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恋の矢印

澪の物は僕の物! もちろんその本人も僕の物!

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「ちょ、あ、アンタねぇ‥‥!また人の家に勝手に上がり込んで!
ってか、アレ私のゲームなんですけど!」


何でだろう。
何故かは分からないけど、
私の態度はぎこちない。絶対に。


「フッ‥‥。まあまあ、そんなに声を荒立てないで下さい。
こんな格言があるじゃないですか。
『澪の物は僕の物!
もちろんその本人も僕の物!』」


―ドバキィッッ!!!!


「ゴブッ!」


「そんな理不尽な格言、聞いたことも無いわぁ!!」


ああ、久しぶりの鉄拳だ‥‥。

私に盛大に横殴りされた千鶴は、総大くんの上に吹っ飛んだ。


―ドサァッ!!


「うっ‥‥な、何か落ちてきた‥‥。」


『ああ、総大くんに悪いことをしたな』などとは露ほども思わない私であった。



「あ、澪‥‥おかえり。」


すると横からひょっこりと、
色白で華奢な少年が会話に混ざってきた。


「葵くんもね、勝手に人の家に上がっちゃいけないって親御さんに言われなかった?」


私はあくまでも怒りを抑えた口調で、優しく葵くんに言った。


「だって‥‥俺、家に誰もいなくて、それで‥‥寂しかったんだ。」


―ズキュゥゥン
(これは良心が揺さぶられた音)


ああ、そんな儚げに訴えられたら何も言えないわ。
何てか弱い小動物なんでしょう!
と、叫ぶのを堪えながら、思わず葵くんを抱き締めてしまった。


「いいのよ!ウチで良かったら居てちょうだい!」


「うん‥‥ありがとう。」


この子の最大の武器は、
自分の魅力を十分に理解しているところだわ‥‥なんて思いながら小悪魔に翻弄される私。


「ゆ、許しませんよ‥‥。
僕の澪の抱擁を横取りするなんて10億年早いですよ!」


「何すんだよ、オッサン!痛いよ!」


すると私と葵くんの体を必死に剥がそうと、千鶴が割り込んできた。

葵くんの顔面に、千鶴の手の平がガッシリと押し付けられている。
 
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