹿。充分だ」
弟子にこんなことまで言わせてしまった自分が情けなくて、レオナルドは今晩初めて、優しい口づけを与える。
『もう絶対に何も作らない。あの家に籠って外にも出ないから、だから、今すぐミラノに連れて帰って』
「ロレンツォを見送ってやんねえのか?お前がレリーフを持ってくるのを待っている」
『ロレンツォ様のそういうところっ、』
急にアンジェロが顔つきを変えた。
橋の手すりから、引きずり降ろされたときと同じ顔をしている。
『意味が分からないんだってっ!!』
レオナルドの目の前で、抑えに抑え込んでいたアンジェロの感情が爆発した。
『レリーフを、各所に自慢して、皆の目に留まるよう教会に納めて、いずれは私だけのものにするって言った。けど、レリーフを使ってヴァロア家と繋がりを持とうともしていた』
怒りはそこから来ていたのかと、レオナルドはアンジェロを抱きしめる。
「あいつはお前の気持ちを踏みにじったかもしれないが、その反面、お前をとても大切にしていたんじゃないか?」
レオナルドの言葉にアンジェロは放心したようになる。
「霊廟にお前のレリーフを収めたいと遺言を残したのが何よりの証拠じゃないか。政治の駒として利用しなければならないことに陰で苦悩もしたはずだ」
レオナルドはアンジェロの頬の撫でた。
「ちゃんとレリーフを霊廟に収めてやれ、お前の手で」
アンジェロは弱々しく手を伸ばし、レオナルドの背中に回した。
『そうしたら、ミラノに戻って来てもいい?』
レオナルドは、黙って最奥まで腰を進め、アンジェロを快楽の渦に落とし込もうとする。
『ねえっ! レオさん、答えてよ。ピエロ様とイル・モーロの面子を立てて少しフィレンチェで頑張るから。そうしたら、ミラノに戻ってもいい?』
レオナルドは、アンジェロの喉に触れた。
「お前の声が聞きてえな。ごめなさい。もしかして、これ、オレが?たったそれだしかお前の声を聞いていない」
『どうしてオレの質問に答えてくれないの?やっぱりオレのことが邪魔?』
「なんで、声が戻らないんだ?この喉には、まだ言いたいことを詰まっているのか?」
アンジェロはレオナルドの傍にいたがり、レオナルドは少しでも良好な状態でアンジェロをフィレンチェに帰してやりたかった。
こんなにお互い思っているのに、今後、二人の人生は交差することはない。
レオナルドだけがそのことを知っている。
『ねえ、レオさん。ねえっ、答えてよ』
動く唇を塞ぐ。口腔で逃げる舌をどこまでも追いかけ絡め取って、この気持ち良さを忘れないようしつこく教え込む。
今まで触ってやっていなかったアンジェロの雄を掴んで、一気にしごき上げた。
快楽に漬けこまれたアンジェロは、もうレオナルドの腰の動きに合わせることしかできない。
やがて二人に終わりの兆しがやってきて、先に液体を盛大に放ってアンジェロがはてた。
レオナルドはアンジェロの唇をむさぼりながら目を瞑る。脳内にはなぜか、夏を祝う宴の帰り道で、鳥かごから鳥を放った光景が浮かんだ。
自由になる鳥はアンジェロだ。
だが、その鳥にレオナルドは快楽の印をつけようとしている。
右手できつくアンジェロを抱きしめる。
震える左手で柔らかな頬を触った。
これも形を変えた支配なのかと思いながら、アンジェロの中に白濁とした液を放った。
指を三本入れて出し入れができるようになると、感じ始めているのか、アンジェロの腰が浮き上がる。肉がみちっとついた太ももや臀部が汗でしっとり濡れていた。
「足を広げろ。大きくな」
アンジェロは顔を反らし枕に埋めた。
「ほら、早くしろ」
せっつくと、足がそろそろと開かれる。完全に開くのを待ちたかったが、レオナルドの我慢が限界だった。
足首を掴んで無理やり開かせる。
間に入って、秘部に自分の雄を押しあてる。
先ほどまであれほど解したのに、アンジェロのその部分はまたきゅっと閉まってしまう。
覆いかぶさって口づけを与える。
「体の力を抜け。できないならこじ開ける」
途端、アンジェロの呼吸が荒くなる。もう一度指でほぐして引き抜くと、締まる暇を与えず雄を押しあてた。
先端がめり込んでいって、アンジェロが息を止め、眉根を寄せる。
