最終目標はのんびり暮らすことです。

海里

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3章:攻略キャラ、大集合?

彼の秘密。 ――4

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 で、なんやかんやあって、落ち着いたと判断したので自分のことを明かす前に沙織サオリ……じゃなくて、セシリアにプロポーズした、らしい。

 行動力すごいな、リンジー。

「えーっと、セシリアは、どうするんだ?」
「うん、一希イツキさんなら結婚したいと思っているの。……祝福してくれる?」

 セシリアは前世の夫となら、ってことも言っていたし、それならオレが反対するワケもなく。そもそも今の年齢は未成年だとしても、あと数年もすれば成人するわけだし、彼女の人生は彼女のものだ。

「そりゃあ、もちろん。おめでとう、セシリア、リンジー」
「おめでとうございます」

 えへへ、と頬を朱に染めて笑うセシリアはとても綺麗だった。その笑みを、リンジーが慈愛に満ちた瞳で見ていたことが印象に残った。

「んで、『世界』がどうのこうのっていう話もしてくれるんだよな?」

 真摯しんしな表情でリンジーを見つめる。彼はこくりとうなずいた。昨日、彼が言っていた調停者アービターって言葉も気になるし。

「昨日も言ったが、『世界』はエリスくんのことを危険視している」

 ひゅ、と息をむ音が聞こえた。セシリアからだ。

「……どういうこと?」

 さっきまでの和やかな雰囲気が一変。ピリッと張り詰めた雰囲気になった。

「言葉通りさ。『世界』の手から逃れ、他の者も『世界』から断ち切るイレギュラーな存在だからね、きみは」

 それはたぶん、何度もループしているからだと思う。というか待って? この世界の神さまって、あの『ヴィーナス』と名乗った女神だよな。それとはまた違う神さまがいるってこと?

「リンジーのいう『世界』って、どういう意味なんだ?」
「そうだね、まずは……そう、『世界』の説明が必要か」

 リンジーは口元に手を当て、悩むように目を閉じる。その姿をセシリアがじっと見て、ほう、と息を吐いた。彼を見つめる彼女の瞳に熱が帯びているのを見て、『沙織(サオリ)』が恋をしている姿を見たことなかったな、と日本で暮らしていた頃を思い返す。
「この『世界』が乙女ゲームであることを、知っているね?」

 こくり、と全員がうなずく――カイルはこのことを知っていたっけ? と思わずカイルを凝視した。

「そのゲームを作ったトップふたりが『世界』の正体さ」
「……はい?」
「思い通りにキャラクターを動かしたい、『強制力』ってこと。恐らくこれは知らなかったと思うけど、そのトップふたりは自殺しているんだ」

 ――自殺? と目を大きく見開く。オレだけじゃなく、セシリアもカイルも驚いていた。
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