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season1
46話:御札の効果
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――うん、1枚使ってもまだ2枚残るしな。後はパン男ロボ買って帰るだけだし大丈夫。
「おい、御札。道が暗くて店がわかんねぇから明るくしてくれよ」
そう御札を手にして語りかけた瞬間。それは光って俺の手から消えた。
「うぉっ、びっくりしたぁ……」
俺が思わず声を発したと同時に、真っ暗だったはずの目の前が急にキラキラと光り輝いて明るくなった。
激しい眩しさに目を細めながらも何が起きたのか確認すると、道を覆うかのように生えていた木々にLEDライトのイルミネーションがびっしりと飾りつけられている。いったいどこから電力が供給されてるんだ。
「すげぇ……いや、そこまでする必要なかったんだけどな」
建物の中や通りの向こうからこの異様な光景に気づいた人達がやってきて、驚きの表情で電飾で光る木々に見入って、皆何が起きたのか話し合っている。
俺も何事か尋ねられたが、まったくわけがわからないという顔をしてやり過ごした。
そうこうする内に集まってきた人達はこの光景を楽しみ始めて、若いカップルがイルミネーションの下に並んで仲良く写真を撮影し始めた。
――おいおい。さっきまで薬でも売ってそうな場所だったのに、急にデートスポットになっちまった……イルミネーションやべぇなぁ。
でもそのおかげで道を聞くことができたので良しとしよう。どうやら俺は道を間違えていたらしい。
「この通りは夜になると、ごろつきがうろうろして治安が悪かったんだがな。何が起きたのかわからんが、こんだけ明るくなったら安心だなぁ、ハハハ」
俺に道を教えてくれた地元のオッサンは、そう言ってうれしそうに笑っていた。
その後、正しい道を辿ってやっと店にたどり着き、俺は無事パン男ロボを手に入れた。
なんでもこれが最後の1個らしい。へへ、ついてるなぁ。俺はロボの入った紙袋を受け取り、店を出た。
安心したら急にのどが渇いてきた。でもこの辺りに飲食店は見当たらず、当然自販機なんてものも無い。あぁいうもんが大量にどこにでもあるのは日本くらいなんだよな。
「よし、御札にお願いしてみるか」
――さっきの感じだと、今度はもしかしたらドリンクバーが出ちゃったりするかもな。
俺はポケットから御札を取り出し、キンキンに冷えたコーラを思い描きながら願い事を言った。
「おーい、御札! のど乾いたから飲み放題のやつ頼むわ!」
俺の声に反応して御札が光り輝いて消えた瞬間、地響きがして目の前に小さな岩山が出現した。
そして岩の隙間からチョロチョロと湧き水がでてきたかと思うと、それはすぐにドバドバと水が流れる立派な泉になった。
「いや、たしかに飲み放題だけどさぁ……」
俺は少しがっかりしたが、仕方ないので湧き水をたっぷり飲んだ。やや硬水だがよく冷えてるし味も悪くない。
水を飲んでいると、さっきみたいにまた周囲にわらわらと人が集まってきた。
皆、俺の真似をして水を飲みながら不思議そうに語り合っている。
「あれ、こんなところに湧き水なんてあったか?」
「無かった気がするが……でも、助かるなぁ」
その後も皆、思い思いに水を飲んだり写真を撮ったりしていたが、そのうち周囲から「これは奇跡だ! 奇跡の泉だ!」と叫ぶ声が出始めたので、面倒なことになる前に立ち去ることにした。
「この街、今日だけで観光スポット2つできちゃったな……まぁ喜ばれたしいいか」
――さて、この後はどうするかな。すぐ帰ろうかと思ったけどよく考えたらまだ来たばっかりだし、あちこち観光して帰ってもいいよな。そうだ、ジェルへの土産は何にするかなぁ。
そう思いながら当ても無く路地を歩いていると、急に爆発音がして右手にぶら下げていた紙袋がはじけ飛んだ。
「おい、御札。道が暗くて店がわかんねぇから明るくしてくれよ」
そう御札を手にして語りかけた瞬間。それは光って俺の手から消えた。
「うぉっ、びっくりしたぁ……」
俺が思わず声を発したと同時に、真っ暗だったはずの目の前が急にキラキラと光り輝いて明るくなった。
激しい眩しさに目を細めながらも何が起きたのか確認すると、道を覆うかのように生えていた木々にLEDライトのイルミネーションがびっしりと飾りつけられている。いったいどこから電力が供給されてるんだ。
「すげぇ……いや、そこまでする必要なかったんだけどな」
建物の中や通りの向こうからこの異様な光景に気づいた人達がやってきて、驚きの表情で電飾で光る木々に見入って、皆何が起きたのか話し合っている。
俺も何事か尋ねられたが、まったくわけがわからないという顔をしてやり過ごした。
そうこうする内に集まってきた人達はこの光景を楽しみ始めて、若いカップルがイルミネーションの下に並んで仲良く写真を撮影し始めた。
――おいおい。さっきまで薬でも売ってそうな場所だったのに、急にデートスポットになっちまった……イルミネーションやべぇなぁ。
でもそのおかげで道を聞くことができたので良しとしよう。どうやら俺は道を間違えていたらしい。
「この通りは夜になると、ごろつきがうろうろして治安が悪かったんだがな。何が起きたのかわからんが、こんだけ明るくなったら安心だなぁ、ハハハ」
俺に道を教えてくれた地元のオッサンは、そう言ってうれしそうに笑っていた。
その後、正しい道を辿ってやっと店にたどり着き、俺は無事パン男ロボを手に入れた。
なんでもこれが最後の1個らしい。へへ、ついてるなぁ。俺はロボの入った紙袋を受け取り、店を出た。
安心したら急にのどが渇いてきた。でもこの辺りに飲食店は見当たらず、当然自販機なんてものも無い。あぁいうもんが大量にどこにでもあるのは日本くらいなんだよな。
「よし、御札にお願いしてみるか」
――さっきの感じだと、今度はもしかしたらドリンクバーが出ちゃったりするかもな。
俺はポケットから御札を取り出し、キンキンに冷えたコーラを思い描きながら願い事を言った。
「おーい、御札! のど乾いたから飲み放題のやつ頼むわ!」
俺の声に反応して御札が光り輝いて消えた瞬間、地響きがして目の前に小さな岩山が出現した。
そして岩の隙間からチョロチョロと湧き水がでてきたかと思うと、それはすぐにドバドバと水が流れる立派な泉になった。
「いや、たしかに飲み放題だけどさぁ……」
俺は少しがっかりしたが、仕方ないので湧き水をたっぷり飲んだ。やや硬水だがよく冷えてるし味も悪くない。
水を飲んでいると、さっきみたいにまた周囲にわらわらと人が集まってきた。
皆、俺の真似をして水を飲みながら不思議そうに語り合っている。
「あれ、こんなところに湧き水なんてあったか?」
「無かった気がするが……でも、助かるなぁ」
その後も皆、思い思いに水を飲んだり写真を撮ったりしていたが、そのうち周囲から「これは奇跡だ! 奇跡の泉だ!」と叫ぶ声が出始めたので、面倒なことになる前に立ち去ることにした。
「この街、今日だけで観光スポット2つできちゃったな……まぁ喜ばれたしいいか」
――さて、この後はどうするかな。すぐ帰ろうかと思ったけどよく考えたらまだ来たばっかりだし、あちこち観光して帰ってもいいよな。そうだ、ジェルへの土産は何にするかなぁ。
そう思いながら当ても無く路地を歩いていると、急に爆発音がして右手にぶら下げていた紙袋がはじけ飛んだ。
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