サディアス×ニコロ

海里

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サディアス×ニコロ

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「……ッ、ぅ……」


 サディアスの手が、ニコロの躰を這う。優しく、ガラス細工に触れるかのように。サディアスがニコロの素肌に触れるたびに、ニコロの躰は反応を示した。顔を見ようとすると、ニコロは顔の前で腕をクロスさせて顔を隠していた。そんな姿を見て、サディアスはひっそりと笑む。

 緩やかに反応を示す乳首を摘まんで、くりくりと弄ぶ。反対側の乳首は口に含んで舌で転がす。――どうやってニコロを抱こうか、ずっと考えていた。頭の中でシミュレーションを繰り返し、いつかチャンスがあればと機会を窺っていた。

 酒を飲んだからか、反応は割と鈍い。それでも熱を帯びる躰と荒くなる息を感じてサディアスは愛撫を続ける。カリっと乳首を甘噛みしてやれば、ニコロの躰が跳ねる。徐々にではあるが、快感が回っているのだろう。



「やめ……ッ」



 身を捩って逃げようとするニコロに、サディアスは乳首を引っ張った。ぎゅむっと強く摘ままれながら引っ張られ、ジンジンと鈍く痺れる感覚に唇を噛み締める。なんでこんな自分を抱こうとするのか、サディアスの考えていることがわからなくて、ニコロはただ耐えるしか出来なかった。



「お酒を飲んじゃったけど……、ちゃんと感じてくれているみたいだね」



 するりとニコロの下半身に手を伸ばして、そっと股間を撫でる。サディアスの愛撫にソコは膨らんでいて、嬉しそうに声を弾ませる彼に対してニコロは息を飲む。何がそんなに楽しいのか。

 サディアスはやわやわとニコロの股間を服越しに揉んで、ニコロが慌てたように彼に手を伸ばす。アルコールで感覚が鈍くなっているとは言え、揉まれるとどうしても反応してしまう場所だ。



「ニコロ、腰を上げて?」

「――ッ、なっ」

「服を脱がないと抱けないじゃない。あ、それとも服を切り取って欲しかった?」



 ――サディアスならやりかねない。

 そう感じ取って大人しく腰を上げる。するりと下着ごと服を脱がされて、緩く勃っているニコロの中心に、サディアスは愛しそうに手を添えて上下に扱く。



「んッ、ぁ……ゃッ!」

「ほら、ちゃんと気持ちいいって先走りが出てる」



 心底楽しそうにニコロのモノを扱き、とろとろと溢れてくる先走りを掬って塗り付け、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながらニコロを追い込む。先端をぐりぐりと弄ると、ニコロが自分の腕を噛んで声を抑えながら果てた。それに気付いたサディアスが、ニコロの口から腕を離す。



「噛むならわたしを噛んで欲しいのに」

「……な、に、言って……」



 果てたあとの脱力感からか、自分の意志ではない射精だからか、ニコロの目には涙が浮かんでいて、それがとても扇情的に見えた。サディアスはちゅっとニコロの腕に残る噛み痕に唇を落として癒す。

 そして、そのまま後孔に触れて、ニコロの出したものを丁寧に塗り付けて様子を窺うようにつぷりと中指を挿れた。ニコロのナカは狭くて、きゅうきゅうとサディアスの指を食む。ゆっくりとサディアスは指を動かす。後ろの感じるところを探って、しこりを見つけるとそこを押した。



「んぁっ!?」

「あ、ここかな」



 こりこりとソコを刺激されて、ニコロは思わず目を閉じる。感じている自分を否定したいのか、口を両手で押さえていた。サディアスがニコロのイイトコロを覚えて、一度指を抜く。今度は人差し指と中指を一緒に挿れて、ナカを解すように円を描く。時折、イイトコロに触れてニコロの躰を跳ねさせた。三本目が入る頃にはニコロの中心は再び頭をもたげていて、とろりと蜜をこぼしていた。



「ようやくニコロを抱ける……」



 指を引き抜いて、物足りなさそうにひくひくと動く後孔にサディアスは自分の唇を舐めた。何年、この日を待ち望んでいたことか。自身の欲望をひくつく後孔にあてがい、彼は美しく笑った。挿入はゆっくりだった。じわり、じわりとニコロのナカへ入っていく。



「……ッ、ぅぁ……ッ」



 どうしても声を出したくないのか、ニコロが耐えているのがわかる。口元を押さえている手を外すと同時に、少しずつ、少しずつナカへと馴染ませるように挿れていたサディアスの欲望を一気に挿れた。



「ああああっ!」



 痛みからか、それとも快感からかニコロの口から大きな声が出たのにサディアスは口角を上げた。



「全部入ったよ、ニコロ。わかる?」

「……ッ、な、で……」



 なんでそんなにデカいんだよ! とニコロが心の中で叫ぶ。サディアスはただ笑みを深めた。痛みのほうが強いのだろう。すっかり萎えたニコロの中心に手を伸ばして、労わるように上下に扱く。痛みの中に快感が混じり、ニコロが「ひっ」と短い悲鳴を上げた。



「ぅあっ、ッ、ぁあ……ッ」



 ポロポロと涙を流すニコロ。その涙を舌で掬いあげてちゅうっと吸い上げる。可愛がっていた弟のような相手に、こんなことをされてニコロの色々な感情が混ざり複雑な色に変わっていく。その様子をサディアスはただ見つめていた。



「動くよ」



 ニコロの腰を掴み、ピストンを始める。最初のほうはゆっくりと動いていたが、徐々に動きは激しさを増していく。ぱちゅん、ぱちゅんと音が響き、ニコロは奥を突かれるたびに口から嬌声を上げた。



「やっ、ぁっ、あっ」



 細かく切れる喘ぎ声を聞きながら、サディアスはうっとりと目元を細めてニコロのナカを堪能する。熱くて狭くてとても気持ちが良く、欲望のままに腰を振る。初めての行為だというのに優しくするどころか自分の理性を捨ててしまう結果に、サディアスは苦笑したがやっとニコロを抱けたという事実に心が震えた。

 十四歳の頃に出逢ってから六年も片思いをして、やっと手に入れた――……。



「ァッ、んん、ゃッ……くるし……ッ」

「ごめんね、気持ち良くて止まれない……ッ」



 最奥を突くとニコロから苦し気な声が聞こえた。だけど、止まれなくてせめてニコロにも快感を感じて欲しくてニコロの中心の先端をぐりぐりと手のひらで刺激する。



「ふぁっ、や、やめッ……!」

「やめない。気持ちいいこと、しようね……」



 ニコロのイイトコロを擦り、先端を刺激し続けるとニコロの躰が一層大きく震えた。



「ひっ、ぁ、ぁああッ!」



 白濁の液体をサディアスの手の中に放つのと同時に後孔がきゅっと締まりサディアスの欲望を締め付ける。その締め付けにサディアスはニコロのナカで果てた。はぁ、はぁ、とふたりの荒い息が聞こえる。汗でべたべたになった躰を密着させて、サディアスは挿れたままニコロの乳首に指を這わせた。



「……なにして……」

「足りない、ニコロ。全然足りない……」

「んぅっ!? ちょ、デカくすんなっ」



 その後、ニコロは延々とサディアスに抱かれて解放されたのは明け方だった――……。

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