【完結】金曜日の秘め事マッサージ。

5回目:お泊りコース（最終日/ライブ配信/後編）

「次に『焦らす』が選ばれたら、焦らす時間は十分に延長しましょうね」
「ぁ、そんな……♡♡♡♡」
「おや、満更でもなさそうな顔ですね。『焦らす』が選ばれるたびに焦らす時間を五分ずつ延長していきましょう」
「コメント欄に賛成が多いですよ」

　クスクスと施術者が笑う。次のアンケートでも『焦らす』が選ばれ、結局『構わない』が選ばれたのはそれから三十分が過ぎてからだ。最後のほうには裕也は涙を浮かべて恍惚の表情を浮かべて懇願していた。その姿はとても淫靡で、見る者を魅了するかのように視線を集めた。

「おね、がいしますぅぅぅ♡♡♡♡♡　もう挿れてェぇええ♡♡♡♡　熱くて逞しいのお尻にください、お、れの淫乱なお尻犯してぇぇぇ♡♡♡♡♡」
「おや、淫乱なのはお尻だけではないでしょう？」

　ねぇ？　と乳首を爪で弾く施術者に、同意のコメントが寄せられた。裕也の口から甘い喘ぎ声が出て、大きく躰が揺れた。背中を反らせて、ナカイキをしたようだ。そして、施術者は裕也の耳元で甘く囁く。

「ほら、教えて？」
「ぁ……♡♡♡♡」

　そう言いながらも施術者は裕也の耳たぶを甘噛みしたり舐めたりと愛撫をした。その感覚に裕也はうっとりと目元を細める。ぴちゃぴちゃという音が鼓膜を揺らす感覚。ナカはペニスを欲しがり、弄られていない乳首は愛撫を求め、尿道に刺さる棒を激しく動かして欲しい。裕也の震える口から紡ぎ出された言葉は、その場に居た全員、そして視聴していた人たちに甘く響いた。

「俺のッ、淫乱な躰をいっぱい苛めて気持ち良くしてくださいぃぃぃ♡♡♡♡♡♡　奥をいっぱいついてッ♡♡♡♡　ナカに出して♡♡♡♡　乳首いっぱい抓って気持ち良くして♡♡♡♡　尿道に刺さったの動かして前立腺ぐりぐりして♡♡♡♡　何でもするからはやくぅぅぅ♡♡♡♡」

　やっぱりこの人……結構なドMだ、と施術者は笑う。縛った時も抵抗らしい抵抗はなかった。起きてからも、だ。こういう人は苛め甲斐があると施術者は唇を舐めた。痛いのも気持ち良いに変わる人なのだろう。そうでなければこんなに乱れるわけがない。尿道に突き刺されたガラス棒は昨日のものよりも一回り大きい。あっさりと受け入れ、痛みを快楽へと変えた裕也に、施術者は目元を細めて微笑んだ。

「仰せの通りに、お客様」

　施術者がそう言うと、新人がペニスを裕也のアナルにあてがい、一気に貫いた。

「ひゃぁぁあアアああんンンンッ♡♡♡♡♡♡♡」

　部屋の中に裕也の嬌声が響き渡る。望んでいたものを挿れられて、裕也はまたナカイキをしたみたいだ。きゅうっときつく締め付けられて危うくすぐに出してしまいそうになった新人は、裕也の腰を掴んで下から激しく突き上げた。

「ァアアああっ♡♡♡　今イった、イったからぁぁぁ♡♡♡　ァアアんんっ、はげしっ、気持ち良いッ♡♡♡♡♡」
「それでは、ここからは淫乱なお客様の乱れる姿をお楽しみください」

　パンパンと施術者が手を鳴らすと、撮影していた新人も、コメントを返信していた新人も裕也の近くに集まってベルトを引き抜いて下着ごとズボンを脱ぎ、すっかり大きくなったペニスを裕也に見せた。裕也は嬉しそうに手を伸ばして新人たちのペニスを両手で扱き、口には施術者のペニスを含んで「んんんんぅぅぅ♡♡♡♡♡」と美味しそうにしゃぶった。他の新人たちはそれぞれ裕也の乳首を指で愛撫し、尿道に刺さるガラスの棒をじゅぷじゅぷと音を立てながら動かして裕也を快楽へと堕としていく。
　何度もナカイキを繰り返して、裕也は快楽を貪る。あまりに強い刺激に何度か失神しかけたが、そのたびに奥に辿り着いているペニスが乱暴に裕也を起こす。それが何時間続いただろうか。気が付いた時には陽は落ち、カメラの電池は切れ、施術者と新人たちの体力は底をつきそうになっていた。
　代わる代わる裕也のナカに出して、裕也は搾り取るようにナカを締め付けた。最後に施術者がペニスを抜くと、裕也のアナルから白濁の液体が流れ落ちる。
　裕也の全身は施術者や新人たちの精液でドロドロになっていて、施術者は裕也の尿道に刺さったガラス棒を一気に引き抜いた。

