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第八章 ルシウス
178:嫌だよっ!そんなこと、絶対に嫌だよ。ケビン以外とそんなことするなんて、吐き気がする
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「政治家になるのだったら、駆け足で首相の座を目指さなければならない。もたもたしていたら、エドワードが裏から手を回して潰しにくるかもしれないから。三年後の首相選挙に出たいんだ」
「ちょっと待ってよ。まだ、政治家にもなっていないのに、首相だって?!」
「頼む、ルシウス。力を貸してくれ。政治の世界は金が物をいう世界だ。だが、軍人の僕にはそれがない」
ケビンは、ルシウスの顔を見るのを避けるかのように、胸やヘソへ口づけを落とす。そして、久しぶりに抱かれることで嬉しくて準備万端になっている雄を口に含んだ。
「ンアアッーーー」
気持ち良さに甘い声が漏れる。
口淫とともに、秘部への指での刺激も始まって、同時の責めに、ルシウスは喘ぎまくった。
必要以上に声を上げてしまったのは、先ほど『頼む、ルシウス。力を貸してくれ』という言葉から感じた違和感を打ち消したかったからだ。
以前のケビンとは違って、ぞんざいな愛撫だけで、彼の雄が中に入って来た。ルシウスは、きつくてもそれをなんとか受け止める。
ルシウスにのしかかってきたケビンが言った。
「力を貸して欲しいんだ、ルシウス」
ケビンが繋がったままルシウスを抱き起す。まだ侵入途中だったそれは、ズボッと一気にルシウスの中まで入り込む。
「アアアアアッー!」
そのまま揺さぶられて、ルシウスは我を忘れそうになった。
「ボクが、何をっ??」
「その顔と、この身体だ」
「え?」
「君の本体は、有名女優だ。しかも、ここは、こんなに具合がいい。本当に造ってよかった」
今度は、ケビンは腰を回して、ルシウスの内壁に雄をこすり付けてくる。
嫌な予感がした。
脳内に、鹿の園に送られて行ったバロンやクリストファーの顔が点滅する。
「頼む。ふがいない男だと責めてくれていい。けど、こうでもしないと、君たちの未来を救えないんだ」
ケビンが、大切だとでもいうように、ルシウスの背中にギュッと手を回す。
でも、紡いだ言葉は残酷だった。
「君なら、鹿の園は喜んで買ってくれる。どうか、僕とそして君の未来のために、一時だけ、男娼になってくれないか?」
言葉を失うということは、このことだ。
どうして、自分が、心を寄せていない相手と抱き合わなければならないんだ。
どうして、心を寄せている男に、そんなことを願われなければならないんだ。
「嫌だよっ!そんなこと、絶対に嫌だよ。ケビン以外とそんなことするなんて、吐き気がする」
「大丈夫。一緒に目覚めた二体は、鹿の園で頑張っているよ。クリストファーは今や教育係になっている。あの臆病なバロンだって、まだ続いている。ルシウスなら余裕だよ」
この人は、何を言っているんだ?
ルシウスにはもう訳が分からなかった。
その晩、ルシウスはケビンに激しく抱かれた。どんなに多くても抱くのは二回だったのに、彼はケビンが『鹿の園に行ってくれ』と抱きながら執拗に願い続け、ルシウスが『うん』と言うまで、解放することはなかった。
ルシウスが、初めて鹿の園の東門に立ったのは、七年前の早春だ。
ケビンは代理の者を立てず、ルシウスを直接鹿の園に売りに来た。
「ちょっと待ってよ。まだ、政治家にもなっていないのに、首相だって?!」
「頼む、ルシウス。力を貸してくれ。政治の世界は金が物をいう世界だ。だが、軍人の僕にはそれがない」
ケビンは、ルシウスの顔を見るのを避けるかのように、胸やヘソへ口づけを落とす。そして、久しぶりに抱かれることで嬉しくて準備万端になっている雄を口に含んだ。
「ンアアッーーー」
気持ち良さに甘い声が漏れる。
口淫とともに、秘部への指での刺激も始まって、同時の責めに、ルシウスは喘ぎまくった。
必要以上に声を上げてしまったのは、先ほど『頼む、ルシウス。力を貸してくれ』という言葉から感じた違和感を打ち消したかったからだ。
以前のケビンとは違って、ぞんざいな愛撫だけで、彼の雄が中に入って来た。ルシウスは、きつくてもそれをなんとか受け止める。
ルシウスにのしかかってきたケビンが言った。
「力を貸して欲しいんだ、ルシウス」
ケビンが繋がったままルシウスを抱き起す。まだ侵入途中だったそれは、ズボッと一気にルシウスの中まで入り込む。
「アアアアアッー!」
そのまま揺さぶられて、ルシウスは我を忘れそうになった。
「ボクが、何をっ??」
「その顔と、この身体だ」
「え?」
「君の本体は、有名女優だ。しかも、ここは、こんなに具合がいい。本当に造ってよかった」
今度は、ケビンは腰を回して、ルシウスの内壁に雄をこすり付けてくる。
嫌な予感がした。
脳内に、鹿の園に送られて行ったバロンやクリストファーの顔が点滅する。
「頼む。ふがいない男だと責めてくれていい。けど、こうでもしないと、君たちの未来を救えないんだ」
ケビンが、大切だとでもいうように、ルシウスの背中にギュッと手を回す。
でも、紡いだ言葉は残酷だった。
「君なら、鹿の園は喜んで買ってくれる。どうか、僕とそして君の未来のために、一時だけ、男娼になってくれないか?」
言葉を失うということは、このことだ。
どうして、自分が、心を寄せていない相手と抱き合わなければならないんだ。
どうして、心を寄せている男に、そんなことを願われなければならないんだ。
「嫌だよっ!そんなこと、絶対に嫌だよ。ケビン以外とそんなことするなんて、吐き気がする」
「大丈夫。一緒に目覚めた二体は、鹿の園で頑張っているよ。クリストファーは今や教育係になっている。あの臆病なバロンだって、まだ続いている。ルシウスなら余裕だよ」
この人は、何を言っているんだ?
ルシウスにはもう訳が分からなかった。
その晩、ルシウスはケビンに激しく抱かれた。どんなに多くても抱くのは二回だったのに、彼はケビンが『鹿の園に行ってくれ』と抱きながら執拗に願い続け、ルシウスが『うん』と言うまで、解放することはなかった。
ルシウスが、初めて鹿の園の東門に立ったのは、七年前の早春だ。
ケビンは代理の者を立てず、ルシウスを直接鹿の園に売りに来た。
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