寝台の上で拳に握られている手を取って、傷口に舌を這わせた。アンジェロの注意がそれて力が緩み、腰を推し進めると、これまでは押し返してくるだけだったそこが、ゆっくりとレオナルドを受け入れ始める。
「お前の内側……すごい」
圧迫感に慣れないのか、右に左に首を振るアンジェロを手首を掴んで抑え込んだ。
レオナルドも汗をかいていて、顎を伝って雫がアンジェロの上半身に落ちて行く。
ゆっくりと腰を揺すって、隙間のない秘部を徐々に慣らしていく。
『レオさん』
アンジェロは、涙でぐちゃぐちゃの顔を歪めている。
「ん?痛てえのか?」
『オレ、どう? レオさん、満足できそう?』
レオナルドを受け入れるのに精いっぱいなはずなのに、アンジェロはけなげな事を言う。
『足りないならもっと頑張るから。どんな恥ずかしいことだってする』
「馬鹿。充分だ」
弟子にこんなことまで言わせてしまった自分が情けなくて、レオナルドは今晩初めて、優しい口づけを与える。
『もう絶対に何も作らない。あの家に籠って外にも出ないから、だから、今すぐミラノに連れて帰って』
「ロレンツォを見送ってやんねえのか?お前がレリーフを持ってくるのを待っている」
『ロレンツォ様のそういうところっ、』
急にアンジェロが顔つきを変えた。
橋の手すりから、引きずり降ろされたときと同じ顔をしている。
『意味が分からないんだってっ!!』
レオナルドの目の前で、抑えに抑え込んでいたアンジェロの感情が爆発した。
『レリーフを、各所に自慢して、皆の目に留まるよう教会に納めて、いずれは私だけのものにするって言った。けど、レリーフを使ってヴァロア家と繋がりを持とうともしていた』
怒りはそこから来ていたのかと、レオナルドはアンジェロを抱きしめる。
「あいつはお前の気持ちを踏みにじったかもしれないが、その反面、お前をとても大切にしていたんじゃないか?」
レオナルドの言葉にアンジェロは放心したようになる。
「霊廟にお前のレリーフを収めたいと遺言を残したのが何よりの証拠じゃないか。政治の駒として利用しなければならないことに陰で苦悩もしたはずだ」
レオナルドはアンジェロの頬の撫でた。
「ちゃんとレリーフを霊廟に収めてやれ、お前の手で」
アンジェロは弱々しく手を伸ばし、レオナルドの背中に回した。
『そうしたら、ミラノに戻って来てもいい?』
レオナルドは、黙って最奥まで腰を進め、アンジェロを快楽の渦に落とし込もうとする。
『ねえっ! レオさん、答えてよ。ピエロ様とイル・モーロの面子を立てて少しフィレンチェで頑張るから。そうしたら、ミラノに戻ってもいい?』
レオナルドは、アンジェロの喉に触れた。
「お前の声が聞きてえな。ごめなさい。もしかして、これ、オレが?たったそれだしかお前の声を聞いていない」
『どうしてオレの質問に答えてくれないの?やっぱりオレのことが邪魔?』
「なんで、声が戻らないんだ?この喉には、まだ言いたいことを詰まっているのか?」
アンジェロはレオナルドの傍にいたがり、レオナルドは少しでも良好な状態でアンジェロをフィレンチェに帰してやりたかった。
こんなにお互い思っているのに、今後、二人の人生は交差することはない。
レオナルドだけがそのことを知っている。
『ねえ、レオさん。ねえっ、答えてよ』
動く唇を塞ぐ。口腔で逃げる舌をどこまでも追いかけ絡め取って、この気持ち良さを忘れないようしつこく教え込む。
今まで触ってやっていなかったアンジェロの雄を掴んで、一気にしごき上げた。
快楽に漬けこまれたアンジェロは、もうレオナルドの腰の動きに合わせることしかできない。
やがて二人に終わりの兆しがやってきて、先に液体を盛大に放ってアンジェロがはてた。
レオナルドはアンジェロの唇をむさぼりながら目を瞑る。脳内にはなぜか、夏を祝う宴の帰り道で、鳥かごから鳥を放った光景が浮かんだ。
自由になる鳥はアンジェロだ。
だが、その鳥にレオナルドは快楽の印をつけようとしている。
右手できつくアンジェロを抱きしめる。
震える左手で柔らかな頬を触った。
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