「あぁァああああああッ♡♡♡♡♡♡♡」

　出したくても出せなかったものが、せり上がってビュクビュクと鈴口から放たれた。色はなく、それが潮であることに気付いた新人が、「撮れませんでしたね」と残念そうに口にした。
　裕也は透明な液体が出て行くその感覚にぞくぞくとした快感を覚えて、口角を上げた。たくさんの人に見られた。裕也と同じ電車に乗る人は彼に気付いたら手を出すだろう。それを想像して、裕也はごくりと喉を鳴らして唾を飲んだ。




　あの後、お泊りコースをすべて終え、裕也は新人たちに連れられてシャワーで綺麗に洗われた。その時にも何度かナカイキをして、裕也はうっとりとした表情を浮かべて何度も何度もペニスをねだった。
　応えられる人は居なかったため、ナカに出された精液を掻き出し綺麗にした後、ペニスの代わりに防水バイブを裕也のアナルに突き入れた。柔らかいそこは難なくバイブを受け止め、ごりごりと前立腺を刺激された裕也は目の前の新人に縋るように抱き着き、気持ちよさそうに喘いだ。
　ヴヴヴヴと揺れ動くバイブを新人のひとりが激しく動かし、抱き着かれている新人はクニクニと裕也の乳首を捏ねた。刺激を与えるたびに裕也は気持ちよさそうに躰を跳ねさせる。

「はぁぁアアあんンンン♡♡♡♡♡」

　裕也の甘い声はとてもよく響いた。
　アナルに突き入れられたバイブは「お泊りコースの景品です」と言われて裕也は挿れたまま持ち帰ることにした。乳首には相変わらずちりんと音の鳴る揺れるタイプのニップルリングが装着され、来た時と変わらずスーツに身を包み、裕也は帰路につく。マッサージ店の人が送ってくれた。恐らくこのまま家に帰せば人々を魅了して街中で襲われるだろうと施術者が判断したからだ。
　車の運転が出来る新人が裕也を家まで送り、「またのご来店をお待ちしております」と微笑んだ。裕也は「はぃ……♡♡♡」と表情を綻ばせ、部屋へと帰った。

『次回は〇月〇日、スペシャルコースにてお待ちしております』

　そんなメールが届き、裕也はうっとりとした表情でスーツを脱ぎ、艶やかに笑ってみせた。何でもすると口にしたことを覚えている。自分がどんな扱いを受けるのか、とても楽しみだ。

　ちなみに余談であるが、その日の同時視聴者は歴代記録を超え、さらにアーカイブもすごい勢いで閲覧回数が増えた。裕也の乱れる姿は、その日の視聴者たちも、アーカイブを閲覧した人たちをも魅了したのだ。

「早く金曜日にならないかな……♡♡♡♡」

　そんなことを知らない裕也は、指定された日に思いを寄せて恍惚の表情を浮かべた。こんなに気持ち良いことを、やめられるわけないのだ、と。

　だが、裕也は知らない。裕也の乱れた姿を見た視聴者が、電車に乗る裕也に気付いて痴漢をしたり、会員になっていた大翔と裕也の勤めている会社の社長がこのライブ配信を見ていて、裕也の仕事を他の者に回し、代わりに仕事を終わらせたものや性的欲求を持て余している社員に裕也を好きにしても良い場所を作り上げようとしていることに。
　知っていても知らなくても、裕也はもう抜け出せない。むしろ、快楽を貪れることに喜ぶかもしれない。彼の頭にはもう、どうやって気持ち良くなるかばかりしかないのだから……。
　月曜日から金曜日まで。果ては休日である土曜日や日曜日までも。裕也の周りには彼を犯したい人が集まって来るだろう。そして、裕也はそれを全て受け入れるだろう。自分では味わえない快楽の蜜を、知ってしまった裕也に取って幸か不幸か。
　快楽しか考えられなくなっている裕也にとっては――……。