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第十五章 アーサー
274:私は、強盗か何かか?却下だ
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「だが、これには困った面もあるのだ。貴族がステイタスで所有していたドメインが解放されれば、いまよりさらに人間と職を取り合う事態になる。第三次世界大戦の復興事業も収束の兆しにあり、財源は限られているから、救える人数は限られている。この三年のうちに、ドメイン産業以外の新たなる産業を作って軌道に乗せなけらばならない」
「ううーん。いきなりそう言われても、困ったわね」
とメアリーはベックス宮殿や裏庭を見回す。
「財源を使って新事業を起こしても、失敗したり汚職が起ったりしたら、意味ないわよね。出来ればエドワードの管轄で、少ない予算で、できること……」
「ハイハーイ!」
とルシウスが手にしてたシャンパンを放り投げ発言する。
「殿下は知名度抜群だ!英国暴動までの一連の手記を書いて売ればいい!」
「聖書並みに売れないと、それは難しい」
「じゃあ、寄付は?ネットでさあ、いま、こういう状況だからって殿下が訴えて、最後によこせって言えばいいんだよ」
「私は、強盗か何かか?却下だ」
「せっかくボクが案を出したのに!」
とルシウスが盛大に頬を膨らませる。
「そうか。知名度!つまり、今ある資源を使ってもいいのね」
とメアリーがポンッと手を打つ。
「だったら、このクラッシックシティー自体が資源なんじゃない?第三次世界大戦でも、ほぼ、無傷だったのよ?日本に行ったとき、コスプレイヤーが「ぜひ、ここで撮影したい」って鼻息を荒くしていたもの!私たちが普通だって思っていても、世界の人から見たら、特別なのよ」
メアリーは立ち上がって、辺りを見回した。
「なら、このベックス宮殿だってそうじゃない?部屋数三百。その十分の一も普段は使っていないわ」
「もったいなーい」とルシウスが、先ほど放り投げたシャンパンの栓を開けながら言う。
「じゃあ、はい」とバロンが手を上げた。
「もしですよ、もし」
「あ~、バロン、前置きが長い。失格」
とルシウスが茶々を入れる。
その口を、ダニエルがふさいだ。
「いいですか、本当に喋っても?もし、ベックス宮殿の一部の開放が可能なら、そこでECゲームの世界大会をしてみてはどうでしょう?」
「ECゲーム?」
とエドワードが首を傾げる。
「はい。アメリカやロシアではとても盛んで、大会によっては十万ユーロから百万ユーロの賞金が出るものもあるらしいです。タブレットで動画を見たのですが、観客席も沢山あって、そこでプレイヤーの様子を楽しそうに眺めていました」
「ゲームは自分でするものだろう?観覧して何が楽しいんだ?」
とエドワードがますます首を傾げた。
「自分に出来ない技を見せつけられるっていう、マゾフィティック魂が揺さぶられるんだろ」
とダニエルが答え「ますます分からん」とエドワードが返す。
「ECゲームの会場は、サイバーティックなところが多いのですが、逆にベックス宮殿みたいなアンティークな場所で大会をしたら映えるじゃないかと」
「面白いかも!」
とメアリーが目を輝かせる。
「確かに、ある物を貸すだけなら全然、予算はかからないな」
「ううーん。いきなりそう言われても、困ったわね」
とメアリーはベックス宮殿や裏庭を見回す。
「財源を使って新事業を起こしても、失敗したり汚職が起ったりしたら、意味ないわよね。出来ればエドワードの管轄で、少ない予算で、できること……」
「ハイハーイ!」
とルシウスが手にしてたシャンパンを放り投げ発言する。
「殿下は知名度抜群だ!英国暴動までの一連の手記を書いて売ればいい!」
「聖書並みに売れないと、それは難しい」
「じゃあ、寄付は?ネットでさあ、いま、こういう状況だからって殿下が訴えて、最後によこせって言えばいいんだよ」
「私は、強盗か何かか?却下だ」
「せっかくボクが案を出したのに!」
とルシウスが盛大に頬を膨らませる。
「そうか。知名度!つまり、今ある資源を使ってもいいのね」
とメアリーがポンッと手を打つ。
「だったら、このクラッシックシティー自体が資源なんじゃない?第三次世界大戦でも、ほぼ、無傷だったのよ?日本に行ったとき、コスプレイヤーが「ぜひ、ここで撮影したい」って鼻息を荒くしていたもの!私たちが普通だって思っていても、世界の人から見たら、特別なのよ」
メアリーは立ち上がって、辺りを見回した。
「なら、このベックス宮殿だってそうじゃない?部屋数三百。その十分の一も普段は使っていないわ」
「もったいなーい」とルシウスが、先ほど放り投げたシャンパンの栓を開けながら言う。
「じゃあ、はい」とバロンが手を上げた。
「もしですよ、もし」
「あ~、バロン、前置きが長い。失格」
とルシウスが茶々を入れる。
その口を、ダニエルがふさいだ。
「いいですか、本当に喋っても?もし、ベックス宮殿の一部の開放が可能なら、そこでECゲームの世界大会をしてみてはどうでしょう?」
「ECゲーム?」
とエドワードが首を傾げる。
「はい。アメリカやロシアではとても盛んで、大会によっては十万ユーロから百万ユーロの賞金が出るものもあるらしいです。タブレットで動画を見たのですが、観客席も沢山あって、そこでプレイヤーの様子を楽しそうに眺めていました」
「ゲームは自分でするものだろう?観覧して何が楽しいんだ?」
とエドワードがますます首を傾げた。
「自分に出来ない技を見せつけられるっていう、マゾフィティック魂が揺さぶられるんだろ」
とダニエルが答え「ますます分からん」とエドワードが返す。
「ECゲームの会場は、サイバーティックなところが多いのですが、逆にベックス宮殿みたいなアンティークな場所で大会をしたら映えるじゃないかと」
「面白いかも!」
とメアリーが目を輝かせる。
「確かに、ある物を貸すだけなら全然、予算はかからないな」
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