上 下
85 / 126
第五章

85:こういう無理矢理のって、実はかなり感じるんだろ?

しおりを挟む
 舌を大きく出しながら、ジンが彼方を見上げてきた。
 肉を食らう獣みたいだ。
 犬?熊?いいや、生肉を食らう狼みたいな。
「なんか、ジンを蹴っちゃいそうになるから、駄目」
「いいよ、蹴っても。そのかわり縛るけど」
 ジンが目で浴室とガラス一枚で隔たれた脱衣所にある籠の中の浴衣を示す。
「蹴らなくても縛るけど」
 以前小ぶりだとからかわれた自分の性器がジンの大きな口にすっぽり飲み込まれてしまった。肉厚な舌が彼方の雄を包み込む。
「ぎ、も、じ、いいっ」
 たまらず叫ぶと、じゅぼじゅぼとわざと音を立てながら、ジンの口淫が始まる。
 ジンに僕の食べられてる。
 そう思うと、めまいがしてくる。
 しばらくそこだけ集中的にいじめられた。
 何度、「駄目」「止めて」と拒絶の言葉を吐いただろう。
 気持ちよすぎて、何度か肩を蹴ってしまった。
 すると、足首を押さえつけれ、もう一方の手は腰に回る。
 当然、行為は止まらない。
 でも、本当に止めてほしいわけじゃない。
 逆に、どこまでも、攻めて欲しかった。
「彼方。もっと、腰、つき出せ。俺に、ケツ穴、よく見えるように」
「何する---あっ」
 恥ずかしくて時間はかかったが、言われたとおりにすると、身体の中心に空いた穴をぴっちり塞ぐように、ジンがそこを舐めてきた。
「う、そおおおっ」
 愛おしそうに目を細めていたジンが、そこから口を離し、
「いいんだろ?な?」
と言って、尖らせた舌でそこをつんと突つく。
「あ、ちょ、んっ」
 生まれて初めての刺激に腰が踊る。
 舌の蹂躙はしばらく続いた。
 悲鳴を上げても止めてくれないのだ。
 外へ外へと向かう射精感とは逆で、内に溜まっていく快感は、終わりがない気がして少し怖い。
 いつか、こんなことをされるんじゃないかとは思っていた。
 そして、自分も大きな獣みたいなジンに食べられてしまいたいという気持ちがあった。
 だって、あの身体に押しつぶされたら、被虐的な気分になって、頭がぼおっとして何をされてもいいという気分にいつもなる。
 たぶん、ジンに狂ってしまっているんだ。
 だから、
「これから、シワの一本一本まで舐めてやるから覚悟しろよな」
と脅されても、泣き声混じりの嬌声を上げることしか出来なかった。
 露天風呂から出て、身体を拭かれた。
 冷蔵庫の水を与えられ、髪を拭かれる。
 ジンはその後、敷布だけ、畳の上に敷いた。
「へばってないか?」
 返事の代わりに、ペットボトルを飲み干し、ゴミ箱に放る。
 そして、敷布の上にいるジンの隣に座った。
 すぐに押し倒されて、仰向けにされた。
 両手を上げさせられて、手首をジンの片手で押さえつけられる。
 胸が勝手に反り返り、その様子が、ジンの舌の刺激を待っているかのようだった。
「彼方の乳首って、珊瑚みたいだ」
 空いている手でそこをキュッとつままれた。
「んーっ。んんー!!」
 敷布に顔を押し付けて、悲鳴の音量を少しでも抑えようとする。
「どした?」
「……別に……普通」
「そんな風には見えねえけど。こういう無理矢理のって、実はかなり感じるんだろ?」
「知らない」
「感じてますって素直に言えるようになるまで、終わんねえよ?」
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

親友の息子と恋愛中です

すいかちゃん
BL
親友の息子である高校生の透と、秘密の恋愛しているピアニストの俊輔。キスから先へ進みたい透は、あれこれと誘惑してくる。 誘惑に負けそうになりながらも、大切過ぎてなかなか最後までできない俊輔。だが、あるスキャンダルが透を不安にさせ・・・。 第一話は俊輔目線。第二話は透目線です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

処理中です...