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第十一章 ラリー
237:また来てくれ。その……そいつも連れて
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壁にテレビ画面が浮かびあがって、さらにに彼は「エドワード以外のニュース」と少し不機嫌そうに言う。
すると、笑顔の若い女性キャスターが映った。
『クラッシックシティーTVです!英国民を笑顔にするニュースが飛び込んできました!なんと、写真家のスチュワート氏が、世界国際写真展平和賞にノミネートされました』
画面に映し出されたのは、階段上のエドワードとバロンの写真だ。
「アハハハ」とルシウスが手を叩いて笑い出す。
『世界国際写真展の中でも平和賞は特に栄誉ある賞と言われています。パパラッチ出身で、現在は、世界二百の支社があるネットフィリップスの記者兼カメラマンのスチュワート氏が受賞となれば―――』
「ABCテレビに切り替え」
エドワードはますます不機嫌になってチャンネルを変える。
「ああん。見ているのに、エドワードの馬鹿」
とメアリーが悔しがる。
画面には、ABCテレビお馴染みのアリスとウィリアムが映っている。
アリスが語り始める。
『ケビン首相は、新ドメイン法に抵触し、現在、収監されています。肩書に元と付くのも時間の問題でしょう』
ウィリアムは頷いた。
『ケビン首相は、七年間の政治生活で、延べ五千時間に渡って、ドメイン共存を叫んできました。しかし、たった一枚の写真の方が説得力がありますね』
ここでまた、階段上のエドワードとバロンの写真が映し出された。
『ケビン首相の元に押し寄せたのは、彼の裏切りに怒る数万体のオールドドメインたち。一方、エドワード王太子殿下には、ヴァレットのバロンが』
ウィリアムは最後まで言わず、ニコッと笑った。
『写真は、ケビン首相が勲章の人選をしたスチュワート氏。そして、今回の英国暴動には、同じくケビン首相が勲章の人選をセドリックというIT企業家の青年が関わっています。英国暴動の影の立役者ともいえる人物を、ケビン首相が選んでいたなんて、人を見る目は確かだったということですね』
ウィリアムとアリスは目くばせをし合って、皮肉気に笑う。
『エドワード王太子殿下は、アン女王のドメインを間もなく退位させるが、ご自身は予定通り三年後に国王になられるとのこと。それまでは、国王代理としてのお立場で公務をこなされます。しかし、これほどまで、英国民に今すぐ国王になっていただきたいと望まれる方がいらっしゃったでしょうか』
「ハッ。調子のいい風見鶏め」
エドワードは、鼻で笑う。
「いつか、潰してやる」
「エドワード、ABCテレビは、国営放送だから、それは難しいんじゃないかなあ」
と聞いていたアーサーは半笑いになる。
「定例会見の時間だ。少し早いが、行くか。バロン、お前も」
エドワードが立ち上がる。
「え?俺もですか?」
「今日は、オールドドメインのことが会見の中心になる。隣にいて欲しい」
「えええっ?そんな急に。じゅ、準備っ」
バロンがバタバタと自室に消えていった。
「それじゃ、僕たちは、自宅で会見を見ることにするよ」
「もう帰るのか?」
エドワードは、少し寂しそうだ。
「なんだかんだで一ヶ月だからね」
「また来てくれ。その……そいつも連れて」
すると、笑顔の若い女性キャスターが映った。
『クラッシックシティーTVです!英国民を笑顔にするニュースが飛び込んできました!なんと、写真家のスチュワート氏が、世界国際写真展平和賞にノミネートされました』
画面に映し出されたのは、階段上のエドワードとバロンの写真だ。
「アハハハ」とルシウスが手を叩いて笑い出す。
『世界国際写真展の中でも平和賞は特に栄誉ある賞と言われています。パパラッチ出身で、現在は、世界二百の支社があるネットフィリップスの記者兼カメラマンのスチュワート氏が受賞となれば―――』
「ABCテレビに切り替え」
エドワードはますます不機嫌になってチャンネルを変える。
「ああん。見ているのに、エドワードの馬鹿」
とメアリーが悔しがる。
画面には、ABCテレビお馴染みのアリスとウィリアムが映っている。
アリスが語り始める。
『ケビン首相は、新ドメイン法に抵触し、現在、収監されています。肩書に元と付くのも時間の問題でしょう』
ウィリアムは頷いた。
『ケビン首相は、七年間の政治生活で、延べ五千時間に渡って、ドメイン共存を叫んできました。しかし、たった一枚の写真の方が説得力がありますね』
ここでまた、階段上のエドワードとバロンの写真が映し出された。
『ケビン首相の元に押し寄せたのは、彼の裏切りに怒る数万体のオールドドメインたち。一方、エドワード王太子殿下には、ヴァレットのバロンが』
ウィリアムは最後まで言わず、ニコッと笑った。
『写真は、ケビン首相が勲章の人選をしたスチュワート氏。そして、今回の英国暴動には、同じくケビン首相が勲章の人選をセドリックというIT企業家の青年が関わっています。英国暴動の影の立役者ともいえる人物を、ケビン首相が選んでいたなんて、人を見る目は確かだったということですね』
ウィリアムとアリスは目くばせをし合って、皮肉気に笑う。
『エドワード王太子殿下は、アン女王のドメインを間もなく退位させるが、ご自身は予定通り三年後に国王になられるとのこと。それまでは、国王代理としてのお立場で公務をこなされます。しかし、これほどまで、英国民に今すぐ国王になっていただきたいと望まれる方がいらっしゃったでしょうか』
「ハッ。調子のいい風見鶏め」
エドワードは、鼻で笑う。
「いつか、潰してやる」
「エドワード、ABCテレビは、国営放送だから、それは難しいんじゃないかなあ」
と聞いていたアーサーは半笑いになる。
「定例会見の時間だ。少し早いが、行くか。バロン、お前も」
エドワードが立ち上がる。
「え?俺もですか?」
「今日は、オールドドメインのことが会見の中心になる。隣にいて欲しい」
「えええっ?そんな急に。じゅ、準備っ」
バロンがバタバタと自室に消えていった。
「それじゃ、僕たちは、自宅で会見を見ることにするよ」
「もう帰るのか?」
エドワードは、少し寂しそうだ。
「なんだかんだで一ヶ月だからね」
「また来てくれ。その……そいつも連れて」
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