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恋の矢印
恋愛で人は変わる
しおりを挟む「‥‥ダンナ、いや‥‥藤堂先輩のこと、本気でお嫌いですか?」
「‥‥‥‥それ、どういう意味。」
「いや、あの。
オレ、初めてなんスよ。
藤堂先輩が、あんなに誰かの為に必死になって喜怒哀楽を激しくさせてるトコ。初めてだ。
正直、驚きを隠せませんでしたわ。」
「‥‥それじゃまるで、今までは違ったって聞こえる。」
「ハイ。
ホントに。マジで。ビックリ。
目玉飛び出すかと思いやした。
震えが止まりやせんでした。
心拍停止も抗えやせんでした。」
「嘘でしょ?」
おかしな台詞を口走ってきた総大くんの顔色が、心なしか紫に変わったように見えた。
「まぁ、心拍停止はギリギリ嘘ッスね。」
じゃあ、目玉飛び出したのと震えが止まらなかったのは本当なんだ。
ちょっと、その場面見たかったかも。
渇き笑いに同情が混ざると、
次第に頭が冷静になってきたのを自覚した。
「‥‥そんくらい、先輩は変わったってことッス。
よくある話だけど、恋愛が人を丸ごと変えるって。まさかあの先輩がそんなベタな展開にハマるとは、地球が温暖化で滅んでも有り得ないと思ってたんスよ。」
「いやいや。温暖化で滅んだとしても、アイツの頭の中は変わらず花吹雪だと思うケド?」
「あ。そっか。
アネゴは、最近の先輩しか知らないんですよねぇ‥‥。」
それを聞いて私は思わずムッとする。幼児宜しく、ほっぺをプクッと膨らませた。
「なによ。
知ってるワケないじゃん。
アイツなんて赤の他人なんだから!赤の!」
「ハハハ。
そっか~、じゃあ、教えてあげますよ。」
「は?何その、上から目線。」
「いや、オレ、アネゴより6つも歳上ッスからね?」
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