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第一章
20:小鳥。今まで手加減していたが、今夜はさらに奥まで進もうか
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馬乗りになった彼は、すっかり受け入れる場所になった僕の尻穴に深く入ってくる。
「私のことを慕っていると言いたいんだろ?でも、その慕うは好きとは違う。だって、無理やり身体を開かされたんだから。高ぶるのは身体だけ。恋は、こっちが」
スルタンは一旦、腰を止めて僕の心臓の辺りを突いた。
「狂おしい気持ちになる。もう一度言う。恋する気持ちは大事にしなさい。君とはそこそこ長い夜を過ごしてきたから、私にこういうことを言わせるなんてとも思ってしまうが。そら、私を妬かせたお仕置きだ。ちょっと激しくするぞ」
まだ慣れない奥を連続して突かれて僕は喘いだ。
スルタンが僕の手を頭上に上げさせ、片手で両手首を抑えてしまったからだ。
「小鳥。今まで手加減していたが、今夜はさらに奥まで進もうか」
奥?
これ以上、僕の身体に奥なんてない。
なのに、スルタンはこじ開けようとしてくる。
「ほら、開くぞ」
軽く言われて、「え?」と思っているうちに、スルタンの先端が腹の内側までめりこんでくるような感覚があった。
それが怖くて「ハッ、ハッ、ハッ」と肩で息をしていると、それに合わせてスルタンが動き始めた。
目の前が真っ白になるような快感がやってくる。
それがあまりにも強烈で、僕は完全に我を忘れてしまって、僕を押さえつけてくる男の力強さを勘違いして「お父さんっ」と叫ぶと、ほぼ時間をおかず果てたスルタンが「そんな風に叫ばれちゃあ、もう抱けない」と少し情けない顔で笑っていた。
それから、本当にスルタンは僕を抱かなくなった。
そこそこの頻度でお召があるのは相変わらずだったが、寝台の上ですることと言えば、夜の行為の対価として支払われる賃金計算だ。
本来なら金庫番がそういうことはしてくれるはずなのだが、スルタン自身が契約書をしたためてくれた。結構な枚数があるので、それを僕に確認させ、終わると健全な眠りにつく。
もう間もなく異国との戦が始まるらしく、スルタンの気持ちはもうそっちの方に完全に傾いているようだ。だから、僕は、ただの抱き枕代わり。
けれど、一緒に眠る時間は増えた。
それはたった数時間なのだけれども、子供と父親が眠るみたいにして寄り添って眠る。
本当の親子と違うのは、深夜を回ると御側衆がやってきて、僕はスルタンから引き離され、清める必要もないのに湯浴みをさせられることだ。
花の浮かぶ大きな湯船で一人湯を使っていると、途方のなく寂しくなる。
だから、僕は宿舎に戻されると、少し時間を置いて庭へ。
広大な庭には、ぽつんとランタンの明かりが一つ灯っていて、それを目印に僕は歩く。
それは、冬の夜を明るく照らす青白い星の集団スレイヤーズ(昴)の一つみたい。
最近、僕が遅いのでラシードはラグを布団代わりにして本を枕にウトウトしていることが多い。
僕が隣に横たわると、「終わったのか?」と聞いてくる。
「うん」と返事をすると、寝ぼけながら僕の手を握ってくる。
僕も握り返す。
「地面、熱い」
普段なら涼しい夜も、昼の熱波がまだ地中に籠もっているのか、じわっと扱った。
ラシードも首筋に玉のような汗をかいている。
父親のムラト三世が寝所でかくのとは種類が違う汗だ。
いつもなら、空に向かって歌うのに、僕は首を横に方向け、ラシードの耳元で囁くように歌っていた。
このまま目覚めないで欲しいという気持ちと、逆の気持ちが半分ずつ。
コロコロと虫が鳴く音。
草木を揺らす風の音。
そして、僕らの呼吸音
ラシードがうっすら目を開ける。
そして、僕の方へ首を傾け枕代わりの本を横に押し出す。
目線が完全に同じになった。
「なあ。小鳥。見せてほしいんだけど?」
「私のことを慕っていると言いたいんだろ?でも、その慕うは好きとは違う。だって、無理やり身体を開かされたんだから。高ぶるのは身体だけ。恋は、こっちが」
スルタンは一旦、腰を止めて僕の心臓の辺りを突いた。
「狂おしい気持ちになる。もう一度言う。恋する気持ちは大事にしなさい。君とはそこそこ長い夜を過ごしてきたから、私にこういうことを言わせるなんてとも思ってしまうが。そら、私を妬かせたお仕置きだ。ちょっと激しくするぞ」
まだ慣れない奥を連続して突かれて僕は喘いだ。
スルタンが僕の手を頭上に上げさせ、片手で両手首を抑えてしまったからだ。
「小鳥。今まで手加減していたが、今夜はさらに奥まで進もうか」
奥?
