39 / 399
恋は1対1
私の受難は、まだ始まったばかり。
しおりを挟む件名‥‥‥『藤堂です。』
「ひいいぃー!」
メールを開いた瞬間、部屋中に響く私の叫び声。
いつから自分はホラー映画の主人公になったのだろうか。
ていうか、無事‥‥だったの?
そんな疑問を感じながらも、私は死に損ない千鶴からのメッセージを読み始めた。
『今日、澪の家に上がらせてもらいました。これで2度目ですね‥‥熱い時間を過ごしたのは。』
「熱くねーよ!!」
私は携帯を握り締めた手に力を強く入れ過ぎたので、携帯がミシミシと音を鳴らした。
『まぁ、今頃は僕等の赤い糸のように結ばれたパンツと格闘している頃でしょうか‥‥。
頑張って下さいね!p(^^)q』
「何が赤い糸だ!てゆーか顔文字!ウザいっつーの!」
ゼエゼエと息を切らせながら文面に対して突っ込んだ。
だって、突っ込まずにいられるもんですか。
『そして先ほど‥‥澪、貴女に階段から突き落とされて気付いたことがあります。
僕は全然反省していなかったって‥‥。
ごめんなさい澪。いつまでも童心を忘れることが出来ない、やんちゃな僕を許して下さい。』
「‥‥千鶴‥‥。」
私はその内容に、少しだけまた心を打たれた。
‥‥一応、反省してるんだ。
やっぱ自分が悪いとは思ってんのね‥‥。
ただし、私は殴っただけであって突き落としたワケじゃないけどね。
それと、あれを『やんちゃ』の一言で済ませるその精神に敬服するよ。
私は力なく笑みをこぼした。
白髪‥‥増えたかも。
「ん、まだあるわね?」
私は続けて追伸を読む。
『P.S.
盗んだパンツは全部で12枚です。
澪が僕のポケットから奪還したのは10枚です。
すなわち残りの2枚は僕の物ということですね。
フッ‥‥どうやら今日の僕は運が良いらしい。僕は世界一の幸せ者ですよ。
ではまた明日(^-^)/chu』
「‥‥‥‥。」
―嗚呼、恐るべし
「『chu』じゃねーよ!!
変態ぃぃい!!!」
私は突っ込むべき箇所を見失い、手元にある10枚のパンツを壁に叩き付けた。
―藤堂‥‥千鶴!!
「‥‥ハッ!てゆーか、
『また明日』!?」
私の受難の日々はまだ、始まったばかりのようだ。
0
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる