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第三章
47:あんたと俺がセックスするわけじゃないだろ。何、そこまで熱くなってるんだ?
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「そこまで隠さなくても。最近、理解も進んでいるらしいし。と言っても、俺はあんま、その手のことは分かんねえけどよ」
「分からないなら首を突っ込んでくるな!お節介なんだよ。度が過ぎるんだよ」
「それ、デリヘルの女にも言われたわ。余計なお世話だって。でも、俺、あんたのために何かしたかったんだ。バーで酒を飲んでみたいって言っていたし。今朝の吐きっぷりには焦ったし」
「まだ死なないよ。自分の身体だから分かる」
「ふうん。じゃあ、せっかく来たんだし覗くぐらいしてこうぜ?あんたにいい相手が見つかったら俺、どっかいっとくし」
「……なんで、一緒に飲みに来たのにどっか行っちゃうんだよ」
「そこまでヤボじゃねえわ、俺。あ、ヤボって使い方、あってる?ほら、こっち来いって」
エイトはそう言って零の腕を取ろうとする。
「嫌だろ、ゲイなんて。触るなよ。風呂場で男なんて勘弁って言ってただろ。デリヘルボーイしてたときだって男の客は御免だって」
「あんたと俺がセックスするわけじゃないだろ。何、そこまで熱くなってるんだ?」
「そう……だけど」
「小洒落たゲイバーを俺、一生懸命探したんだけど」
「女の子の件もそうだけど、エイトは勝手に決めすぎ。僕の意見は?」
「あんた、ウダウダ言ってるだけで動かねえだろ?」
「その言い方、ムカつく。僕にはいろんな事情があって」
「あっそう。もういいよ。この路地にずっといろ」
急に突き放されて、あっけにとられ、すぐに怒りが湧いてきた。
「何だよ、その態度」
エイトに向かって歩いていってその身体をどんと押す。
「やだ、この人、力強ーい。押し出されちゃう」
エイトがふざけながら狭い通路から出ていく。
「さっきのは、あんたの真似してやっただけ」
僕ってあんなか?
もっと親切で丁寧なはずだ。
零は膨れた。
「寄ってってやるよ。人を口先だけみたいに言いやがって」
と言い捨てて零は右方向に歩き出す。
「店、そっちじゃねえですけど?」
とエイトが笑った。
連れてこられた店は、エイトが言うようにおしゃれな雰囲気だった。
二人して、背の高いスツールの椅子に座りカウンターで酒を飲む。
年齢層は少し高め。二十代後半から、三十代のサラリーマンが多い。
めいめい、カウンターや丸テーブルでおしゃべりしながら酒を飲んでいる。
「なんで、ここ?」
酒を煽ったエイトが、
「あんた、年上好きそうだし」
と耳元で言った。
恥ずかしかった。どこでバレたんだろう。
「これじゃあ、なんだか二人で飲みにきたみたいだな。誰も声をかけてこねえ」
「分からないなら首を突っ込んでくるな!お節介なんだよ。度が過ぎるんだよ」
「それ、デリヘルの女にも言われたわ。余計なお世話だって。でも、俺、あんたのために何かしたかったんだ。バーで酒を飲んでみたいって言っていたし。今朝の吐きっぷりには焦ったし」
「まだ死なないよ。自分の身体だから分かる」
「ふうん。じゃあ、せっかく来たんだし覗くぐらいしてこうぜ?あんたにいい相手が見つかったら俺、どっかいっとくし」
「……なんで、一緒に飲みに来たのにどっか行っちゃうんだよ」
「そこまでヤボじゃねえわ、俺。あ、ヤボって使い方、あってる?ほら、こっち来いって」
エイトはそう言って零の腕を取ろうとする。
「嫌だろ、ゲイなんて。触るなよ。風呂場で男なんて勘弁って言ってただろ。デリヘルボーイしてたときだって男の客は御免だって」
「あんたと俺がセックスするわけじゃないだろ。何、そこまで熱くなってるんだ?」
「そう……だけど」
「小洒落たゲイバーを俺、一生懸命探したんだけど」
「女の子の件もそうだけど、エイトは勝手に決めすぎ。僕の意見は?」
「あんた、ウダウダ言ってるだけで動かねえだろ?」
「その言い方、ムカつく。僕にはいろんな事情があって」
「あっそう。もういいよ。この路地にずっといろ」
急に突き放されて、あっけにとられ、すぐに怒りが湧いてきた。
「何だよ、その態度」
エイトに向かって歩いていってその身体をどんと押す。
「やだ、この人、力強ーい。押し出されちゃう」
エイトがふざけながら狭い通路から出ていく。
「さっきのは、あんたの真似してやっただけ」
僕ってあんなか?
もっと親切で丁寧なはずだ。
零は膨れた。
「寄ってってやるよ。人を口先だけみたいに言いやがって」
と言い捨てて零は右方向に歩き出す。
「店、そっちじゃねえですけど?」
とエイトが笑った。
連れてこられた店は、エイトが言うようにおしゃれな雰囲気だった。
二人して、背の高いスツールの椅子に座りカウンターで酒を飲む。
年齢層は少し高め。二十代後半から、三十代のサラリーマンが多い。
めいめい、カウンターや丸テーブルでおしゃべりしながら酒を飲んでいる。
「なんで、ここ?」
酒を煽ったエイトが、
「あんた、年上好きそうだし」
と耳元で言った。
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「これじゃあ、なんだか二人で飲みにきたみたいだな。誰も声をかけてこねえ」
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