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恋の焼け痕
やすむ
しおりを挟む明くる朝、私はあれからほとんど睡眠を取れなかった自分に舌打ちをした。
おかげで頭の中は、モヤモヤと煙をまとったような不快感でいっぱいだ。
溜め息をまた1つ、2つ。
吐き過ぎて、呼吸困難になりそうだわ。
ふしゅ~、と萎んでいく風船を思いながら学校の支度をしていると、目覚めパッチリの凪が自室から出てきた。
「ふはぁ~。ひゃ~よく寝た!おはよ、お姉っ」
私の中のテンションというモノが、ガタガタに落ちていったのが分かった。
「おはよ」
「あれ~、いつにも増して寝起きサイアクじゃない?
ってか、クマ出来てるよ!?あ!お肌荒れてる!イヤ~!」
「あっそ」
「マジだよ、ほら鏡見なよっ。
も~、寝不足は美容の大敵なのよ?基本中の基本でしょー?
イヤ~もぉ~っ」
心底、その『イヤ~もぉ~っ』の意味が分からない。
それほど私に取って、美容は大した意味を持たないというコトだ。
しかし自分の片割れは、その美容とやらに生きているようなモノ。
土屋凪の脳内構造は、美容で埋め尽くされていると言っても過言では無い。
もうアレだ、全身美容整形疑惑のあるゴージャス姉妹の一員にでもしてもらえればイイ。
そんなコトをぼんやり考えながら、私は凪を堂々と無視する。
「ねー、ねー、私ぃ、今日、
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「は。マジで言ってんの?
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この親不孝者め。
しかしその後に加えられた凪の発言によって、私は尚更そう思うのだった。
「それにね、だってね、
バレンタインなんだからさ!」
だって、聞きました?
勉学に励む、全国の学生諸君に問いたい。
そんな理由で学校を休んでもイイ決まりがあるの?
それを知らないのは、時代遅れの私だけでしょうか。
目を点にして、浮かれはしゃいでいる不肖の妹を見つめながらそう思う。
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