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第九章
155:勝ちたい。お前の一番になりたい
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淡いろうそくの光の下で、白い肌が映える。
小鳥の両手がそろそろと動いて、薄い茂みに包まれた部分を隠そうとする。
「そっちのほうがむしろエロい気がするけど」
とアドリーが言うと、いつものお決まりのポーズである左手で右肘を押さえて背中を丸めた。
『ふっ、ふっ』
と興奮と緊張からくる息づかいが聞こえてくる。
それが、アドリーにとってはたまらなく淫靡に聞こえる。
寝台の上を這って、膝立ちになっている小鳥の股の間に入り込む。
「触れていいか?」
『い、嫌だ』
「痛いから?」
『恥ずかしいっ、からだっ、よっ!」
「オレも自分の足が曲がってて恥ずかしいよ。こうやって這わなきゃ、お前に近づけないし、全力で逃げられたら、追っていけない」
『逃げないよ。……触って。でも、息しないで。嗅がないで。お願い』
全身を真っ赤にして、小鳥が言った。
丘みたいな平坦な部分にそっと手を添えると突起のような部分がある。
こすると小鳥が身をくねらせ、アドリーの肩に手を置いてくる。
「いい?」
と聞くと、恥ずかしそうに頷いてくれた。
『僕、いつも奉仕する側だったから。こういう気持ちよさ、初めての頃以来』
アドリーは、対抗心が湧いてきて、薄い茂みをかき分けて小指の先ほどもない変わり果てた男の部分に口付けた。
初めての頃より気持ちがいい、比べ物にならないと言わせたい。
背中を何度か叩かれたが、アドリーは止めなかった。
舌を這わせ、吸い付いていく。
『あっ』
野太いかすれ声が上がって、調子に乗ってかぶりつくようにそこに食いつくと、さすがうに頭を叩かれた。
「痛っ。お前な」
『い、今のはアドリー様が悪い。僕、匂いとか気にしてるって知っているくせに』
「オレ、気にならねえし」
引き止めにかかっても、小鳥は怒って寝台を降りてしまい、タライの水にタオルをくぐらせ絞ると、アドリーに向かって投げつけてきた。
『僕は気にするんだよっ!』
「ごめんて。悪かったって。先走った。オレ、お前が経験してきた相手全員に勝ちたくて」
『競争じゃないよ』
「んなこと、分かっている。けど、勝ちたい。お前の一番になりたい」
『い、いいし。そんな口説き文句」
「口説いてんじゃなくて、オレはただ、本音を言っているだけ。……まあ、抱く側に回るのは初めてだし、自信はねえ。自信あったとしても、この足じゃあ、格好良くは抱けないだろうけどさ」
『……』
「あれ、黙っちゃった。おい、小鳥?聞いているか?オレ、何か間違ったこと言ったか?なんかな、バットゥータと寝てたときは、気持ちが良かったけれど、違和感はあったんだ。それはあいつも気付いていたと思う。身体を重ねてそれが決定的になって、オレたちは別れたんだけど……あ、こういうこと言うべきじゃなかったか?でもさ、オレ、本当に他のヤツと経験ないしさ、かといってお前に痛い思いとかさせたくないしさ。ぎこちなくて、お前つまんないかもしれないから、教えながらしてくれたら、オレとしては嬉しんだけど」
『こんな僕と本当に最後までしたいの?』
身体を拭き終えた小鳥がまた、左手で右肘を抱き寄せる。
『僕、興奮したら押さえが効かなくなって漏れちゃうよ、精子がどばっと。あと、おしっこだって』
「オレも、ヘコヘコとしか腰を触れないと思うんだけど」
『気にしない』
小鳥の両手がそろそろと動いて、薄い茂みに包まれた部分を隠そうとする。
「そっちのほうがむしろエロい気がするけど」
とアドリーが言うと、いつものお決まりのポーズである左手で右肘を押さえて背中を丸めた。
『ふっ、ふっ』
と興奮と緊張からくる息づかいが聞こえてくる。
それが、アドリーにとってはたまらなく淫靡に聞こえる。
寝台の上を這って、膝立ちになっている小鳥の股の間に入り込む。
「触れていいか?」
『い、嫌だ』
「痛いから?」
『恥ずかしいっ、からだっ、よっ!」
「オレも自分の足が曲がってて恥ずかしいよ。こうやって這わなきゃ、お前に近づけないし、全力で逃げられたら、追っていけない」
『逃げないよ。……触って。でも、息しないで。嗅がないで。お願い』
全身を真っ赤にして、小鳥が言った。
丘みたいな平坦な部分にそっと手を添えると突起のような部分がある。
こすると小鳥が身をくねらせ、アドリーの肩に手を置いてくる。
「いい?」
と聞くと、恥ずかしそうに頷いてくれた。
『僕、いつも奉仕する側だったから。こういう気持ちよさ、初めての頃以来』
アドリーは、対抗心が湧いてきて、薄い茂みをかき分けて小指の先ほどもない変わり果てた男の部分に口付けた。
初めての頃より気持ちがいい、比べ物にならないと言わせたい。
背中を何度か叩かれたが、アドリーは止めなかった。
舌を這わせ、吸い付いていく。
『あっ』
野太いかすれ声が上がって、調子に乗ってかぶりつくようにそこに食いつくと、さすがうに頭を叩かれた。
「痛っ。お前な」
『い、今のはアドリー様が悪い。僕、匂いとか気にしてるって知っているくせに』
「オレ、気にならねえし」
引き止めにかかっても、小鳥は怒って寝台を降りてしまい、タライの水にタオルをくぐらせ絞ると、アドリーに向かって投げつけてきた。
『僕は気にするんだよっ!』
「ごめんて。悪かったって。先走った。オレ、お前が経験してきた相手全員に勝ちたくて」
『競争じゃないよ』
「んなこと、分かっている。けど、勝ちたい。お前の一番になりたい」
『い、いいし。そんな口説き文句」
「口説いてんじゃなくて、オレはただ、本音を言っているだけ。……まあ、抱く側に回るのは初めてだし、自信はねえ。自信あったとしても、この足じゃあ、格好良くは抱けないだろうけどさ」
『……』
「あれ、黙っちゃった。おい、小鳥?聞いているか?オレ、何か間違ったこと言ったか?なんかな、バットゥータと寝てたときは、気持ちが良かったけれど、違和感はあったんだ。それはあいつも気付いていたと思う。身体を重ねてそれが決定的になって、オレたちは別れたんだけど……あ、こういうこと言うべきじゃなかったか?でもさ、オレ、本当に他のヤツと経験ないしさ、かといってお前に痛い思いとかさせたくないしさ。ぎこちなくて、お前つまんないかもしれないから、教えながらしてくれたら、オレとしては嬉しんだけど」
『こんな僕と本当に最後までしたいの?』
身体を拭き終えた小鳥がまた、左手で右肘を抱き寄せる。
『僕、興奮したら押さえが効かなくなって漏れちゃうよ、精子がどばっと。あと、おしっこだって』
「オレも、ヘコヘコとしか腰を触れないと思うんだけど」
『気にしない』
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