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21.おたくほうもん
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「サージュさんに言ったら、薬師塔と技術士塔は防衛力の問題でダメって言われました…あと教会は聖女様がいるので多分あの方が行くだろうと。まぁ、落ち着いて考えたらそうですよね…」
あさイチからお迎えに来てくれたサフィール様がしょんぼりと呟く。
「お前としては魔術師塔をおすすめしたいんだろ?転居自体を止められた訳じゃないんだ、いいんじゃないか?」
あまりの落ち込み具合にクラージュ様が呆れたように言葉を返す。
今日は騎士塔を見学するという事でお二人が付き合ってくれるらしい。
そうなると今日はクラージュ様だけでも充分なはずだが、先生だからね!の一言でサフィール様もご一緒することになった。
「もちろん。魔術師塔が1番だと思ってるよ?僕が見れるし、魔術の才能的な面で見てもね。でも選択肢はあった方がいいでしょ。」
「まぁ、それはもっともだな。…ミヤシロ様、魔術師塔はいかがでしたか?」
砕けた口調で話すふたりは、結構仲が良いのだろうかなどと考えていたら急に話を振られる。
「あっと、そうですね。図書館みたいな不思議な空間で…何となく落ち着く感じはしました。ぁーでも、皆さん忙しそうでしたが。」
「私はあの本を見ていると何となく圧迫感があるんですけどね…騎士塔は魔術師塔に比べると随分とスッキリとして見えると思いますよ。後はまぁ、確かに魔術師団は皆いつも書類を持って駆け回っているイメージがあるな。」
「他の部隊と連携取るにも、検証結果の報告にも書類は出てくるからね。魔術師自体の人数はそう多くないし、もっと文官増やせないものかなぁとは思っているんだけどなかなかね。」
人事も大変そうだ。
と、2人の足が止まる。
「さて、こちらが騎士塔です。表門側にある騎士塔は紅炎騎士団と翠露騎士団、裏門側の騎士塔は水明騎士団と紫電騎士団が使用しています。」
以前挨拶をされた際に紅炎騎士団の団長、と言っていたので他の騎士団もあるのかなとは思っていたが…意外とあるな。
「もし騎士塔をお選び頂けるのなら、私のいる表門側の塔でお過ごし頂くことになりますね。」
塔に入ると、大きな吹き抜けと天窓、シャンデリア、一枚板のテーブルが見える。これはどうやら魔術師塔と変わりがないようだ。
テーブルの奥側には大きな黒板の様なものが置かれ、いくつかのマス目と小さなタグが沢山並んでいる。なんだろうと首を傾げているとクラージュ様が説明を入れてくれる。
「これは担当板ですね。王都や王宮内巡回の時間やグループ分けであったり、非番の確認をしたり、定期のミーティングをここでやるんです。」
「魔術師と違って騎士団はチームで動くことが多いからね。ミーティングもよくあるし時間の決まりが多いイメージかも知れませんね。あぁ、確か食堂も基本的には時間が決まっていましたよね?」
「そうだな、基本的には時間が決まっている。巡回のタイミングなどもあるので入れ替えも考慮して設定されているな。外食ももちろん構わないが食堂を利用するなら指定時間に取ることが基本となる。」
あくまで基本であって、何かしらのトラブルがあった場合は臨機応変に対応されるらしい。
「時間外は食材を持ち込んで料理をする事ができるから、夜食を作っている団員もたまに見かけますね。片付けまでがルールですが。野営で調理もするので意外と料理が趣味という者も多いみたいです。」
なるほど、と頷く。
訓練場や、簡易的医療室、寮の部屋と案内をしてもらう。
部屋はどうやら基本的には2人部屋のようだ。集団行動を覚えるためなのだろうか。
ちなみに基本的に殺風景と言ってもいいほどものが置かれていない。
廊下は道が広めにとってありすれ違うのにも余裕がある。
確かに騎士の皆さん、ガタイが良いもんな…
緊急で動く時に急いでて棚を倒すとか命取りだろう。
ちなみに上の階から降りてくるポールもあるらしい。
消防士の訓練動画位でしかその移動方法を見た事がなかったので軽く衝撃を受ける。
何となく、騎士団は男所帯だし雑然とした場所なイメージがあったのだが思った以上に綺麗な環境を保てるなんて騎士ってすごいんだなとしみじみ感じてしまった。
あさイチからお迎えに来てくれたサフィール様がしょんぼりと呟く。
「お前としては魔術師塔をおすすめしたいんだろ?転居自体を止められた訳じゃないんだ、いいんじゃないか?」
あまりの落ち込み具合にクラージュ様が呆れたように言葉を返す。
今日は騎士塔を見学するという事でお二人が付き合ってくれるらしい。
そうなると今日はクラージュ様だけでも充分なはずだが、先生だからね!の一言でサフィール様もご一緒することになった。
「もちろん。魔術師塔が1番だと思ってるよ?僕が見れるし、魔術の才能的な面で見てもね。でも選択肢はあった方がいいでしょ。」
「まぁ、それはもっともだな。…ミヤシロ様、魔術師塔はいかがでしたか?」
砕けた口調で話すふたりは、結構仲が良いのだろうかなどと考えていたら急に話を振られる。
「あっと、そうですね。図書館みたいな不思議な空間で…何となく落ち着く感じはしました。ぁーでも、皆さん忙しそうでしたが。」
「私はあの本を見ていると何となく圧迫感があるんですけどね…騎士塔は魔術師塔に比べると随分とスッキリとして見えると思いますよ。後はまぁ、確かに魔術師団は皆いつも書類を持って駆け回っているイメージがあるな。」
「他の部隊と連携取るにも、検証結果の報告にも書類は出てくるからね。魔術師自体の人数はそう多くないし、もっと文官増やせないものかなぁとは思っているんだけどなかなかね。」
人事も大変そうだ。
と、2人の足が止まる。
「さて、こちらが騎士塔です。表門側にある騎士塔は紅炎騎士団と翠露騎士団、裏門側の騎士塔は水明騎士団と紫電騎士団が使用しています。」
以前挨拶をされた際に紅炎騎士団の団長、と言っていたので他の騎士団もあるのかなとは思っていたが…意外とあるな。
「もし騎士塔をお選び頂けるのなら、私のいる表門側の塔でお過ごし頂くことになりますね。」
塔に入ると、大きな吹き抜けと天窓、シャンデリア、一枚板のテーブルが見える。これはどうやら魔術師塔と変わりがないようだ。
テーブルの奥側には大きな黒板の様なものが置かれ、いくつかのマス目と小さなタグが沢山並んでいる。なんだろうと首を傾げているとクラージュ様が説明を入れてくれる。
「これは担当板ですね。王都や王宮内巡回の時間やグループ分けであったり、非番の確認をしたり、定期のミーティングをここでやるんです。」
「魔術師と違って騎士団はチームで動くことが多いからね。ミーティングもよくあるし時間の決まりが多いイメージかも知れませんね。あぁ、確か食堂も基本的には時間が決まっていましたよね?」
「そうだな、基本的には時間が決まっている。巡回のタイミングなどもあるので入れ替えも考慮して設定されているな。外食ももちろん構わないが食堂を利用するなら指定時間に取ることが基本となる。」
あくまで基本であって、何かしらのトラブルがあった場合は臨機応変に対応されるらしい。
「時間外は食材を持ち込んで料理をする事ができるから、夜食を作っている団員もたまに見かけますね。片付けまでがルールですが。野営で調理もするので意外と料理が趣味という者も多いみたいです。」
なるほど、と頷く。
訓練場や、簡易的医療室、寮の部屋と案内をしてもらう。
部屋はどうやら基本的には2人部屋のようだ。集団行動を覚えるためなのだろうか。
ちなみに基本的に殺風景と言ってもいいほどものが置かれていない。
廊下は道が広めにとってありすれ違うのにも余裕がある。
確かに騎士の皆さん、ガタイが良いもんな…
緊急で動く時に急いでて棚を倒すとか命取りだろう。
ちなみに上の階から降りてくるポールもあるらしい。
消防士の訓練動画位でしかその移動方法を見た事がなかったので軽く衝撃を受ける。
何となく、騎士団は男所帯だし雑然とした場所なイメージがあったのだが思った以上に綺麗な環境を保てるなんて騎士ってすごいんだなとしみじみ感じてしまった。
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柚希さんの落ち着いた大人の人柄がものすごく好みです。
諦めも必要ですけど…
ここの話で国王が謝って下でに出てる内にお莫迦第二糞王子対しての甘々パパにもの申して貰いたかった!!
言える雰囲気の時に言わないと…召喚は誘拐犯罪ですから⚡
これから先がとっても気になる⤴
どら様
返信機能に気づいておらず、ご返信が遅くなり失礼致しました。
感想を頂きありがとうございます!
煮え切らない柚希ちゃんにしてしまいましたが、
そのうち残念王子と陛下にはしっかり反省してもらおうと思います。笑
しばらくはぐだぐだが続くかもしれませんが引きご覧いただけると嬉しいです。