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恋は狂気
ストーカーを信じて疑わない妹
しおりを挟むズドォーンという大きな破壊音がリビング中に鳴り響くと同時に、千鶴はコタツと共に床に叩き付けられた。
「きゃあー!!ちょっとお姉ちゃん、何してんのよぉ!
そのコタツ、買ったばっかなのにぃ~!
って……千鶴さん、血が!大丈夫ですか!?」
凪は怒り狂う私に驚嘆し、コタツの下敷きになっている千鶴に手を差し伸べた。
「ぐっ……いいんです……凪さん。
これしきのバイオレンスは、僕にとって甘噛み程度のものですから」
コタツのテーブルの角を額に直撃した千鶴は、頭をさすりながらゆっくりと立ち上がった。
額から血を流しながらも涼しい顔をする人間を見て、
私はただひたすら恐怖を覚える。
「甘噛み!?これが!?
な、凪、コイツ変態なのよ!
私の服を大量に盗んでた真犯人だったの!」
私は凪の腕を引っ張り、千鶴に近付けさせないようにした。
「何ですか澪。
ああ、もしかして甘噛みして欲しいんですか?
フフッ。いいでしょう……。
あ~んな所やこ~んな所まで噛んであげますよ……!」
怪しく笑う千鶴は、獲物を狙う動物の目をしていた。
「ふ……ふざけんな、出て行け!
今すぐ私の家から出て行け!
そして2度と敷地内に足を入れるなぁー!!」
「お、お姉どうしちゃったのよぉ……ちょっと変よ!」
し、信じてない!?
どうやら凪は、狂ったように怒鳴る私の方がおかしいと思っているみたいだ。
私はそんな妹の馬鹿さ加減に衝撃を受けた。
だって、どう見たって普通じゃないのは私じゃなくてコイツでしょ!
額から血を流しておいて動揺もせず、その上恍惚とした表情で怪しい台詞を吐く男だぞ?
「今時いないよ?こんな美形で情熱的なヒト」
鬼気迫る私をよそに、凪は千鶴を褒め称えた。
そして、私達を微笑ましいカップルだと言わんばかりに、感心した表情を浮かべる。
そういえばコイツ……男は顔しか見ていないんだった。
畜生。どいつもこいつもアホばっかりだ……!
落胆した私は、この状況から脱するために携帯を手にした。
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