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恋の忘れ形見
ヤケクソのぶりっ子
しおりを挟む「そこそこぉ~?何よソレ。
ハッキリ言えっつーの。
ま、どーせ上手くいってんだろーけど。
相手があの総大くんだもんね~。」
そう言うと、カスミはウットリとした溜め息を漏らした。
「まぁね~っ。」
うっ‥‥胃が痛くなってきたぞコレ。
だって、凪が『ただ座って聴いてるフリしてればイイ』って言ったもんだから、私はただ黙々と講義を受ければそれでイイと思ったんだもの‥‥。
「何よ~ノロケ?
マジムカつくしぃ~。」
カスミは黒い髪を指に絡ませながら延々と話続けた。
間違っても、こんな堂々とお喋りしながら講義を受けていようとは思わなかった。
つーか勉強しろよ、オマエら!!
今すぐ立ち上がって机を蹴り飛ばし、そう叫びたい気持ちでいっぱいだ。
「ノロケてなぁーいー。
もうカスミったらぁ。そういうカスミこそ最近どーなのよぉー!?」
ヤケになった私は、ブリッコしながらそう言い返す。
もう、どうなろうが知ったこっちゃない!
普段凪が友達とどんな会話してるかなんて、知るか!
もう、ブリッコしてりゃイイんだろ。
ならブリブリしてやるわよ。
密かに腹を立てている私をよそに、カスミは口をだらしなく開けて面倒臭そうに話した。
「アタシ~?う~ん。
軽く危機?みたいなさぁ‥‥。
彼氏が構ってくれないんだよねー。
ま、向こうも大学で色々あるんだろーけど。」
―ドクン
それを聞いた瞬間、心臓が口から飛び出るかと思った。
カスミ‥‥違うわよね?
まさか、あのカスミなワケ無いんだってば。
私は机をひたすら見つめながら、隣に座るカスミが自分の彼氏の名前を言わないように願っていた。
『克哉』
もし、そう口にしたなら私はどうするのだろうか‥‥?
頬をはたく?
机を蹴り上げる?
酷い言葉を並べ立てて、糾弾する?
バクバクと心臓を肋骨に打ち付ける音を直に聞きながら、嫉妬という醜い感情に、にわかに飲まれていった。
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