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恋の忘れ形見②
コタツの中に潜む変態
しおりを挟む「それで、鍵は作り直したの?」
「え‥‥?いや、その‥‥。」
顔を赤らめてどもる葵くん。
「‥‥上着のポケットに穴開いてて、その穴の中に入ってた。」
「あははっ!マジで~。
結構ドジなんだね。」
「‥‥うるさいよ。」
何だかちょっと抜けてる葵くんをからかう楽しさを覚えてしまった。
そんな感じで、ほくそ笑みながらコタツに足を入れた時だった。
―ガシッ!
「‥‥んなっ、何何何!?」
いきなりコタツの中の何かに足を掴まれた私は、驚きのあまり奇声を上げてしまった。
何事かと思い、コタツの毛布をガバッとめくると、すぐに中を覗いた。
‥‥あ、目が合った。
何か変なモノと目が合ったよ。
「どうしたの?」
葵くんが顔をしかめながらそう聞いてきたけど、こっちが聞きたいくらいだ。
なんと、変態がコタツの中に潜んでいたのだった。
天井じゃなくて、そこだったか。
「澪ったら、僕を見付けるのが遅いですよ。」
「ふ、ふざけんじゃないわよ!
何でアンタそんなところに潜ってるのよっ!
‥‥って、足に頬ずりすなぁー!」
変態千鶴が足に頬ずりしてきたので、全身の毛を逆立てながら暴れた。
テーブルが上下に揺れまくる中、葵くんはちゃっかり紅茶を手に持って避難している。
「もう、そんなに暴れないで下さいよ。澪は本当に照れ屋さんなんですから‥‥。」
フゥ、と溜め息を漏らしながら冷静にそう言った千鶴に私はキレた。
「だあー!!キモイんじゃあ!
さっさとコタツから出ろー!」
「え?だって外は寒いですし。」
そういう問題かよ!
千鶴が私の両方の太股にベッタリと抱き付いてくるもんだから、蹴り上げることも、逃げることも出来ない。
観念した私は千鶴の両の頬を掴み、左右に思い切り引っ張った。
「い・い・加・減・に・し・な・さ・い・よ?」
青筋を浮かべながら、千鶴の頬をグイグイ引っ張る。
それでも表情ひとつ変えないこの美形は、普通じゃないと思う。
千鶴は頬を引っ張られたまま喋った。
「ひたいれすみお。はと、なんれふかぁそのおとこわぁ。」
「あー!?何言ってるか分かんねぇわよ!」
このまま頬の肉を引き千切ってやろうかしら?
そう思うと、ますます手に力が入った。
その時、私の背後に回ってきた葵くんが口を開いた。
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