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恋は1対1

ニャン?

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「愛って……おい。」


「照れないで下さい、仔猫ちゃん。」


手を口に添えながら、千鶴はクスリと怪しく笑った。


「だから照れてないから!
ってか仔猫ちゃんて何だよ!
……いちいちキザなヤツ。」


「仔猫ちゃん。」


千鶴は突っ込まれたのが嬉しかったのか、ルンルンと言わんばかりに両肩を上に少し吊り上げ、首を横に傾げながら得意げな顔でまた同じ発言をした。


「何故2回言う?」


私は呆れながら煙草を吹かす。


「ニャン?」


「は?」


「今、ニャンニャンって言いましたよね?」


え……私、言った?
ニャンニャンって言った?
確か、『何故2回言う?』って言ったはずなんだけど……。

私は思い切り苦笑いを浮かべ顔を引きつらせながら、楽しそうにしている千鶴に向かって言った。


「言ってねぇわよ。」


「そうですか?僕にはそう聞こえましたが……変ですねぇ。
ちょっと疲れてるんですかね。」


エヘッという擬音が聞こえてきそうな勢いで、千鶴はブリッコしながらわざとらしくそう答えた。


何コイツ、何コイツ、何コイツ。

私は絶対、ニャンなんて言わないっつーの!馬鹿!


「耳鼻科か精神科行ったら?
病院、近くにあるから行ってきなよ。そして帰ってくんな。」


しかし私は負けずに、至って冷静にそう言い返した。
コイツの妄想ワールドに振り回されてなるもんか。


「病院!?」


それに対して千鶴は、突然目を真ん丸にさせて大きな声を出してきた。
 

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