上 下
144 / 183
第八章

143:アドリー様。本気の本気でさよならです

しおりを挟む
「……」
「なあってば」
 アドリーは、バットゥータの身体を揺する。
「もうこれきりですからね」
と言って、バットゥータがいきり立った雄を知り穴に当ててきた。
 沈められ、腰がゆるく動かき始めた。
 さっきより、かなり優しい抽挿だ。
「んなこと言って、明日もしてるって」
「しませんっ」
「もうこれきり」
「絶対にっ」
とバットゥータが立て続けに言う。
「あなたみたいな主、もう懲り懲りです!」
 バットゥータの首に手を回し、アドリーは口付けをねだった。
 口内を犯すみたいにねぶった後、バットゥータがアドリーの口から舌を引き抜いた。
「アドリー様。本気の本気でさよならです」
 身体の内部で二度目の濡れた感触があって、アドリーは身震いする。
 バットゥータが力を失った雄を引き抜いて、汚したアドリーの尻穴を指を二本入れて広げて処理にかかる。
 思いをぶつけ合ったってさすがにそれは恥ずかしく、
「お前、それはいいって」
と言うが、バットゥータは止めない。
 処理が終わって帰ろうとするバットゥータを、今度はアドリーは引き止めた。
「寝てけよ、朝まで。よそよそしく、新しい関係が始まるのはオレ、嫌だし」
 すると、バットゥータが嬉しさを隠したふくれっ面で寝台の中に潜り込んできた。
「どうやっても一生、あなたにいいように扱われる運命にあるんでしょうね、俺は」
「いちいち小難しい奴だなあ。どう転んだって、オレはお前のことが好きで大切だし、お前だってそうだろ?好きの種類が多少違ったって、そんなの誤差だ」
と言い捨てて、アドリーは眠りに付く。
「誤差?ちょ、俺だって初恋だったんですよ?それを誤差って。ねえ、聞いてます??」
とバットゥータが喚くので、胸に抱きかかえて黙らせる。
 泥のように眠って、腰に残る鈍痛で目が覚めて、胸元にはバットゥータが抱きついていた。
 部屋に残る独特の残滓の匂いに、
「くせえ」
と一人事を言うと、バットゥータが目を開けた。一足先に目覚めていたらしい。
 そして、
「一つの恋が終わった朝だってのに、情緒どこいったんですか?」
とアドリーの身体をギリギリ締め上げてきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

尻で卵育てて産む

高久 千(たかひさ せん)
BL
異世界転移、前立腺フルボッコ。 スパダリが快楽に負けるお。♡、濁点、汚喘ぎ。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

公開凌辱される話まとめ

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 ・性奴隷を飼う街 元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。 ・玩具でアナルを焦らされる話 猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

【完結】もっと、孕ませて

ナツキ
BL
3Pのえちえち話です。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

薬師は語る、その・・・

香野ジャスミン
BL
微かに香る薬草の匂い、息が乱れ、体の奥が熱くなる。人は死が近づくとこのようになるのだと、頭のどこかで理解しそのまま、身体の力は抜け、もう、なにもできなくなっていました。 目を閉じ、かすかに聞こえる兄の声、母の声、 そして多くの民の怒号。 最後に映るものが美しいものであったなら、最後に聞こえるものが、心を動かす音ならば・・・ 私の人生は幸せだったのかもしれません。※「ムーンライトノベルズ」で公開中

処理中です...