これ以上、僕の身体に奥なんてない。
なのに、スルタンはこじ開けようとしてくる。
「ほら、開くぞ」
軽く言われて、「え?」と思っているうちに、スルタンの先端が腹の内側までめりこんでくるような感覚があった。
それが怖くて「ハッ、ハッ、ハッ」と肩で息をしていると、それに合わせてスルタンが動き始めた。
目の前が真っ白になるような快感がやってくる。
それがあまりにも強烈で、僕は完全に我を忘れてしまって、僕を押さえつけてくる男の力強さを勘違いして「お父さんっ」と叫ぶと、ほぼ時間をおかず果てたスルタンが「そんな風に叫ばれちゃあ、もう抱けない」と少し情けない顔で笑っていた。
それから、本当にスルタンは僕を抱かなくなった。
そこそこの頻度でお召があるのは相変わらずだったが、寝台の上ですることと言えば、夜の行為の対価として支払われる賃金計算だ。
本来なら金庫番がそういうことはしてくれるはずなのだが、スルタン自身が契約書をしたためてくれた。結構な枚数があるので、それを僕に確認させ、終わると健全な眠りにつく。
もう間もなく異国との戦が始まるらしく、スルタンの気持ちはもうそっちの方に完全に傾いているようだ。だから、僕は、ただの抱き枕代わり。
けれど、一緒に眠る時間は増えた。
それはたった数時間なのだけれども、子供と父親が眠るみたいにして寄り添って眠る。
本当の親子と違うのは、深夜を回ると御側衆がやってきて、僕はスルタンから引き離され、清める必要もないのに湯浴みをさせられることだ。
花の浮かぶ大きな湯船で一人湯を使っていると、途方のなく寂しくなる。
だから、僕は宿舎に戻されると、少し時間を置いて庭へ。
広大な庭には、ぽつんとランタンの明かりが一つ灯っていて、それを目印に僕は歩く。
それは、冬の夜を明るく照らす青白い星の集団スレイヤーズ(昴)の一つみたい。
最近、僕が遅いのでラシードはラグを布団代わりにして本を枕にウトウトしていることが多い。
僕が隣に横たわると、「終わったのか?」と聞いてくる。
「うん」と返事をすると、寝ぼけながら僕の手を握ってくる。
僕も握り返す。
「地面、熱い」
普段なら涼しい夜も、昼の熱波がまだ地中に籠もっているのか、じわっと扱った。
ラシードも首筋に玉のような汗をかいている。
父親のムラト三世が寝所でかくのとは種類が違う汗だ。
いつもなら、空に向かって歌うのに、僕は首を横に方向け、ラシードの耳元で囁くように歌っていた。
このまま目覚めないで欲しいという気持ちと、逆の気持ちが半分ずつ。
コロコロと虫が鳴く音。
草木を揺らす風の音。
そして、僕らの呼吸音
ラシードがうっすら目を開ける。
そして、僕の方へ首を傾け枕代わりの本を横に押し出す。
目線が完全に同じになった。
「なあ。小鳥。見せてほしいんだけど?」
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