123 / 399
恋の忘れ形見③
今は神様に見える変態
しおりを挟む「‥‥つーか、いい加減にしろ。変態大魔王。
いつまでベッドに足を突っ込んでいるのよ。下りろ!」
「いいえ、澪の布団が僕の体を絡めて離さないので、出ようにも出られガボフッ!」
寝起き1番の鉄拳を、これまた寝起きの千鶴の腹に打ち込んだ。
これで懲りないヤツは人間じゃない。
「原型止めないくらいボッコボコにされたくなかったら、1秒でも早くベッドから出ろ‥‥!」
「は、はい。」
ゴクリと固唾を飲んだ千鶴は、大人しくベッドから出た。
「全く、目覚め最悪!
ってか今何時‥‥。」
時計に目をやった途端、体が凍り付いた。
只今の時刻、午後5時半。
‥‥終わった。
「5時半!?
何で寝過ごしちゃったんだろう!
何で起こしてくれなかったのよー!!」
完全な自分のミスにも関わらず、千鶴の頭やら背中をボコボコ叩く。
そんな百面相を繰り返す私とは正反対に、千鶴はどこ吹く風で冷静だ。
「だって、澪の天使のような寝顔を見たら起こせやしませんよ。」
「天使だろうが悪魔だろうが起こせよ!
レポート提出期限、今日の5時までだったのにぃ!」
私はヒステリックにわめいた。
責任転嫁とはこのこと。
「レポート、ですか?」
半泣きで落ち込む私に向かって、千鶴は上着を羽織りながら穏やかに言った。
「そう!学校のレポート!
‥‥まぁ、USB失くしちゃったから、起きてても間に合わなかったんだけどね。」
余計に頭部がうなだれて、ゲンナリとそう呟いた。
「ああ、もしかしておっしゃっているのは地域情報のレポートでしょうか?
それなら先ほど、僕が提出しておきましたよ。」
私はその言葉を聞くとガバッと顔を上げ、驚きの表情で千鶴を見た。
「澪が寝ていたのでもしかしたらと思い、代わりに学務課へ行きましたよ。」
―ニッコリ
ああ、その笑顔が今は神様に見えるよ‥‥。
0
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
温泉地の謎
asabato
大衆娯楽
可笑しな行動を求めて・・桃子41歳が可笑しなことに興味を持っていると、同じようなことで笑っているお父さんが見せてくれたノートに共感。可笑しなことに遭遇して物語が始まっていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる