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恋はさざ波に似て③
忘れていたら、好きになってあげましょうか
しおりを挟む「私、将来お兄ちゃんのお嫁さんになってあげる」
「冗談はよして下さい。
君が大人になったら、僕の事なんて忘れていますよ」
「どうしてそうやって決めつけるの?」
「決め付けなどではありません。
僕はただ、そういった類の夢物語が嫌いなだけです」
「夢じゃないよ。
私はお兄ちゃんが好きだよ」
「……そうですか」
「ホントだよ」
「……もう帰って下さい。
そんな戯言ばかり言って。
少し、甘い顔をし過ぎましたね」
「……ホントだよ」
「いい加減にして下さい」
「嘘でもいいから、好きって言ってほしいな」
「これ以上、そんな発言は慎んで下さい。君はきっと忘れるに違いありませんよ」
「大人になっても、忘れないよ。
わたしはずっと、ずっと、大好きなままだよ。絶対に忘れない」
「それじゃあ……忘れていたら、好きになってあげましょうか」
「意地悪だね」
でも、そんな意地悪な顔も大好き。
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