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第五章

79:何の役にも立たない俺を拾って優しくしてく入れて、全然好みじゃねえくせに好いてくれて

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「ガキの頃は?何度か治ってんだろ?」
「それは、一人じゃなかったから。母さんが仕事の合間を塗って病室に来てくれた。僕が死んだら悲しませるって子供心に思っていて頑張った。でも、もう、あの辛い治療を耐える勇気がない。心が折れた」
「じゃあ、あんた死ぬんだな」
「ああ。死ぬよ。だから、エイト。して。生が嫌なら、ゴム付けてくれていいから。ね、お願い」
 零はグイグイ腰を押し付ける。
「ククッ」
とエイトが喉を鳴らした。
「出会えって十日足らずか。濃くて楽しい時間だったな。人助けもしたり、辞書なんてものも初めて引いた。映画も面白かったなって思ったし、飯作りも楽しかった。あんたっていう、新しい性癖にも目覚めたし」
 エイトが零をゆっくりと抱きしめてくる。
「だからさ、あんたが死んだら」
 ---時々思い出すと思う。
 ---真っ当に生きようと思う。
 ---勉強を頑張ってみよう。
かな?
 エイトの次の言葉を想像したがそのいずれでもなかった。
「俺、後を追うわ」
 零は目が点になった。
 彼が何を言っているのかよく分からなかった。
「エ、エイトは生きなきゃ駄目だろうお?」
 怒りと驚きが混じり合って変な音程になる。
 エイトが肩をすくめた。
「あんたがいなくなったらつまんねえじゃん?何の役にも立たない俺を拾って優しくしてくれて、全然好みじゃねえくせに好いてくれて」
 張り詰めている零の性器をエイトがからかうように摘む。
「なのに、俺を残してさっさとあの世に行く言っていう。戦いもせずに。だから、俺、決めたんだ。あんたの葬儀が終わったら、後を追う。死に方は何がいいかな?無難に煉炭か」
「死にそうなのを目の前にして、言うこと?性格が悪すぎる。ほら、今はセックス。やれって。さっさと犯せ」
「嘘だと思ってんの?」
「エイト、そもそも噓をついているよね。名前」
「ああ。それな」
 エイトがちょっとだけ腰を進めながら、零の耳に口をよせてきた。すぼんだ穴が開いて、彼の性器を受け入れようとしているのに、肝心の棒はそこでストップ。
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 零はあっけにとられた。
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「あんただから」
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