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season1
11話:魔王襲来
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その時、森の中から鎧兜を身にまとった奴らがわらわらと現れた。
「おお、ドラゴンを退治したのか……!」
「なんということだ。あのドラゴンには我々も手を焼いていたのに」
どういうわけか皆、俺を見ながら口々に感心の言葉を述べている。
「アンタ達、なんだ?」
俺が尋ねると、ヒゲの鎧兜を着たオッサンが前に出て答えた。
「我々は、この国の騎士団です。勇者様のご活躍、拝見させていただきましたぞ!」
「騎士団?」
「えぇ。あのドラゴンは湖を根城にしてましてな。街の住民が襲われるので退治に来ていたんですが上手くいかず困っていたのです。勇者様、本当にありがとうございます!」
「いや、俺、勇者様じゃねぇし、お礼言われるようなもんでもねぇから……」
ただのワニだと思ってたなんて言えねぇな。
「ご謙遜を。きっと国王様もお喜びになるでしょう。ぜひ城でおもてなしさせてくださいませ」
「あ、ありがとう」
言われるまま騎士団に招かれ、俺とシロは森を抜け、城下町を通り、お城へやってきた。
そして俺達は住民達や国王の大歓迎を受け、気に入られた俺達はそのまま城にしばらく滞在することになった。
国王に弟を探していることを伝えると協力してもらえることになったのは助かった。
それから数日後……
城の中でジェルを探しに行く相談をしていると、騎士団のオッサンが酷く慌てた様子で広間へ入ってきた。
「国王! 緊急事態です! 魔王軍が攻めてきました!」
「な、なんじゃと⁉ ずっと静かであったのにどういうことだ⁉」
報告を聞いた王様は酷くうろたえていた。
聞けば魔王軍が攻めてくるのは数十年ぶりぐらいの話で、先代の国王の時以来だそうだ。
王様は切実であることを示すように俺の手を取って訴えた。
「勇者アレク殿、どうかその武勇で我が国をお救いくだされ!」
「え、俺……?」
突然の指名に戸惑っていると、さらに報告が上がってきた。
しかしその報告はずいぶん奇妙なものだった。
「国王! 魔王軍がどんどん城へ近づいてきます!」
「おお、それで被害状況はどうなっておる?」
「それが、一部の建物が破壊された程度でして。住民の避難は完了しておりますし特に怪我人や死者も無いそうで……」
報告にきた兵士は困惑しているようだった。
「どういうことじゃ?」
「魔物たちも脅してきたり物を破壊したりはするのですが、どうも我々を殺さないようにしているとしか思えません」
「ならば早く討伐すればよかろうに」
「それが魔王軍には何やら魔法の障壁(しょうへき)が張られているらしく、こちらの攻撃が一切効かないのです!」
「なんと。どうしたものか……」
その報告を聞いたシロが、俺に言った。
「アレク兄ちゃん、とりあえず行ってみようか」
「そうだな。しかし殺さないようにしてるって、魔王は何考えて攻めてきたんだろうな」
不審に思いつつも俺達が城下町に駆けつけると、魔物たちによって街のあちこちが破壊されていた。
戦いの影響か、あちこちで火の手が上がっている。
「うわ、案外ひでぇな……みんな避難済んでるって言うけど、この火はほっとくとやばくねぇか?」
「そうだね。僕に任せて」
シロは両手を前にかざし、何か唱えるとその手を地面につけた。途端に、地面のあちこちから噴水のように勢いよく水の柱がでて、街中の炎を消していく。
「すげぇ! どうなってんだ⁉」
「地下水脈をいじったんだ。地盤に影響でるからあんまりやっちゃダメだけど緊急事態だしね」
「やっぱシロは神様なんだな、さすがだわ」
「日本でこんなことしたら他の神様に怒られるけど、異世界だし怒られないかなって」
――ここにも神様はいるだろうけどな。まぁこんな状況だしきっと許してくれるだろうと思う。
「それより、アレク兄ちゃん! あれ見て!」
