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第六章 エドワード

131:前戯などいい。早く体液を出させろ

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「オレのために、これまでいっぱい泣いてきたじゃないか。だから、今回は、オレがあんたを助けるんだ。それだけだよ」
「……駄目だ」
「他に策はないんだろう?」
とベリルは、バロンに確認する。
ぎこちなく頷くバロンを見て、ベリルは再度アーサーに言った。
「あんたのことを守りたいんだ」
「ベリル。……駄目だって」
「守らせて」
ベリルの額に口づけを落とされたアーサーは、一瞬、時を止めた。
「君からこんなこと、初めてだ。それが、どうして、今なんだろう」
ベリルを再度、きつく抱きしめたアーサーは、観念したように、ベリルのベルトを抜き取り、ズボンと下着を脱がせていった。
肉のついていない伸びやかな下半身が、エドワードの目の前に現れた。
アーサーが、エドワードを見ないようにベリルの額を肩に持たせかけ、緊張を和らげるために、背中や首筋に唇を押し当てていく。
アーサーの唇は震えていて、本当にベリルが壊れてしまうことを恐れているように見えた。
「ンッ」
唇を押し当てられて、ベリルが小さく呻く。
首筋が特に感じるらしく、アーサーの唇が落とされるごとに「アッ、ンンッ」と連続で声を漏らす。
トンッ、トンッ、トンッ。
また、エドワードの指打ちが始まる。
見た目は全く違うのに、自分の核細胞データが使われていると意識してしまうせいか、まるで自分がアーサーに愛撫されている気分だ。
幼馴染として育って来たアーサーのことを、守ってやらねばならない存在だと幼いころから思っていたが、今まで性的な魅力は感じたことがない。
なのに、どうしてここまで落ち着かない気分になるのか。
それは、目の前の自分が、アーサーに頼らなければ自慰すらまともに出来ない存在だという事実に、直面しているからかもしれない。
「前戯などいい。早く体液を出させろ」
ベリルの首筋に唇を押し当てながら、アーサーが青い目で睨んできた。
こんな獰猛なアーサーを、エドワードは見たことが無い。
「エドワード。少し黙っていてくれないか」
母猫が子猫を舐めるかのような舌つきで、ベリルの首を舐めたアーサーは、きゅっと閉じられた足に手を伸ばす。
「ベリル。触らせて。ごめん」
アーサーの囁きに、ベリルの足が少し緩んだ。
手がベリルの股の中に入り込んでいく。
「少し開いて」
命令に、ベリルが思いっきりアーサーの肩に額を押し付け身体を震わせながら、足を少し開いた。
細い体格に見合った、つつましい雄が見える。
初めての自慰が、エドワードの監視の元行われるが怖いのか、欲望の形には程遠い。
アーサーが、ベリルの内腿を撫で、手を奥に奥にと入れていく。
その間に、頬に額に、首筋に絶え間ない口づけが施された。
やがて「アッ……ンッ」というベリルの上ずった声が聞こえてきた。
つつましかった雄が形を作ってきたのを確認したアーサーは、自分の手を唾でたっぷり濡らすと、雄を包み込む。
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