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第十四章 バロン

269:中にっ、放つぞ

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頭を振りながら叫ぶと、エドワードがバロンの腰を擦ってくる。
「無理するなと優しくしたいところだが、私はお前の最奥に行きたくてしょうがない」
「もっと、言って……。もっと、求めて。どんなに辛くてもいいっ!!」
バロンがエドワードの両肩に両手を乗せ、深く受け入れる態勢を取ると、エドワードがバロンの臀部をギュッと掴んで下から突き上げてきた。
一回、二回、三回。
遠慮のない突き上げに、バロンの秘部は楔を打ち込まれていくかのように広がっていく。
「ハッ、アアアアー、ンアッ」
叫び声を上げて、エドワードの肩に思いっきり爪を立てた。
「お前の奥は、まだまだ、遠いな」
少し呼吸を乱しながら、エドワードが言う。
快楽の責め苦が嬉しいと感じたのは、初めてだ。
早く到達してエドワードを喜ばせたいと思う一方、まだまだエドワードに熱烈に求められたいと矛盾する二体のバロンが心の中にいる。
「身体を起こせ」
エドワードに命令され、そのようにすると、今度は臀部からエドワードの手が移動し両腰をしっかりと抑えつけられた。
ようやく半分ほど収めた雄が一気に最後まで埋め込まれる。
「―--ウアアッッッ」
痛くて苦しいはずなのに、それに勝る多幸感がやってきて、バロンは身体をしならせた。
「……ああ、いい。バロン、最高だ」
下にいるエドワードは、かすれ声を上げながら、ギラギラした目でバロンを見つめている。
「こうやって下から見上げたら、私ので悶えるお前はさぞかし美しいと思っていた」
「殿下」。そう言いたいのだが、バロンの口から漏れるのは嬌声ばかりだ。
エドワードがバロンの口に手を伸ばして来て、親指で擦った。そして、目の下、さらに鼻先もこすっていく。
「よだれに涙。それに、他のも。私のせいで、お前は大変だな」
そういうエドワードは、バロンを眩しいものでも見るかのように、目を細める。
そして、腰をどこまでも突き上げてきた。
「アッ、アッ、ンアッーーー」
これまでにないほどバロンは、喘がせられた。
秘部が壊れるほどバロンの内壁を擦ったあと、エドワードは繋がったままバロンを抱き起こし言った。
「バロン、ずっと、私のヴァレットでいてくれ。できるならそれ以上の地位にしてやりたい。なんとか、考える」
「殿下っ、殿下っ」
バロンは唇を合わせにいく。
エドワードの隣りに誰が居ようと、「ずっと、私のヴァレットでいてくれ」という言葉が貰えたのだからそれでいい。
浅くなりかけた楔が深く押し込まれ、バロンはエドワードに必死に抱き付いた。
内部のエドワードの雄がグンと硬くなり、バロンの体は嬉しそうにそれを締め付けていく。
「中にっ、放つぞ」
「ン、……はい」
男娼をしていたときに一番嫌いだった行為を、バロンは今、待ちわびている。
こんなにも自分を求め、切ない顔をしてくれる男が放つ精をどうして受け入れられないとことがあるだろう。
「ッンン。出る」
突き上げられる激しさが増し、エドワードが耳元で苦しげに言う。
「ア、アアッ」
バロンの内部は期待して、エドワードに早く精を放たせようと収縮を繰り返していた。
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