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恋の焼け跡④
血液型
しおりを挟む「獅子座ですのね!?牡羊座のわたくしと、相性ぴったりですわ!!お兄様に自慢しましょう!!」
その時弥生ちゃんがニヤッと笑ったように見えたが、気のせいだと思うことにした。
「そうなんだ、詳しいんだね」
「ええ!本を読んで少しだけ詳しくなりましたの!」
漆黒の瞳に更なる輝きを浮かべた弥生ちゃんは、少々興奮気味に喋る。
「千鶴お兄様は魚座ですの!
甘え上手のロマンチストですわ!」
「……当たってる、ねぇ」
「でしょう!?あ、澪お姉様は何型ですの!?」
お次は血液型占いですか。
正直なところ、テレビで散々特集を組まれているのを見て、人間の性格が4種類に分類されることに納得がいかない私だったが。
そんなことを言ってしまえば乙女の夢をぶち壊しにしかねないので、あえて口を閉ざした。
「O型だよ。大雑把、なんでしょ」
いかにも投げ遣りな私の態度にも関わらず、弥生ちゃんはますます興奮に拍車をかけた。
「O型!?わたくしと一緒ですわ~!お兄様に自慢しなくちゃ!
うちはお父様もお母様も一番上のお兄様もO型なんですのよ~!
すごい偶然ですわね!日本ではA型が多いと聞きましたのに!」
「そうなんだ?ウチもそうかな……父さん母さん私、妹。皆O型だわ。
千鶴は何型なの?」
こうもO型人間が揃う中、アイツだけ血液型が違うらしい。
というかあれだけ破綻した性格が当てはまる型が存在するのか、それは疑問なところだった。
「あ、千鶴お兄様はA型です!
じいやにもこの間聞きましたけど、じいやもA型ですって!
わたくしA型の方とは相性が良いので嬉しいです!」
「へ~、几帳面な感じがするもんね~。ん……?弥生ちゃんのお父さんとお母さんって2人共O型じゃなかったっけ?」
「はい!そうですわ!」
……あれ?
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