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恋のライバル
天使の顔をした毒舌悪魔
しおりを挟む‥‥な、何なのこの子。
天使みたいな顔して、言うことマジで悪魔じゃん。
ていうか、背後にドス黒いモノが見えるんですけど‥‥。
もしかして私、とんでもない子を自宅に招き入れちゃった?
上げた者を突然帰すワケにもいかず、ただひたすら言葉の棘に辛抱するばかりだった。
「ご、ゴメンねぇ~。
土屋澪って言うんだぁ。お隣さんだしヨロシクね~。」
怒りを何とか覆い隠そうと試みた結果、凪のような甘い口調になってしまい、私が喋ると逆に不自然になった。
「‥‥ふぅん。まぁ2度とヨロシクすることも無いだろうけど。」
むきぃー!!この毒舌悪魔!
脳内で、葵と言う名の悪魔の頭を1発殴った。
「‥‥アハハ、面白い子ね~。
でも中3だったら、今は受験勉強で大変なんじゃない?」
私は沸騰した怒りを忘れようと、話題を発展させた。
しかし、葵ちゃんの毒舌は止まることを知らなかった‥‥。
「は?年明けに今から必死に受験勉強するとかバカじゃない?
遅いっつーの。」
ぬぁぁー!腹立つ!
どうせ私は、中3の冬休みから受験勉強始めた身ですよ!
「そ、そっかぁ‥‥葵ちゃんは勉強できるんだねぇ。受験も楽勝~みたいな?」
私は最後にアハハと渇いた笑いを付け加える。
「‥‥いや別に?ウチの学校、エスカレーター式だから受験勉強する必要無いし。」
「は、はぁ。そうですか‥‥。」
何だよ、疲れるなぁ~。
私は溜め息をついた。
「‥‥てゆーかオバサンさぁ、葵『ちゃん』ての止めてくれない?」
彼女はまたもや顔をほんのり赤らめ、照れるようにしてそう言った。
ふ‥‥何だかんだ言って、照れちゃって可愛いなぁもう。
って、私単純だなぁ~。
「あはは、ゴメンゴメン。
じゃあ私のことも『オバサン』って言うの止めてよ?」
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