シロの指差した方向には、飛竜に乗って手を大きく掲げ、角を生やし黒いマントをなびかせた鎧姿の金髪の男の姿があった。
「おお、ドラゴンを退治したのか……!」
「なんということだ。あのドラゴンには我々も手を焼いていたのに」
どういうわけか皆、俺を見ながら口々に感心の言葉を述べている。
「アンタ達、なんだ?」
俺が尋ねると、ヒゲの鎧兜を着たオッサンが前に出て答えた。
「我々は、この国の騎士団です。勇者様のご活躍、拝見させていただきましたぞ!」
「騎士団?」
「えぇ。あのドラゴンは湖を根城にしてましてな。街の住民が襲われるので退治に来ていたんですが上手くいかず困っていたのです。勇者様、本当にありがとうございます!」
「いや、俺、勇者様じゃねぇし、お礼言われるようなもんでもねぇから……」
ただのワニだと思ってたなんて言えねぇな。
「ご謙遜を。きっと国王様もお喜びになるでしょう。ぜひ城でおもてなしさせてくださいませ」
「あ、ありがとう」
言われるまま騎士団に招かれ、俺とシロは森を抜け、城下町を通り、お城へやってきた。
そして俺達は住民達や国王の大歓迎を受け、気に入られた俺達はそのまま城にしばらく滞在することになった。
国王に弟を探していることを伝えると協力してもらえることになったのは助かった。
それから数日後……
城の中でジェルを探しに行く相談をしていると、騎士団のオッサンが酷く慌てた様子で広間へ入ってきた。
「国王! 緊急事態です! 魔王軍が攻めてきました!」
「な、なんじゃと⁉ ずっと静かであったのにどういうことだ⁉」
報告を聞いた王様は酷くうろたえていた。
聞けば魔王軍が攻めてくるのは数十年ぶりぐらいの話で、先代の国王の時以来だそうだ。
王様は切実であることを示すように俺の手を取って訴えた。
「勇者アレク殿、どうかその武勇で我が国をお救いくだされ!」
「え、俺……?」
突然の指名に戸惑っていると、さらに報告が上がってきた。
しかしその報告はずいぶん奇妙なものだった。
「国王! 魔王軍がどんどん城へ近づいてきます!」
「おお、それで被害状況はどうなっておる?」
「それが、一部の建物が破壊された程度でして。住民の避難は完了しておりますし特に怪我人や死者も無いそうで……」
報告にきた兵士は困惑しているようだった。
「どういうことじゃ?」
「魔物たちも脅してきたり物を破壊したりはするのですが、どうも我々を殺さないようにしているとしか思えません」
「ならば早く討伐すればよかろうに」
「それが魔王軍には何やら魔法の障壁(しょうへき)が張られているらしく、こちらの攻撃が一切効かないのです!」
「なんと。どうしたものか……」
その報告を聞いたシロが、俺に言った。
「アレク兄ちゃん、とりあえず行ってみようか」
「そうだな。しかし殺さないようにしてるって、魔王は何考えて攻めてきたんだろうな」
不審に思いつつも俺達が城下町に駆けつけると、魔物たちによって街のあちこちが破壊されていた。
戦いの影響か、あちこちで火の手が上がっている。
「うわ、案外ひでぇな……みんな避難済んでるって言うけど、この火はほっとくとやばくねぇか?」
「そうだね。僕に任せて」
シロは両手を前にかざし、何か唱えるとその手を地面につけた。途端に、地面のあちこちから噴水のように勢いよく水の柱がでて、街中の炎を消していく。
「すげぇ! どうなってんだ⁉」
「地下水脈をいじったんだ。地盤に影響でるからあんまりやっちゃダメだけど緊急事態だしね」
「やっぱシロは神様なんだな、さすがだわ」
「日本でこんなことしたら他の神様に怒られるけど、異世界だし怒られないかなって」
――ここにも神様はいるだろうけどな。まぁこんな状況だしきっと許してくれるだろうと思う。
「それより、アレク兄ちゃん! あれ見て!」
シロの指差した方向には、飛竜に乗って手を大きく掲げ、角を生やし黒いマントをなびかせた鎧姿の金髪の男の姿があった。
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