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恋は1対1

誰がプリティーゴブリンだ!

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「……言うのが遅れたケド
……出て行け。」


「嫌ですよ、澪の馬鹿っ。」


「馬鹿とは何だぁ!馬鹿って言うヤツが馬鹿なのよ!」


……あれ私、千鶴と同じような台詞言ってんじゃん。もう手遅れ?
神様、私何かしましたか?


「ハハッ。僕と同じことを言っていますよ、澪。
まるで夫婦みた……がふっ!」


私は千鶴が恐ろしい台詞を全て口にする前に、コタツの中で腹を足蹴にした。


「うるさーい!アンタのせいで馬鹿が感染したぁ!早く出てってよぉー!」


私はウワーンと泣きながら立ち上がり、変態千鶴の両脇を抱え上げて強制的にコタツから引っ張った。


「み、澪、そんな大胆な……!」


千鶴は私に両脇をガッシリと拘束された状態で、玄関までズルズルと全身を引きずっている。


「うるせぇー!もう2度と来るんじゃねぇよ!この、地球外生物!」



ーーガチャ!


ーードサッ!



「きゃあ!」


「きゃあ!じゃねえよ、気色悪いなぁ。」


玄関のドアを開け、土屋家から千鶴と言う名の変態を追い出すと、千鶴は華麗にコンクリートの床に横たわった。


「酷いです酷いです!恋人を投げるなんて!
澪のプリティーゴブリン!」


「誰がプリティーゴブリンだ。
何でもかんでもプリティーって付ければ可愛いと思ったら大間違いなのよ!」


「澪のバカァー!
澪の人でなしぃー!
澪のお母様のデベソー!
澪なんて……
澪なんて澪なんて……!」



お、ついに嫌いになってくれたか?


私は胸を高鳴らせながら、柄にもなく泣きわめく千鶴を冷ややかに見下した。


さぁ、早く『嫌いだ!』と言うのよ……。
  

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