56 / 399
恋のライバル
澪が捨て猫を拾ったらしいんですが‥‥僕は拾ってくれないのでしょうか。
しおりを挟む「まぁ、入りなさいよ。」
女の子の華奢な背中を軽く押して部屋に入室させた。
「‥‥‥‥ます。」
「はい?」
女の子は鼻をすすりながらボソリと何かを呟いた。
「お邪魔しますって言ったんだよバカ!耳悪いのか。」
「‥‥んなっ。」
か、可愛くない‥‥。
まるで人に懐かない猫だ。
ていうか、アンタが照れてボソボソ呟いたんじゃん。
女の子は相変わらず眉間に皺を寄せながら、ぶっきらぼうにソファに座った。
「‥‥じゃ、何かお茶出すから座っててよ。」
口の左端をピクピクと痙攣させながら私は言う。
結局部屋に入れたはいいものの、確実に凪に怒られるだろうな~。
でも別に危険そうな子じゃないし大丈夫よね?
私は今更ながらに胃を痛めながら女の子にお茶を出した。
「ヤダ。」
すると、開口一番に彼女はそう言い放つ。
「え?」
「紅茶じゃなきゃヤダって言ってるんだよブス。」
「‥‥ブ!?ちょっと!さっきから黙ってれば‥‥アナタ、生意気よ?初対面にブスって‥‥。」
さすがに今の言動にはキレた。
私は声を大きくして人形のような顔の彼女に怒鳴りつける。
「ブスにブスって言って何が悪いんだよブース!」
「こんの‥‥クソガ‥‥。」
私はクソガキと言いたい所を紙一重で引っ込めた。
相手は中学生よ?何をいちいち怒る必要が‥‥。
って、私この子の年齢も名前も知らないや。
「‥‥そ、そういえば名前は何て言うの?」
あ~、声が裏返ってるよ。
情けないなぁ私。
その質問に対して少女は、茶色の瞳を右へ左へキョロキョロさせた後、伏し目がちにこう答えた。
0
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる