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4章 禍を転じて福と為す
禍を転じて福と為す 8-2
しおりを挟む「よかった?」
「あんなことがあったから、流羽さん、怖がるんじゃないかと思って……」
「……ああ、やっぱり俺のことを気遣ってくれていたんだ」
あの日以来、こうやって触れ合うのは初めてになる。陸矢は小さく首を縦に動かした。
「怖がらせたくなかったんです」
「……うん、ありがとう。……でも、かなり長い間、陸矢に我慢させちゃったよな……?」
申し訳なく思い眉を下げて彼を見ると、陸矢は慌てたように首を横に振った。
「流羽さんの心が一番ですから。……その、愛しても、良いですか?」
「……ん。……久しぶりだから、ゆっくり……」
「はい、もちろんです」
蕩けたような微笑みを向けられて、もう一度唇が重なった。ちゅっ、ちゅっというリップ音を響かせて、どんどんと後ろに押し倒されていく。唇から離れ、首筋に強く吸い付く。それと同時に、するりと陸矢の手が俺の胸に触れ、硬くなったところをくに、と摘んだ。
「んぁっ」
そこからビリっとした快感が広がって、思わず声が出る。こんなに感じる場所じゃなかったはずだ。
「気持ち良い? 流羽さん」
「ん、きもちいい、から、もっと……」
俺の躰の様子を注意深く見ながら、陸矢は愛撫を続けていく。陸矢の舌は俺の鎖骨を舐め、どんどん下がっていく。あまり長くない爪先でカリカリと乳頭を引っ掛かれ、甘い声が出た。
「ひゃ、ァ……ッ」
弄っていないほうの乳首を、陸矢が舐めた。ねっとりと舐められて、下半身に熱が集まっていくのを感じた。強く吸われたり、指の腹でくりくりと捏ねられて、びく、びく、と腰が揺れた。
「ここ、トロトロになってますね……」
陸矢の手が俺の陰茎を撫でる。久しぶりに触れられたからか、先走りが大量に出ていて、後孔まで流れているのを感じる。ヒクヒクと後孔が刺激を求めるように収縮を繰り返しているのがわかった。
「こんなにトロトロなら、乳首だけでもイけそうですね……」
うっとりとした声だ。陸矢は陰茎から手を離して、俺の乳首にまた吸い付いてきた。チロチロと舐められて、ゾクゾクとした快感が走る。様子を見る陸矢の視線と、俺の視線がバチっと交わった。
陸矢はふっと目元を細めて、俺の目を見たままカリっと甘噛みをした。
「ァァああっ!」
甘噛みの刺激に、白濁の液体が飛び出た。
「……ほら、やっぱり流羽さんの躰は敏感だ」
恍惚の表情を浮かべて、陸矢が甘く囁くように呟く。俺はそっと陸矢の胸元に触れて、起き上がろうとした。陸矢が不思議そうな顔をしていたけれど、俺はそっと陸矢の股間に手を伸ばした。
陸矢の陰茎は熱く硬く……、俺が手で擦ると、すぐに反応を示してもっと大きくなった。……それが、すごく愛しい。
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