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season1
40話:最期の願い
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そして翌朝。アレクの部屋に行くと、彼はベッドに横になっていました。
「アレク、具合はどうですか?」
「あ、うん……あんまりよくねぇなぁ」
「そうそう。シロに連絡したんですが、今日お見舞いにきてくれるそうですよ」
そう何気なくアレクに友人の来訪を伝えると、彼は急に咳き込みます。
「マジかよ……ゲホッゲホッ!」
「大丈夫ですか、アレク! すぐに薬と水を持ってきますから……!」
「ジェル、俺はもうダメだ……」
「え、何を弱気なことを……!」
「……パン男ロボDX追加装甲同梱スペシャル限定版が今すぐ欲しいなぁ、それがあれば俺も元気になるんだが」
――え、それはさすがに病気と関係無いのではと思うのですが。
「アレク……?」
不審に思いアレクを見ると、彼はは必死でワタクシを説得し始めました。
「いや、こういう時は気力が肝心だろう? 俺、ロボがあったら病気治るかも……」
「え、でも……」
「ジェルだって、あの時兄の言うことを聞いてロボを買っておけば……って後悔したくないだろ?」
「えぇっ……⁉」
「あぁ、目の前が急に暗くなった……‼ もうロボしか打つ手は無い‼」
「――ちょっとアレク⁉ 今すぐ買ってきますから気をしっかりもってください‼」
「待てジェル、もう店頭には在庫が無い。でも通販なら在庫がある」
「え、そうなんですか?」
アレクの指示に従ってスマホで通販を見たのですが、そのロボットはすごいプレミア価格に跳ね上がっています。
「こ、これは……いやしかし……」
価格に驚きつつも買うべきか思案していると、店の玄関からドタドタと足音がして氏神のシロがやってきました。
「ねぇ! アレク兄ちゃんが病気ってホント⁉」
「えぇ……普段あんなに元気なアレクが寝込んでしまって……ただの風邪だと思ったのですが……もう自分はダメだと……」
「えぇ⁉……ホントに?」
「はい……そんなこと有り得ないはずですが……もしアレクが居なくなったらと思うとワタクシは……ワタクシは……」
「ジェル、落ち着いて。僕がちょっと見てみるから」
ワタクシは少し涙ぐみながらシロをアレクの部屋に案内して、彼と対面させました。
アレクは布団をしっかりと被ってぐったりと横になっています。
「アレク兄ちゃん、僕だよ? シロだよ? わかるかい?」
「……シロ。見舞いに来てくれたのか」
「うん。アレク兄ちゃんが重病人になったって聞いてね」
「え……あ、あぁ」
シロはしばらく黙ってアレクを見つめていましたが、軽く息を吐くとワタクシに向かって奇妙なことを言いました。
「――ねぇ、ジェル。白ネギはあるかい?」
「え、白ネギって野菜のですか? えぇ、冷蔵庫にありますが」
「じゃ、急いで持ってきて。なるべく太くて長いので頼むよ」
アレクが病気で大変な時にシロはそんな物でいったい何をするつもりなんでしょう。
不思議に思いながらも、キッチンから太くて長い白ネギを持ってきてシロに手渡しました。
「アレク、具合はどうですか?」
「あ、うん……あんまりよくねぇなぁ」
「そうそう。シロに連絡したんですが、今日お見舞いにきてくれるそうですよ」
そう何気なくアレクに友人の来訪を伝えると、彼は急に咳き込みます。
「マジかよ……ゲホッゲホッ!」
「大丈夫ですか、アレク! すぐに薬と水を持ってきますから……!」
「ジェル、俺はもうダメだ……」
「え、何を弱気なことを……!」
「……パン男ロボDX追加装甲同梱スペシャル限定版が今すぐ欲しいなぁ、それがあれば俺も元気になるんだが」
――え、それはさすがに病気と関係無いのではと思うのですが。
「アレク……?」
不審に思いアレクを見ると、彼はは必死でワタクシを説得し始めました。
「いや、こういう時は気力が肝心だろう? 俺、ロボがあったら病気治るかも……」
「え、でも……」
「ジェルだって、あの時兄の言うことを聞いてロボを買っておけば……って後悔したくないだろ?」
「えぇっ……⁉」
「あぁ、目の前が急に暗くなった……‼ もうロボしか打つ手は無い‼」
「――ちょっとアレク⁉ 今すぐ買ってきますから気をしっかりもってください‼」
「待てジェル、もう店頭には在庫が無い。でも通販なら在庫がある」
「え、そうなんですか?」
アレクの指示に従ってスマホで通販を見たのですが、そのロボットはすごいプレミア価格に跳ね上がっています。
「こ、これは……いやしかし……」
価格に驚きつつも買うべきか思案していると、店の玄関からドタドタと足音がして氏神のシロがやってきました。
「ねぇ! アレク兄ちゃんが病気ってホント⁉」
「えぇ……普段あんなに元気なアレクが寝込んでしまって……ただの風邪だと思ったのですが……もう自分はダメだと……」
「えぇ⁉……ホントに?」
「はい……そんなこと有り得ないはずですが……もしアレクが居なくなったらと思うとワタクシは……ワタクシは……」
「ジェル、落ち着いて。僕がちょっと見てみるから」
ワタクシは少し涙ぐみながらシロをアレクの部屋に案内して、彼と対面させました。
アレクは布団をしっかりと被ってぐったりと横になっています。
「アレク兄ちゃん、僕だよ? シロだよ? わかるかい?」
「……シロ。見舞いに来てくれたのか」
「うん。アレク兄ちゃんが重病人になったって聞いてね」
「え……あ、あぁ」
シロはしばらく黙ってアレクを見つめていましたが、軽く息を吐くとワタクシに向かって奇妙なことを言いました。
「――ねぇ、ジェル。白ネギはあるかい?」
「え、白ネギって野菜のですか? えぇ、冷蔵庫にありますが」
「じゃ、急いで持ってきて。なるべく太くて長いので頼むよ」
アレクが病気で大変な時にシロはそんな物でいったい何をするつもりなんでしょう。
不思議に思いながらも、キッチンから太くて長い白ネギを持ってきてシロに手渡しました。
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