【完結】王と伯爵に捧げる七つの指輪

遊佐ミチル

文字の大きさ
上 下
269 / 280
第十四章 バロン

269:中にっ、放つぞ

しおりを挟む
頭を振りながら叫ぶと、エドワードがバロンの腰を擦ってくる。
「無理するなと優しくしたいところだが、私はお前の最奥に行きたくてしょうがない」
「もっと、言って……。もっと、求めて。どんなに辛くてもいいっ!!」
バロンがエドワードの両肩に両手を乗せ、深く受け入れる態勢を取ると、エドワードがバロンの臀部をギュッと掴んで下から突き上げてきた。
一回、二回、三回。
遠慮のない突き上げに、バロンの秘部は楔を打ち込まれていくかのように広がっていく。
「ハッ、アアアアー、ンアッ」
叫び声を上げて、エドワードの肩に思いっきり爪を立てた。
「お前の奥は、まだまだ、遠いな」
少し呼吸を乱しながら、エドワードが言う。
快楽の責め苦が嬉しいと感じたのは、初めてだ。
早く到達してエドワードを喜ばせたいと思う一方、まだまだエドワードに熱烈に求められたいと矛盾する二体のバロンが心の中にいる。
「身体を起こせ」
エドワードに命令され、そのようにすると、今度は臀部からエドワードの手が移動し両腰をしっかりと抑えつけられた。
ようやく半分ほど収めた雄が一気に最後まで埋め込まれる。
「―--ウアアッッッ」
痛くて苦しいはずなのに、それに勝る多幸感がやってきて、バロンは身体をしならせた。
「……ああ、いい。バロン、最高だ」
下にいるエドワードは、かすれ声を上げながら、ギラギラした目でバロンを見つめている。
「こうやって下から見上げたら、私ので悶えるお前はさぞかし美しいと思っていた」
「殿下」。そう言いたいのだが、バロンの口から漏れるのは嬌声ばかりだ。
エドワードがバロンの口に手を伸ばして来て、親指で擦った。そして、目の下、さらに鼻先もこすっていく。
「よだれに涙。それに、他のも。私のせいで、お前は大変だな」
そういうエドワードは、バロンを眩しいものでも見るかのように、目を細める。
そして、腰をどこまでも突き上げてきた。
「アッ、アッ、ンアッーーー」
これまでにないほどバロンは、喘がせられた。
秘部が壊れるほどバロンの内壁を擦ったあと、エドワードは繋がったままバロンを抱き起こし言った。
「バロン、ずっと、私のヴァレットでいてくれ。できるならそれ以上の地位にしてやりたい。なんとか、考える」
「殿下っ、殿下っ」
バロンは唇を合わせにいく。
エドワードの隣りに誰が居ようと、「ずっと、私のヴァレットでいてくれ」という言葉が貰えたのだからそれでいい。
浅くなりかけた楔が深く押し込まれ、バロンはエドワードに必死に抱き付いた。
内部のエドワードの雄がグンと硬くなり、バロンの体は嬉しそうにそれを締め付けていく。
「中にっ、放つぞ」
「ン、……はい」
男娼をしていたときに一番嫌いだった行為を、バロンは今、待ちわびている。
こんなにも自分を求め、切ない顔をしてくれる男が放つ精をどうして受け入れられないとことがあるだろう。
「ッンン。出る」
突き上げられる激しさが増し、エドワードが耳元で苦しげに言う。
「ア、アアッ」
バロンの内部は期待して、エドワードに早く精を放たせようと収縮を繰り返していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】人型兵器は電気猫の夢を見るか?

有喜多亜里
BL
【猫キチ男が猫型ロボットを撫で回している、なんちゃってスペースファンタジー(コメディ寄り)】 別宇宙から現れて軍艦を襲う〝何か〟。その〝何か〟に対抗するため、天才少年博士ナイトリーは四体の人型兵器を作り、銀河系を四分する各勢力にパイロット供出を要請した。だが、二年後のある日、ナイトリーは謎の死を遂げてしまう。周囲は頭を抱えるが、パイロットの一人・カガミが飼っている猫型ロボットの中にナイトリーの記憶の一部が潜んでいた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

ざまぁから始まるモブの成り上がり!〜現実とゲームは違うのだよ!〜

KeyBow
ファンタジー
カクヨムで異世界もの週間ランク70位! VRMMORゲームの大会のネタ副賞の異世界転生は本物だった!しかもモブスタート!? 副賞は異世界転移権。ネタ特典だと思ったが、何故かリアル異世界に転移した。これは無双の予感?いえ一般人のモブとしてスタートでした!! ある女神の妨害工作により本来出会える仲間は冒頭で死亡・・・ ゲームとリアルの違いに戸惑いつつも、メインヒロインとの出会いがあるのか?あるよね?と主人公は思うのだが・・・ しかし主人公はそんな妨害をゲーム知識で切り抜け、無双していく!

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…

まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。 5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。 相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。 一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。 唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。 それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。 そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。 そこへ社会人となっていた澄と再会する。 果たして5年越しの恋は、動き出すのか? 表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

処理中です...