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3章:攻略キャラ、大集合?

彼の秘密。 ――2

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「えっと、話が理解できていないんだけど……?」

 おずおずと片手を上げて言葉を紡ぐと、リンジーとカイルが同時に視線を向ける。ちらりと窓の外へ視線を移動し、窓の外が暗いので恐らく夜だろう。

 オレが覚えているのは、子どもたちの様子を三ヶ所見学したしたところで体力が限界になり、眠りに落ちたところ、あの夢を見たって感じ。

 だから、なんでリンジーがここにいるのかもわからないし、カイルがあんなに必死の形相だったのかもわからなかった。

 リンジーは「ふむ」と呟くと、じっとオレを見つめる。

「――エリスくん、きみは『世界』から危険視されている」
「……は?」

 話が理解できてないってさっき言ったばかりなのに、さらに理解できないことを言われて眉間に皺を刻む。リンジーはオレに近付くと、眉間の皺を突くようにぐりぐりと押されて、「なにするんだよっ!」と叫ぶ。

 カイルが腕から手を離し、代わりにリンジーの手首を掴み、「やめてください」と低い声で注意する。

 それを見たリンジーは肩をすくめ、ぽすんとベッドの端に座る。

「説明、してくれるよな?」
「その前に、改めて自己紹介しようか。ボクはリンジー。リンジー・ヴァクト。日本では、有馬アリマ一希イツキという名前だった」

 ……へ? 今、日本ではって言ったよな、リンジー。え? 待って、本当に混乱しているんだけど!?

「えーっと、もしかして、転生者?」

 とりあえず回らない思考を無理矢理働かせて、聞かなくちゃいけないことだけをたずねる。

「んで、リンジーは調停者アービター? 待って本当にわけがわからない」

 混乱しているオレを落ち着かせるように、ぽんぽんと肩を叩く。カイルが小さく息を吐き、リンジーをベッドから立たせる。

「今日はもう遅いですし、エリスさまを休ませたいのですが?」

 夜なのはなんとなくわかるけど、今一体何時なんだろう? 時間を確認しようとしたが、それよりも先にカイルがオレの目の上に手を置いた。

「今は、なにも考えないで休んでください。良いですよね、リンジー卿」
「もちろん。明日は沙織サオリも呼んで話そうではないか」

 え、沙織? ……セシリアのこと、だよな?

 ちょっと待って、本当に。一体リンジーは何者なんだ? ぐるぐると回る思考。ただ、パチンと指が鳴る音が聞こえて、考えることができなくなった。睡魔が襲い掛かって来たのだ。

 睡眠薬でも飲まされたかのように、あっという間に眠りに落ちた、気がする。……睡眠薬を飲んだ記憶はないんだけどさ。
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