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恋は狂気

ついに通報するが…?

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「もー警察に通報するからね!
覚悟しなさい変態!」


大声で脅迫する私に対して、
千鶴はひるむどころか不敵に笑った。


「おやおや。何故そんな必要が?
それに、そんなことをしたって無駄ですよ。
僕を誰だと思っているんです。」


「変態。」


私はキッパリと言い放った。
完璧な馬鹿だコイツ。


しかし千鶴は私の返答を堂々と無視し、ペラペラと喋り続けた。


「フッ。自慢じゃありませんが、僕は藤堂グループを総括するトップです。こんな小さな田舎町では、誰も僕に対して頭が上がらないはずですよ。
公僕を手なずけることすら簡単です。欠伸すら出ちゃいますね……!」


えっへんと言わんばかりに強気な千鶴の発言を聞いて、私は一気に落胆した。


「藤堂グループ……って、
もしかしてあの藤堂グループ!?」


私が驚いたのには理由がある。

何故なら、ここらの地域でその名を聞かない者はいないからだ。
むしろ財閥関係に詳しい人間から言わしたら、知名度は全国規模だろう。
私ですらその存在を知っているくらいだもの。

待てよ、ってことは藤堂さんのおばあちゃんは、超お金持ちだったの!?いや、今そんなことはどーでもいい。


「……か、金持ちなのはよく分かったわ。だけど、警察すら手なずけるだなんて。そんなの嘘よ、バッカじゃない!?」


「馬鹿とは何ですか。
そんなに僕を信用できないのなら実際に警察に連絡してみなさい」


クソ……!
誰がアンタなんか信用するか!

私は意気込むと警察に連絡した。


ーーRRR…


「はぁーい。どうしましたぁ?」


いかにもやる気のない地元の警官が電話に出た。


「あ、もしもし!?助けて下さい!変態が家に不法侵入してきて、今にも殺されそうなんです!」


私は少し大げさにして電話越しに叫んだ。


「な、何ッ。今すぐそちらへ向かうので、落ち着いて住所を教えて下さい!
男は武器を所持していますか!?」


やる気の無さそうな警官だったが、今の通報の内容にはさすがに驚いたようだ。

私はしめた!
と思うと続けて話した。


「していませんけど、名前は藤堂千鶴と言います!
ついでに下着泥棒でストーカーです!」


「な、なにぃー!
あの、藤堂、藤堂千鶴さんが!?」



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