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第六章
98:ルル。僕の肩に足を乗せろ。奥の方の毛も整えてやる
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「進軍まで間もなくなのに馬鹿なことを言っているのは分かってます。でも、主をその気にさせる誘い方が俺には分からない」
「うん。ルルは馬鹿なことを言っている。それに、泣いているのか?」
とわかっているのに、アスランは聞く。
「泣いてません」と強情を張るのが分かっていたからだ。
でも、その予想は外れた。
「はい」
素直にルルが答えた。
---我慢できない。
アスランは、もう気持ちを抑えることができなかった。
永遠の別れになるかもしれない。
それでも、ぎりぎりのところで理性を保ってきた。
お互いに努力をした。
ルルはアスランを避け、アスランは、それよりもっと前にルルを避けはじめた。
だが、結局は無駄なあがきだったようだ。
アスランは荒々しくルルを執務机に押し倒した。
逃さないという意思表示で、固く抱きしめる。
窒息するほどの勢いで口づけて、久々にルルの唇の柔らかさを味わう。
ロンドから教わったのか、ルルがアスランの身体をしっかりと抱きしめ返してきて、その腕の力強さに驚いた。前はひ弱で、こんな力は無かったはずだ。
大人になろうとしている彼の一時を見る機会を永遠に失ったこと、そして、これからもその情報は更新されないことに、アスランは苛立った。
感情が波打つ。
悲しみよりも、手に入らない、いや手に入れてはいけないんだという怒りがあった。
ルルを机から起こして窓辺に連れていき、上着もローブも有無を言わさず脱がせて月明かりに立たせる。
以前、骨が浮き少し猫背気味だった細長い背中は、薄いが筋肉が付きつつあり、姿勢も良くなっている。
「知らないうちに、こんなに逞しくなっちゃって」
常時、剣を振っている二の腕もかなり太くなっている。
こちらを向かせて触った腹は、しっかりと硬かった。
そこからさらに手を伸ばせば、下生えは未処理のせいで、ごわついている。整えている者より卑猥に見えた。
「さっきみたいな誘い方、誰から習った?ロンドか?それとも、親しくなった魔法使いか?」
業務ついでにルルが若い魔法使いらと話をする姿を幾度か見ている。王都の剣士や、剣闘大会のことを聞いたりしたいのだろう。若い魔法使いらも、ゴート城主唯一の側仕えである垢抜けない姿の剣士に興味があるようだった。
ルルが無言で首を振った。
彼の性器は、月狂いの夜のせいで、腹に突くほど上を向き、滴らんばかりに先走りの液を零していた。
彼がそれを隠そうと腰をかがめるので、余計アスランの心に火がつく。
「いいよ。切ってやる」
アスランは月見草が入った小袋をルルの鼻に押し付けながら、言う。
魔法でハサミを取り出し、片膝を床についた。
ルルに立っている性器をできるだけ右側に寄せるよう指示を出す。そして、左側に下生えにハサミを当てた。
刃が冷たいのか、それとも感じるのか、ルルが少し腰を揺らす。
「次は逆側だ」
そこまで毛量は多くないので、すぐにその部分は整って綺麗になる。
袋を鼻に押し当てた状態で、ルルが切なげな目でアスランを見つめていた。
「ルル。僕の肩に足を乗せろ。奥の方の毛も整えてやる」
さすがのルルも引くだろうと思って、アスランはわざと言った。
嫌われてこれで終わり。
いつか、ロンドからも離れていき、誰かと夜を過ごすようになったとき、「そういえば、
一番最初に契約してくれた魔法使いがとんでもない変態でさあ」と笑ってくれればいい。蔑む対象になってしまいたかった。
でも、ルルはアスランの予想とは反対のことした。
上げた足を震わせながら、アスランの肩に乗せたのだ。
「うん。ルルは馬鹿なことを言っている。それに、泣いているのか?」
とわかっているのに、アスランは聞く。
「泣いてません」と強情を張るのが分かっていたからだ。
でも、その予想は外れた。
「はい」
素直にルルが答えた。
---我慢できない。
アスランは、もう気持ちを抑えることができなかった。
永遠の別れになるかもしれない。
それでも、ぎりぎりのところで理性を保ってきた。
お互いに努力をした。
ルルはアスランを避け、アスランは、それよりもっと前にルルを避けはじめた。
だが、結局は無駄なあがきだったようだ。
アスランは荒々しくルルを執務机に押し倒した。
逃さないという意思表示で、固く抱きしめる。
窒息するほどの勢いで口づけて、久々にルルの唇の柔らかさを味わう。
ロンドから教わったのか、ルルがアスランの身体をしっかりと抱きしめ返してきて、その腕の力強さに驚いた。前はひ弱で、こんな力は無かったはずだ。
大人になろうとしている彼の一時を見る機会を永遠に失ったこと、そして、これからもその情報は更新されないことに、アスランは苛立った。
感情が波打つ。
悲しみよりも、手に入らない、いや手に入れてはいけないんだという怒りがあった。
ルルを机から起こして窓辺に連れていき、上着もローブも有無を言わさず脱がせて月明かりに立たせる。
以前、骨が浮き少し猫背気味だった細長い背中は、薄いが筋肉が付きつつあり、姿勢も良くなっている。
「知らないうちに、こんなに逞しくなっちゃって」
常時、剣を振っている二の腕もかなり太くなっている。
こちらを向かせて触った腹は、しっかりと硬かった。
そこからさらに手を伸ばせば、下生えは未処理のせいで、ごわついている。整えている者より卑猥に見えた。
「さっきみたいな誘い方、誰から習った?ロンドか?それとも、親しくなった魔法使いか?」
業務ついでにルルが若い魔法使いらと話をする姿を幾度か見ている。王都の剣士や、剣闘大会のことを聞いたりしたいのだろう。若い魔法使いらも、ゴート城主唯一の側仕えである垢抜けない姿の剣士に興味があるようだった。
ルルが無言で首を振った。
彼の性器は、月狂いの夜のせいで、腹に突くほど上を向き、滴らんばかりに先走りの液を零していた。
彼がそれを隠そうと腰をかがめるので、余計アスランの心に火がつく。
「いいよ。切ってやる」
アスランは月見草が入った小袋をルルの鼻に押し付けながら、言う。
魔法でハサミを取り出し、片膝を床についた。
ルルに立っている性器をできるだけ右側に寄せるよう指示を出す。そして、左側に下生えにハサミを当てた。
刃が冷たいのか、それとも感じるのか、ルルが少し腰を揺らす。
「次は逆側だ」
そこまで毛量は多くないので、すぐにその部分は整って綺麗になる。
袋を鼻に押し当てた状態で、ルルが切なげな目でアスランを見つめていた。
「ルル。僕の肩に足を乗せろ。奥の方の毛も整えてやる」
さすがのルルも引くだろうと思って、アスランはわざと言った。
嫌われてこれで終わり。
いつか、ロンドからも離れていき、誰かと夜を過ごすようになったとき、「そういえば、
一番最初に契約してくれた魔法使いがとんでもない変態でさあ」と笑ってくれればいい。蔑む対象になってしまいたかった。
でも、ルルはアスランの予想とは反対のことした。
上げた足を震わせながら、アスランの肩に乗せたのだ。
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