Shadow★Man~変態イケメン御曹司に溺愛(ストーカー)されました～

恋に堕ちる

藤堂さんのお孫さん登場！？

「……そうね、今はこの通り元気でピンピンしているけども、段々と足も悪くなってきたし……ボケてきたわ。
こないだなんかね、主人の名前もなかなか思い出せなかったのよぉ？
歳は……とりたくないもんねぇ～……」


藤堂さんはそう言うと、下を向いて口を震わせた。
澄んだ瞳がとても綺麗だと思った。


――何て、切ない。


「藤堂さん……。私が側にいます。介護士さんだって、ご家族の方だって、み～んな側にいますよ！
だから、私に出来ることがあれば何でも言って下さい！」


私は藤堂さんの皺だらけの手を再び握り返し、自分に出来るだけの励ましをした。

本当にこういう時、自分が無力に感じる。もっと気の利くことが言えたら……と、私は情けなく思った。


「じゃあ、お見合い、オーケイなのね!?良かったわぁ。これでババも一安心！」


突然、藤堂さんの顔から物悲しい雰囲気が消え失せ、いつもの明るい表情に戻った。


……良かった。

私は胸を撫で下ろした。


しかし、重大な問題が残されたのだった。


「……お見合い、ですか。でも、いつ？」


「ああ、午後から来ると言ってたから、もうそろそろ見えるわよ！」


へ？
もうそろそろ？嘘でしょー！
ていうか実習中なのに、お見合いとか怒られないかな？
それより何より心の準備が……！


私の頭の中で色んな心配事が駆け巡った。




―コンコン


あれこれ悩んでいるうちに、ドアの向こうからノックが聞こえた。


「お祖母ばあ様？」


低くて色っぽい男性の声だ。

……ちょっと待って。まさか……この人が……


藤堂さんのお孫さん!?