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恋の焼け痕②
澪と僕のラララ最終章
しおりを挟む「……な、ちょ、嘘でしょ?」
「いや、オレに言ったことだから嘘かホントかは分かりませんが、あの時は断腸の思いで言ったに違いありません!
だって、あのプライドの高い藤堂先輩が、血涙を流しながらオレにそう言ったんスから!」
血涙を流しながらって……そんなに総大くんが嫌いなのか。
「先輩は……じゃなくて、ダンナはこう言ってました。
『僕の口からはとてもじゃありませんが、言えません。
明日、海外へ発つだなんて事を。
そんなの澪が知ったら……きっと泣いて僕にすがるでしょうから。だから僕は、僕は歌うしかないのです!澪と僕のラララの、最終章を!』って」
「『澪と僕のラララ』に最終章があったとは……!
いや、そんなことは心底どうでもイイ!!
それより……海外!?
今、海外って言ったの!?」
「ええ、そうです!!
海外って何処に行くんスか!?って問いつめましたが、
『そこまで君に話す義理はありません』って……」
「い、いや、そこまで話しておいてそりゃないだろ」
「アネゴ!んなコト言ってる場合ッスか!?
あれが本当の話なら、今頃ダンナは空港からすでに発ってるはずッスよ!?」
「……え、」
「追いかけなきゃ!
何で呑気に家にいるのか知らないッスけど、普通ここは見送りに行くでしょーが!
確か15時の便でこの街から発つって言ってたからヤバイッスよ!?
これは何かの間違いだろう。
千鶴が私の前から消えた上に、
海外へ行くだなんて。
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