Shadow★Man~変態イケメン御曹司に溺愛(ストーカー)されました～

恋の影

明日はいよいよ初デート！

――２時間経過


私達の周りの物は無惨に破壊されゴミの山と変わり果てた。


食器は半分くらい割れてるし、テーブルは引っくり返ってガラスにヒビが入ってるし……最悪。



「……ハァハァ、お、お姉ちゃんが払いなよ？テーブル代」


「ざけんな。テーブルを人の顔面に投げつけたのアンタでしょ」


私達はお互いの襟を掴み合いながらゼエゼエと肩で息をした。

着ている服も髪も、何もかもグチャグチャだ。


「すげぇアオタン。
明日デートなのにざまーみろぉ！」


凪はソファにグッタリと座り込んだ。まるで試合後のボクサーのようだ。


「……アンタのデート前日には首にキスマーク付けてやるからね。」


「ちょっとぉ、マジそれイジメだよ！反則だからっ。前にやった時のこと、覚えてる？
彼と大喧嘩したんだからぁ！」


凪は私を睨み付けながら怒鳴った。
私はその慌てようを見て、馬鹿じゃないのと思った。


「キスマーク１つごときで大喧嘩？アンタらも大したことないねぇ」


「……うるさいな。１年と２ヶ月も彼氏いないお姉に言われたくないよ」


凪も私も、喧嘩に疲れて会話が途切れ途切れになっていた。


「いちいちうるさぁい……。明日からはそのカウントも打ち止めよ……」


私はあぐらをかきながら煙草に火を点けた。


凪は力なくクスクスと笑っている。
私もそれに釣られてプッと軽く吹き出した。


「アハハッ。明日頑張ってよね～！
アオタン化粧で隠すの手伝ってあげる」


凪がソファにベロンと横になり、足を投げ出しながら言った。


「何？その代わりキスマークは 止やめてって？」


「うん！止めて？」


私は煙草の煙を凪の足に吹きかけて嘲笑あざわらった。


「いーよ、仕方ない」


私がそう言うと、凪はフフフと無邪気に笑った。
男はこの可愛い笑顔に弱いのかもしれない。


そんなことを思っていると、千鶴さんの素敵な笑顔が頭をよぎった。



明日が楽しみで眠れないや。