79 / 99
第五章
79:何の役にも立たない俺を拾って優しくしてく入れて、全然好みじゃねえくせに好いてくれて
しおりを挟む
「ガキの頃は?何度か治ってんだろ?」
「それは、一人じゃなかったから。母さんが仕事の合間を塗って病室に来てくれた。僕が死んだら悲しませるって子供心に思っていて頑張った。でも、もう、あの辛い治療を耐える勇気がない。心が折れた」
「じゃあ、あんた死ぬんだな」
「ああ。死ぬよ。だから、エイト。して。生が嫌なら、ゴム付けてくれていいから。ね、お願い」
零はグイグイ腰を押し付ける。
「ククッ」
とエイトが喉を鳴らした。
「出会えって十日足らずか。濃くて楽しい時間だったな。人助けもしたり、辞書なんてものも初めて引いた。映画も面白かったなって思ったし、飯作りも楽しかった。あんたっていう、新しい性癖にも目覚めたし」
エイトが零をゆっくりと抱きしめてくる。
「だからさ、あんたが死んだら」
---時々思い出すと思う。
---真っ当に生きようと思う。
---勉強を頑張ってみよう。
かな?
エイトの次の言葉を想像したがそのいずれでもなかった。
「俺、後を追うわ」
零は目が点になった。
彼が何を言っているのかよく分からなかった。
「エ、エイトは生きなきゃ駄目だろうお?」
怒りと驚きが混じり合って変な音程になる。
エイトが肩をすくめた。
「あんたがいなくなったらつまんねえじゃん?何の役にも立たない俺を拾って優しくしてくれて、全然好みじゃねえくせに好いてくれて」
張り詰めている零の性器をエイトがからかうように摘む。
「なのに、俺を残してさっさとあの世に行く言っていう。戦いもせずに。だから、俺、決めたんだ。あんたの葬儀が終わったら、後を追う。死に方は何がいいかな?無難に煉炭か」
「死にそうなのを目の前にして、言うこと?性格が悪すぎる。ほら、今はセックス。やれって。さっさと犯せ」
「嘘だと思ってんの?」
「エイト、そもそも噓をついているよね。名前」
「ああ。それな」
エイトがちょっとだけ腰を進めながら、零の耳に口をよせてきた。すぼんだ穴が開いて、彼の性器を受け入れようとしているのに、肝心の棒はそこでストップ。
「覚えた?俺の本名。なんなら戸籍の取り寄せもしとく?」
零はあっけにとられた。
じゃあ、刑務所で三年過ごしたのは誰だ?
警察は新田一に気をつけろってわざわざ忠告してきた。
「何で教えてくれたの?」
「あんただから」
「それは、一人じゃなかったから。母さんが仕事の合間を塗って病室に来てくれた。僕が死んだら悲しませるって子供心に思っていて頑張った。でも、もう、あの辛い治療を耐える勇気がない。心が折れた」
「じゃあ、あんた死ぬんだな」
「ああ。死ぬよ。だから、エイト。して。生が嫌なら、ゴム付けてくれていいから。ね、お願い」
零はグイグイ腰を押し付ける。
「ククッ」
とエイトが喉を鳴らした。
「出会えって十日足らずか。濃くて楽しい時間だったな。人助けもしたり、辞書なんてものも初めて引いた。映画も面白かったなって思ったし、飯作りも楽しかった。あんたっていう、新しい性癖にも目覚めたし」
エイトが零をゆっくりと抱きしめてくる。
「だからさ、あんたが死んだら」
---時々思い出すと思う。
---真っ当に生きようと思う。
---勉強を頑張ってみよう。
かな?
エイトの次の言葉を想像したがそのいずれでもなかった。
「俺、後を追うわ」
零は目が点になった。
彼が何を言っているのかよく分からなかった。
「エ、エイトは生きなきゃ駄目だろうお?」
怒りと驚きが混じり合って変な音程になる。
エイトが肩をすくめた。
「あんたがいなくなったらつまんねえじゃん?何の役にも立たない俺を拾って優しくしてくれて、全然好みじゃねえくせに好いてくれて」
張り詰めている零の性器をエイトがからかうように摘む。
「なのに、俺を残してさっさとあの世に行く言っていう。戦いもせずに。だから、俺、決めたんだ。あんたの葬儀が終わったら、後を追う。死に方は何がいいかな?無難に煉炭か」
「死にそうなのを目の前にして、言うこと?性格が悪すぎる。ほら、今はセックス。やれって。さっさと犯せ」
「嘘だと思ってんの?」
「エイト、そもそも噓をついているよね。名前」
「ああ。それな」
エイトがちょっとだけ腰を進めながら、零の耳に口をよせてきた。すぼんだ穴が開いて、彼の性器を受け入れようとしているのに、肝心の棒はそこでストップ。
「覚えた?俺の本名。なんなら戸籍の取り寄せもしとく?」
零はあっけにとられた。
じゃあ、刑務所で三年過ごしたのは誰だ?
警察は新田一に気をつけろってわざわざ忠告してきた。
「何で教えてくれたの?」
「あんただから」
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる