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第143話 素直になれない
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さて、恐怖の時間がやってきた。
「もうすぐ、海に出ますからね」
色々と大変なことになっているが、レオンがとても楽しそうにしている。行きと違って、抱き着いていると安心感とは違うドキドキが出て、居心地が悪い。後、普通に腹も立つ。
「う、海に出たら、別に怖くなくなりますから! 今だけですからね」
「そうですね。今のうちに栄養を取っておきます」
ザクロに抱き着いていればいいのではとも思ったが、ザクロからはいざという時に動けない姿勢は困りますと真顔で返された。
右腕が痛むことは知っている。だから、あまり体重をかけないように気を使っているが、前回同様に上昇後に戻ってきたレオンに抱き着いている。そして、レオンはこんな時に右腕を怪我するなんて、両手で抱きしめたかったと文句を言っていた。
「リラ様、もう海に出ました」
内部屋なので外の状況が分からない。だがザクロの報告で怖さがすっと薄らいだ。
自分の能力内でなんとかなる場所に入ったのだ。
「も、もう……レオン様に縋る必要はなくなりました。人を馬鹿にしていると、いつか痛い目を見ますからね」
「痛い目は最近見たので、もう十分ですよ」
「あ……」
腕を吊っているのを見て、言葉を失う。
治癒魔法が使えるものがいたからよかったが、最悪切断になってもおかしくない怪我だ。痛みは強くないと言っていても、馬車での移動で揺れるたびに顔を顰めるのを堪えていたのを知っている。
いくらにやにや顔に腹が立ったとしても、恐怖で捕まっていたのは私の方だ。
こんな、愛想がないから歴代の婚約者は別の女性に目移りしたのだ。私が男なら、もっと可愛げのある女の子がいい。
「リラ殿が近くにいると痛みがマシになる気がするんですよ。現に、リラが抱き着いていた間は痛みなんて忘れていました」
けが人の頼みだからと少しとった距離を戻して隣に座る。
「私には治癒魔法は使えませんよ」
「でも、リラ殿が俺の患部を保護してくれていたおかげで、悪化が免れたと言われました。どんな方法を使ったのかと随分と不思議がられていましたよ」
あの時はかなり混乱していたのではっきりと何をどうしたとは覚えていない。
水滴で居場所の捜索をして、レオンらしき人を見つけた。そして、明らかに熱を持った場所があったから、冷やすために保護したのだ。
以前、モデルの女性が捻挫をしたときの応急処置と一緒だ。患部にまとわりついて、本当にわずかに流動させる。汚いので砂利はぺっと外に弾き出していた。出血は、よくわからないが、止まれと念じた気がする。
「水球の一つを消したから、あれがレオンだと確信ができたんです。そうでなければ、迷いが出て入口近くの生存者から探していたと思います」
まだ息があった人を私は見捨てた。助かった一人を除いて、私が全力を尽くしても助けられたかは微妙だった。それだけの状況だった。ただ、崩落のすぐ後では、まだ息があったのは確かだ。
「喧嘩をする時は、お互いに魔法は使わないという約束をしたのを思い出しました。初めて、あなたと喧嘩がしたいと思いましたよ。喧嘩するくらい、長く一緒にいたかったと」
左手で頬を撫でられた。
「口づけても?」
親指が唇を撫でる。
「……」
いつものように、ダメだと突っぱねる言葉がすぐには出てこなかった。
好きになってしまった相手と触れ合いたいのは生物の本能だ。けれど理性が許可する言葉を止める。
「………」
そっと腰を上げて、レオンが私の額に口づけをした。
「覚悟ができるまで、待ちます」
キスされた場所を手で押さえる。絶対に顔が赤くなっていると自覚しながら、怒りの言葉すら返せない。
機関室の確認に行くと出て行ったのを見送り、にやにやしているザクロを睨む。
「いいではないですか。素直になって、レオン様に身を預けてみては? あれだけ優しい殿方はあまりいませんよ?」
「あれは、意地が悪いともいうのよ」
「私からも、王妃様には婚姻だけは先に済ませてしまう事はお伝えします。未だに、レオン様が幸運待ちだと思い、婚約破棄を想定して素直になれないので、次に進むためには名実ともに契約書にサインが必要だと」
「……」
レオンとの婚約後は幸運どころか問題続きだ。まだ、レオンの妹夫婦が無事に王座に付けるとも決まっていない。もし、そうなってもそれがソレイユ家のためになるかもわからない。
「私の力は、聖女様発見で尽きてしまったのよ」
これ以上ない幸運に費やされたのだとしたら理解もできる。
「以前も飛行船で言いましたが、レオン様はリラ様といるといつも幸せそうです。私には、運命の人がどんなものか理解はできませんが、レオン様にとってはリラ様がそうで、その方に出会えたという幸運があった。そう考えればよろしいのでは?」
ザクロが、そんな無理やりな事を言う。
「私みたいなのが運命の相手なんて、そんな可哀そうな事は言わないで欲しいわ」
「リラ様の、そういう拗らせているところを可愛らしいと思いますが、そろそろ素直になられたほうがいいですよ。酔っぱらった時は、あんなに素直でしたのに」
「あの時……何があったの」
酔っぱらったのは覚えている。無論、酒を飲むときはとても注意をしていた。
準男爵の爵位を得てエールを飲んで、うっかり公爵令息にエールをぶちまけた時だって記憶がある。女性が酔っぱらうのは危険な行為だと自覚があるから量の管理はしているのだ。
なのに、なんで酔っぱらってしまったのか……。ザクロがいたからまだよかったが、そうでなければ無礼なことをしていたかもしれない。
レオンがそんな状況で襲うとは思わないが、私が迫る可能性だってある。
「ひたすら、レオン様に頭を撫でさせていました」
「………」
「後、レオン様の事を褒めて、可愛い人と結婚して欲しいけど、寂しいから嫌だと言っていた気も……」
「う、嘘でしょう」
「さあ、どうでしょう」
「よく、王妃様に解雇されないわね」
メイドがこんな調子で話すことは本来許されない。家によったら追い出すかもしれない。
「……王妃様にこのような態度を取ったことはございません。王妃様は、陛下の前では素直な方ですから。必要はないのです。それに、助言が必要だと思った時はお伝えしているだけでございますよ」
「くっ、確かに、あなたは優秀だと思います。少しばかり意地が悪いけれど」
「ありがとうございます。レオン様と同様の評価を頂けるほど信用頂けたとは。お仕えしたかいがありました」
口が減らないメイドがにこやかに意地の悪い返しをした。
「もうすぐ、海に出ますからね」
色々と大変なことになっているが、レオンがとても楽しそうにしている。行きと違って、抱き着いていると安心感とは違うドキドキが出て、居心地が悪い。後、普通に腹も立つ。
「う、海に出たら、別に怖くなくなりますから! 今だけですからね」
「そうですね。今のうちに栄養を取っておきます」
ザクロに抱き着いていればいいのではとも思ったが、ザクロからはいざという時に動けない姿勢は困りますと真顔で返された。
右腕が痛むことは知っている。だから、あまり体重をかけないように気を使っているが、前回同様に上昇後に戻ってきたレオンに抱き着いている。そして、レオンはこんな時に右腕を怪我するなんて、両手で抱きしめたかったと文句を言っていた。
「リラ様、もう海に出ました」
内部屋なので外の状況が分からない。だがザクロの報告で怖さがすっと薄らいだ。
自分の能力内でなんとかなる場所に入ったのだ。
「も、もう……レオン様に縋る必要はなくなりました。人を馬鹿にしていると、いつか痛い目を見ますからね」
「痛い目は最近見たので、もう十分ですよ」
「あ……」
腕を吊っているのを見て、言葉を失う。
治癒魔法が使えるものがいたからよかったが、最悪切断になってもおかしくない怪我だ。痛みは強くないと言っていても、馬車での移動で揺れるたびに顔を顰めるのを堪えていたのを知っている。
いくらにやにや顔に腹が立ったとしても、恐怖で捕まっていたのは私の方だ。
こんな、愛想がないから歴代の婚約者は別の女性に目移りしたのだ。私が男なら、もっと可愛げのある女の子がいい。
「リラ殿が近くにいると痛みがマシになる気がするんですよ。現に、リラが抱き着いていた間は痛みなんて忘れていました」
けが人の頼みだからと少しとった距離を戻して隣に座る。
「私には治癒魔法は使えませんよ」
「でも、リラ殿が俺の患部を保護してくれていたおかげで、悪化が免れたと言われました。どんな方法を使ったのかと随分と不思議がられていましたよ」
あの時はかなり混乱していたのではっきりと何をどうしたとは覚えていない。
水滴で居場所の捜索をして、レオンらしき人を見つけた。そして、明らかに熱を持った場所があったから、冷やすために保護したのだ。
以前、モデルの女性が捻挫をしたときの応急処置と一緒だ。患部にまとわりついて、本当にわずかに流動させる。汚いので砂利はぺっと外に弾き出していた。出血は、よくわからないが、止まれと念じた気がする。
「水球の一つを消したから、あれがレオンだと確信ができたんです。そうでなければ、迷いが出て入口近くの生存者から探していたと思います」
まだ息があった人を私は見捨てた。助かった一人を除いて、私が全力を尽くしても助けられたかは微妙だった。それだけの状況だった。ただ、崩落のすぐ後では、まだ息があったのは確かだ。
「喧嘩をする時は、お互いに魔法は使わないという約束をしたのを思い出しました。初めて、あなたと喧嘩がしたいと思いましたよ。喧嘩するくらい、長く一緒にいたかったと」
左手で頬を撫でられた。
「口づけても?」
親指が唇を撫でる。
「……」
いつものように、ダメだと突っぱねる言葉がすぐには出てこなかった。
好きになってしまった相手と触れ合いたいのは生物の本能だ。けれど理性が許可する言葉を止める。
「………」
そっと腰を上げて、レオンが私の額に口づけをした。
「覚悟ができるまで、待ちます」
キスされた場所を手で押さえる。絶対に顔が赤くなっていると自覚しながら、怒りの言葉すら返せない。
機関室の確認に行くと出て行ったのを見送り、にやにやしているザクロを睨む。
「いいではないですか。素直になって、レオン様に身を預けてみては? あれだけ優しい殿方はあまりいませんよ?」
「あれは、意地が悪いともいうのよ」
「私からも、王妃様には婚姻だけは先に済ませてしまう事はお伝えします。未だに、レオン様が幸運待ちだと思い、婚約破棄を想定して素直になれないので、次に進むためには名実ともに契約書にサインが必要だと」
「……」
レオンとの婚約後は幸運どころか問題続きだ。まだ、レオンの妹夫婦が無事に王座に付けるとも決まっていない。もし、そうなってもそれがソレイユ家のためになるかもわからない。
「私の力は、聖女様発見で尽きてしまったのよ」
これ以上ない幸運に費やされたのだとしたら理解もできる。
「以前も飛行船で言いましたが、レオン様はリラ様といるといつも幸せそうです。私には、運命の人がどんなものか理解はできませんが、レオン様にとってはリラ様がそうで、その方に出会えたという幸運があった。そう考えればよろしいのでは?」
ザクロが、そんな無理やりな事を言う。
「私みたいなのが運命の相手なんて、そんな可哀そうな事は言わないで欲しいわ」
「リラ様の、そういう拗らせているところを可愛らしいと思いますが、そろそろ素直になられたほうがいいですよ。酔っぱらった時は、あんなに素直でしたのに」
「あの時……何があったの」
酔っぱらったのは覚えている。無論、酒を飲むときはとても注意をしていた。
準男爵の爵位を得てエールを飲んで、うっかり公爵令息にエールをぶちまけた時だって記憶がある。女性が酔っぱらうのは危険な行為だと自覚があるから量の管理はしているのだ。
なのに、なんで酔っぱらってしまったのか……。ザクロがいたからまだよかったが、そうでなければ無礼なことをしていたかもしれない。
レオンがそんな状況で襲うとは思わないが、私が迫る可能性だってある。
「ひたすら、レオン様に頭を撫でさせていました」
「………」
「後、レオン様の事を褒めて、可愛い人と結婚して欲しいけど、寂しいから嫌だと言っていた気も……」
「う、嘘でしょう」
「さあ、どうでしょう」
「よく、王妃様に解雇されないわね」
メイドがこんな調子で話すことは本来許されない。家によったら追い出すかもしれない。
「……王妃様にこのような態度を取ったことはございません。王妃様は、陛下の前では素直な方ですから。必要はないのです。それに、助言が必要だと思った時はお伝えしているだけでございますよ」
「くっ、確かに、あなたは優秀だと思います。少しばかり意地が悪いけれど」
「ありがとうございます。レオン様と同様の評価を頂けるほど信用頂けたとは。お仕えしたかいがありました」
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