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恋の焼け跡③
変わり果てた彼女
しおりを挟むどうやら昨夜の神様への祈りは、抜群の効果を見せたようだ。
核ミサイルは私の頭上めがけて華麗に落下した。
これにてジ・エンド。
もう言い訳の仕様が無いわ。
どーにでもなれ。
いや、どーでもいいんだってば。
その時だった。
「あ、いたいた!土屋さん!」
河本さんがかつてないほど困った顔をしながら、かなり慌てた様子で私と畑野先生がいる応接室まで走ってきた。
「職員の方ですか?どうかしましたか?」
それに畑野先生は冷静に対応したが、河本さんの意識は私から逸らされなかった。
「土屋さん、お願い!
今すぐホールまで来て!」
「どうか……したんですか?」
おずおずと私は聞いた。
だけどその返事を聞く前に河本さんに腕を掴まれ、ホールまで引っ張られた。
全く状況が読めていないであろう畑野先生は、首をかしげながら私達の後を追って来た。
ていうか私はそれ以上に状況が読めない。
河本さんに連れられホールに着いた私を待ち受けていたのは、なんと暴れている1人のお年寄りと、それを取り囲んでいる2、3人の職員。
暴れているお年寄りは女性で、見覚えのある人だった。
しかし懐かしむ暇も無く、この状況に私は衝撃を受ける。
「やめてぇー!!はなしてぇー!あなた達、私に何をするの!?」
「と、藤堂さん!落ち着いて!
前も来たでしょ!?ね?ほら、お部屋行こうね!」
なんてことだろう。
涙が出てきた。
どうして、こんなことに。
ほぼ骨と皮だけの腕を振り回し、職員の拘束から逃れようと必死になって叫んでいるのは、私の大好きな藤堂さんのおばあちゃんだった。
そう、私に彼を紹介してくれた張本人だ。
彼女が私と千鶴を引き合わせた。
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