【本編完結】一夜限りの相手に気に入られています!?

海里

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4章 禍を転じて福と為す

禍を転じて福と為す 9-2

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 突かれるたびにぐちゅぐちゅという水音が室内に響く。止めなくて良いと言ってしまった手前、イったからちょっと待って、とも伝えられなくて、陸矢が最奥を突くのと同時に何度もイきっぱなしになっているような、感覚。

「ふぁ、ぁ、ァアアッ」
「ふふ、流羽さん、気持ちよさそう」

 掴んでいた足を下ろして、腰を掴むと動きを早くさせた。

「あっあっあっ」

 陸矢の動きに合わせるように喘ぎ声が出る。陸矢はそれをうっとりとした表情を浮かべながら聞いていて、「もっと声、聞かせてください」なんて言われた。俺の声で陸矢が興奮するのを知っている。――いや、むしろこれは教えられた、と言っていいのではないだろうか? 俺は、陸矢に向けて手を伸ばした。

 彼はそれに気付くと、深く繋がったままぎゅっと抱きしめてくれた。肌と肌が密着して、互いの体液が混ざり合う。

「りくや、りくや……ッ、好き、だいすき……っ」
「……ッ、流羽さん……!」

 ぎゅうっと陸矢に抱きついて、熱に浮かされるように言葉を出すと、陸矢のモノが大きくなって、ビュクビュクと熱い液体がナカに放たれた。

 その感覚に「ぁ……」と甘い息が漏れる。抜こうとする陸矢の躰に足を回す。少し驚いたように、「流羽さん?」と声を掛けられたけど、俺は陸矢に抱きついたまま、

「まだ、抜かないで……」

 と、小声で伝えると、陸矢は俺を抱きしめる力を強めた。

「……そんなに可愛いこと言われると……」

 困ったように言葉をこぼす陸矢。その理由はすぐにわかった。ナカで、ぐんと陸矢のモノが大きくなった。久しぶりの行為だから、まだ足りないのだろう。

「……もっと、しよ?」
「――大丈夫ですか?」
「陸矢なら、へいき……。もっと、陸矢と気持ち良くなりたい……ッ、ァァああっ!」

 ぐいっと躰を引き寄せられて、対面座位の形になると同時に、自分の体重で陸矢のモノがさらに深く貫かれ、背中が弓のようにしなって達してしまった。

「はぁ、ん……ッ、ぁ、きもちい……」

 ゆるゆるとナカを刺激されて、気持ち良さとともにいろんなものが込み上げてきそうだった。

「流羽さん、涙が……」

 すい、と俺の目尻をなぞる陸矢に、自分が泣いていることに気付いた。

「どうしよう、陸矢……」

 心配そうな陸矢に、甘えるような声が出た。

「幸せすぎて、涙出てきた……」

 恋人に大切にされること。当たり前のことなのかもしれないけれど、俺にはなかったこと。陸矢が俺に優しくしてくれるから、その優しさが心に沁み込んで、幸せを感じるんだ。

「……流羽さんはこれからもっと幸せになるんですから、覚悟していてくださいね」

 柔らかく微笑む陸矢の姿が、涙で滲む。

 ――ああ、なんて幸せなんだろう。

 幸せな気持ちのまま、陸矢に何度も抱かれた……と思う。途中から気を失ってしまい、覚えていない。

 起きたら躰が綺麗になっていたから、陸矢が世話をしてくれたことだけはわかった。
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